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スクール・カウンセラー制度-その構造的問題-(1)

スクールカウンセラーって結構時給がいいんですよね。私が数年前、土曜日だけ単科精神科のデイケアで働いていた時の時給は\1,000-だったので、その数倍にはなります。で、私が今もし機会があってスクールカウンセラーをやるかって言われたら…恐らくやらないと思います。

 



正確には「やらない」というよりも「やれない」「やれる自信がない」と言った方がいいでしょうか。

もちろん、その理由としては「非常勤だから(今の職に比べれば)立場が非常に不安定」だったりというのもあるんですが、もっと大きいのは「スクールカウンセラーって実はもんのすごく難しい仕事だ」というところにあったりします。

スクールカウンセラーの仕事というともっぱら「生徒と関わる」のが仕事だと思っている人(特に初学者の方)は多いと思いますが、それと同じくらい(あるいはそれ以上に)重要な業務として、教職員を対象としたコンサルテーションが挙げられます。

この場合のコンサルテーションとは「専門家(この場合は教職員)を対象とした援助」であり、これまで学校で行われてきた教職員と学生・生徒との関わりを改善するための援助になります。

このコンサルテーション、上手にやるのは実は非常に難しいんじゃないかと私は思います。保護者と関わることも多いですし、少なくとも相談室外での活動が非常に多くなるわけです。さらに、学校によっては心理検査や知能検査を簡単にはやらせてもらえないようなところは少なくないでしょう。はっきり言って、道具なしでアセスメントするなんて私の今の技術では無理です(まあ、予備的なアセスメントを行って、早めに医療機関に繋げることはできるかもしれませんが)。

てか、ぶっちゃけて言ってしまえば、この仕事ってカウンセリングっていうよりも、ソーシャルワークっていう方が近いんじゃないでしょうか?もちろん、発達障害だったり、精神医学だったりに関する知識は必要になりますが、そんなの知識的な問題だからある程度の経験で補えますよねえ。

そんなわけで私はコンサルテーションだったり、(広義の)ソーシャルワークの能力はないと思うんで、自分はスクールカウンセラーはやりたくないし、やれないと思ってます。

<長くなりそうなので続く>

#肝心の「構造的問題」についてはまた次回…で、私は学校臨床に関しては門外漢なので、誤り等がありましたら訂正プリーズです。

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コメント (Close):14

takashi 05-02-03 (木) 22:08

スクールカウンセラー(この場合、文科省が進めている公立中学校のスクールカウンセラー)は、臨床心理士であれば、けっこうな時給ですが(数倍以上ですね)。でも—-完全に時間制だから、学校が行事だとか台風だとかで休みになると、その分もらえなくなるわけで。おまけに「年280時間or35週」という制限もあるので、実際に働いてみないといくらもらえるのかがわからない。実に不安定なんです。
スクールカウンセラーをしていると、確実に「心理臨床家」としての腕は確実に落ちますね。ソーシャルワーカーっていうのは、まさにそうだと思います。「相談室=プチ児童相談所」とも言えますね。
本来の意味での構造的な面接なんて、無いに等しいですから。高校生や大学生ではともかく、中学生で自主来談して相談をするような生徒は私の行っている中学校ではほとんどいません。精神疾患についてもまだまだ好発期ではないですし。
非行系で授業エスケープして保健室に溜まる生徒の相手か、虐待(主にネグレクト)や発達障害の生徒・親のサポートか、てな感じで、仕事も両極端になりがち。
後は、突発的な災害・事件・事故が起きた場合の対応ですね。被害者支援ってやつです。学外活動での事故、生徒やその保護者が事故・事件の被害者になるor自殺・病死、教師の不祥事(笑)、教師が事故・事件の被害者になるor自殺・病死する—-かなり多岐にわたります。
「組織の中での立場が弱い」っていう点は医療も教育も一緒ですが(悲)。

