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【かなり】ロールシャッハ・テストの体験的基礎【お薦め!】

公開日: : 心理・精神医学本

昨日に引き続きロールシャッハ関連の本です。
以前、包括システムを使ってる人とロールシャッハのケース検討をしていた時、私が「なんでここはこういう解釈になるの?」と質問をしたところ「それは統計的にそう決められているから」という答えが返ってきました。…いや、確かにそれはそうなんだけど…確かに包括システムというのは、これまで立場によってバラバラだったロールシャッハの解釈について、大規模データの収集・分析に基づいて統計的に導き出された解釈仮説を用いる…というのがいわば「売り」なわけなんだけれども…結局これって「下手な心理療法」と一緒なわけですよ。
「なぜその場面でそうやって返したのか?」「なぜその場面でそのような対応をしたのか?」ってことが下手な心理療法をしている人は答えられないという話は以前どこかでしたかと思いますが、「なぜそういう解釈仮説になるのか?」(例えばAという特徴が見られた場合は~であるといったように)ということを答えられないというのは、何も考えてないのと一緒であり、そんなことでロールシャッハを使ってたって何もわからんと思うですよ。
そこでこの本です。

ロールシャッハ・テストの体験的基礎
アーネスト・G・シャハテル

みすず書房 2000
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ロテ的お薦め対象:ロテ的お薦め対象:大学院生~現場の人;臨床実践に役立つ本
原書(Schachtel, E. G. 1966 Experiential Foundations of Rorschach’s Test. NewYork : Basic Books, Inc.)は1966年出版、日本語訳も初版が1975年と古い本ではありますが、その内容の重要性は未だ変わっていません。実はここ10数年くらい(たぶん)は品切れが続いていたんですが、第5刷が2001年に出されたという点でみすず書房さん、GJという感じです。
正直読みやすい本ではないですし(訳が…微妙…)初学者向けとは言えませんが、でも良書です。ロールシャッハを研究したい人にとっては必須でしょうし、「なぜその解釈仮説が導き出されたのか」ということを知ることでロールシャッハに対する理解は格段に深まり、臨床的な有用性も