ロテ職人 05-02-04 (金) 7:30

貴重なコメントありがとうございます。
そうなんですよね。
構造的な面接ができないから、臨床の腕が落ちるって話は私のスーパーヴァイザーもしてました。
そんな中で多岐に渡る(雑多な?)ケースを扱うのって…
というわけで本項は続きます。

takashi 05-02-04 (金) 23:44

そうそう、スクールカウンセラーの仕事でいい忘れたことが—-。人間関係の調整、というか調停もスクールカウンセラーの仕事です。
友人通しの揉め事、家族の揉め事(主に進路選択における親と子の意見の対立)を、家庭裁判所よろしく、てな感じで調停します。
お互いの意見をカウンセラーのしきりのもと、吐き出させて、互いの妥協点を引き出し、着地点を探して、双方合意させる。
もはやスクールカウンセラーという名称自体ふさわしくないですね(笑)。実態は「スクールソーシャルワーカー」に他ならない。

simose 05-02-05 (土) 1:46

ソーシャルワークって指定校では教えてないですよね?
じゃあ今後はこれも社会福祉系の資格に変更されて(PSWならぬ)SSWが…なんてことはないか。

lied 05-02-05 (土) 16:09

私の学校の先生の中には教師へのコンサルテーションをするという形で学校に働きかける方法を取っている方もいました。自分がいなくなると元に戻るようでは意味がないという考え方だったのかもしれません。
ただ、それは沢山の経歴と肩書きを持った大学教授だからできることであって、修士出たての人間にできることでは無いですよね・・。貫禄も経験も信用も無さすぎです。社会的見た目というのも大切ですよね。
仮にそれを単純にまねしようとしたら恐ろしいことになりそう・・。
SCの仕事が修士出たての人間には難しい・・というのはわかるのですが、現実には順ずるものとしてSCとして修士卒すぐに出て行く人がいっぱいいるのが現実のようです。
そういう人にできることを考えるのが建設的かなぁと思ったりしました。定期的な研修ではそういうことをやってるのかなぁ?わからないことだらけですよ^^;

takashi 05-02-05 (土) 21:04

simoseさん
いやいや、実際にスクールソーシャルワーカー資格設立の動きってのはあるんですよ。
私も、スクールカウンセラーよりは、スクールソーシャルワーカーの方がよっぽど学校現場では役に立つかと思っています。

ロテ職人 05-02-05 (土) 22:09

>simoseさん
もちろん!ソーシャルワークを教えてる指定校なんてありませんことよ。
>liedさん
> 私の学校の先生の中には
> 教師へのコンサルテーションをするという形で
> 学校に働きかける方法を取っている方もいました。
いやいや。「方もいました」じゃ困るんですよ。本来であればそれが重要な業務の一部なんですから。
> ただ、それは沢山の経歴と肩書きを持った
> 大学教授だからできることであって、
> 修士出たての人間にできることでは無いですよね・・。
> 貫禄も経験も信用も無さすぎです。
> 社会的見た目というのも大切ですよね。
いやいや。働く現場の違いってのはありますが、病院のソーシャルワーカーなんてのは大卒(あるいは専門学校卒)で立派にコンサルテーション業務なんかを行ってるんですよ。貫禄や経験はともかくとして「信用」を作るのも臨床上の重要な技術の一つなんですよ(ラポールって言葉はご存知ですよね?)。
> SCの仕事が修士出たての人間には難しい・・
> というのはわかるのですが、
> 現実には順ずるものとしてSCとして
> 修士卒すぐに出て行く人がいっぱいいるのが現実のようです。
だからこそ「構造的問題」として述べているわけです。もう根本から変えないとSCの社会的評価は下がっていく一方だと思います。ま、いまさら遅いって話もありますが。
> 定期的な研修ではそういうことをやってるのかなぁ?
> わからないことだらけですよ
私の聞き及ぶ範囲では、そういうことはやられてないみたいですね。だからこそなおさら「単なる就職がない人間の受け皿」としての意味合いしかないんじゃないかと思ったりします。

ロテ職人 05-02-05 (土) 22:14

> 実際にスクールソーシャルワーカー資格
> 設立の動きってのはあるんですよ。
これは私も知ってました。…てか、心理畑の人ってこういう話を知ってるんでしょうか?
> 私も、スクールカウンセラーよりは、
> スクールソーシャルワーカーの方が
> よっぽど学校現場では役に立つかと思っています。
全く同感です。
というか、どんな職場であっても心理臨床家よりもソーシャルワーカーの方がよっぽど役に立つ場面は多いんじゃないかと思います。
なので単に「人の役に立ちたい」と思って心理職を志望している学生さんとかがいた場合に(真面目にアドバイスしようと思った時には)ワーカーという道があることを教えますね。

lied 05-02-06 (日) 0:59

一つ一つにコメントありがとうございました。
SCについては、私は現場を知らない人間です。その分実際にやっている方々の話を聞くようにはしているのですが、妙なことを言うこともあるかもしれません。その時は又指摘してください。
まず上記の先生は教師へのコンサルテーション「だけ」をする先生です。自分では教師以外には一切関わらないという考え方が私には新しく思えたので書いてみました。こんなことは卒後すぐにできることとは思えませんでした。
他にも自ら教室の中へ入り込み、それに加えて学校での活動の補助ができる人材を指導して送り込むという形で関わる人もいるようで、学校に関わる心理士の人にも色々な考え方があるんだということを見てきたつもりです。なので私には唯一絶対のSCの正しい姿というのが無いんです。自分の特性と・・あとは学校環境によっても変わるものだと思っています。
あと学校側の方々との信頼関係を作ること、心理士の役割に関する理解を共有することが必要であり、それが一つの能力であることはわかっているつもりです。それをしないがために教師同伴で生徒と会わざる得なくなった方の話なんかも聞きました・・。
私が思っていたのは、新卒の人間にそれができないということではなく、社会的な地位や肩書きがあればそれだけで容易になる面もあるんじゃないのかな・・ということです。配属されて行った先で、何もしていない状況での対応がどうであったかを聞いたせいもあるでしょうが、新卒の人がベテランの方法をそのままコピーしたとしても、上手くいく様子が想像できません。きっとその手の話を多く見聞きしてきた影響が大きいのだとは思いますけど。
あとは「構造的な問題」という面ですが、私には何とも言えません。修士終了後すぐに行くのが良いという人もいれば修士終了直後にできる仕事じゃないという人もどちらもいます。大体自分に都合の良い方の意見を取り入れちゃうんだと思います。
その結果あんまり良くない結果になりつつあるのが現実のようですが、そこで現状を何とかする方向に考えたいというのは無知ゆえのプラス思考でしょうか。諦めたら本当に終わってしまうような気がします。
とは言え、何も具体的な話題提供できないのですから説得力の無い話ですよね。私が何を考えても今はまだ妄想の域なのかなぁ・・なんて。
長々と失礼しました。本当に長いですね、すみません。

ロテ職人 05-02-06 (日) 18:29

>liedさん
コメントありがとうございます。長いのは別に問題ないですよ。むしろ色々考えさせられることは多いので感謝しています。
私も学校臨床のことについては伝え聞いているだけなので、間違っている部分も多いかと思います。ただ、私は少ない情報の中から自分なりに考えて導きだした意見を述べているつもりです。ですからおかしな部分、間違っている部分などあればどんどん訂正していただきたいと思っています。
> コンサルテーション「だけ」をする先生
「だけ」というのはすごいですね。それもどうかとは思いますが…ただある意味では自分の能力の限界を知っているからこそ、そうした関わりをするのかもしれないですね。ジェネレーションギャップが確実に存在することを認識した上で、割り切って生徒とは関わらないことをする…ということなのかもしれません。
長くなりそうなのでコメントを分けます。
<続く>

ロテ職人 05-02-06 (日) 18:41

>liedさん
> 唯一絶対のSCの正しい姿というのが無いんです。
それはそうだと思います。私もその点は同じです。ただ、「SCの間違っている姿」というのは私の中にはあります。それが修士課程修了直後にSCになるということなのです。そのレベルの人間に、SCとして最低限必要なことが(少なくとも手厚いスーパーヴァイズ無しでは)不可能だと思っています。
> 学校側の方々との信頼関係を作ること、
> 心理士の役割に関する理解を共有することが必要であり、
> それが一つの能力であることはわかっているつもりです。
そうですね。確かにそれは肩書きだったり、地位があれば容易にできますが、逆に言えばある意味では学校よりももっと難しい病院という場所で、地位や経験なしでそうした役割が必要となるのがソーシャルワーカーという職だと思います。だから、能力のないSCよりも「ソーシャルワーク」を学んだスクールソーシャルワーカーを入れた方が良いんじゃないかと思っているわけです。
> 修士終了後すぐに行くのが良いという人もいれば
そういう人はどういった理由でそう主張されるんでしょうね?私には「若い」ってことくらいしか長所がないような気がするんですが、それも絶対的な長所にはならないように思われます。
…おそらく、私はこの件に関しては建設的に語ろうという気はないのかもしれません。言いたいのは「現行のSC制度はつぶしてしまえ」というのが主張なわけですから。
じゃあ現状を良くするためにはどうすればいいのか…ちょっと考えてみたいと思いますが、これを考えはじめると「指定大学院制度が抱える構造的問題」という割と壮大な話にまで及びそうな予感がします。とりあえずちょっと頭の中を整理してみたいと思います。
貴重なご意見ありがとうございました。

sizuky 05-07-07 (木) 19:19

はでじめましてsizukyと申します。私、自称スクールソーシャルワーカーをしております。学校での名称はスクールカウンセラーなんですが持っている資格が社会福祉士なので自称スクールソーシャルワーカーです。仕事の内容は、私たちの分野からみても、ソーシャルワークですね。先生方、教頭、校長、ご家族、部活の顧問、学校外資源(病院、児童相談所、ボランティア団体)その他もろもろの資源のコンサルテーション(連絡調整)を行い、もちろん本人とも話し、本人の環境調整や環境接点に介入することによって本人のエンパワメントを高める感じですかね。他にもいっぱいあるんですが兎に角ものすごく難しい仕事だと思いました。8年MSWをやってきましたがそれでも分野違いで悩むことが多いです。支離滅裂な文章ですみません。

ロテ職人 05-07-08 (金) 7:45

>sizukyさん
初めまして。ロテ職人と申します。コメントありがとうございます。
本来は「心理職独自の」介入方法というのもあると思うのですが
いかんせん、私程度の能力と想像力では
「スクールソーシャルワーカーの方が役に立つ」という結論しか出ないのですよね。
> 8年MSWをやってきましたが
私も妻も総合病院のMSWで、ちょうどそれくらいのキャリアになります。
sizukyさんが学校領域に関わるようになったのは
どういったきっかけがあったのでしょうか?
個人的な質問であり答えるのは難しいかもしれませんが
もし可能であれば概要だけでもお教えいただけたらと思います。
コメントありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

don 06-06-15 (木) 13:12

わたしはSCの制度ができた最初の幾年かスクールカウンセラーをしていました。結果としてその成果は充分に挙げ得たと思っているのですが、現場の先生方の理解を得ることは大変難しかったように感じています。わたしには精神病院や医科大学での長年にわたる臨床経験があるのですが、大学の研究室育ちの教授様や修士出たての人たちにはとてもではないけれどこなせる仕事ではないことを実感しました。これにくらべれば大学保健館での臨床活動は幼稚園のようなものです。とくに国立大学あたりの保健管理センターでは本格的な精神病患者は数少ないし、居てもたいていは医療機関に通院しているのです。
ところが、高校生あたりでは親にも先生方にも精神病の知識はないし、当然入院の処置が必要な青年たちもカウンセリングルームにおくられてくるのです。精神科との充分な連携もとれず、薬理やソーシャルワークの知識もない初歩の臨床心理士が対処可能なところであるとはとてもおもわれないのです。
統合失調症と神経症との区別もつかない人たちが患者さんを抱え込んでしまうことの恐ろしさをつくづくしらされました。SCのおおくは臨床心理士協会が派遣するというのですが、本当に責任がもてるのかどうか危惧をいだいています。ましてや人不足から修行ちゅうの院生達までがかりだされるということでは身の毛がよだちます。

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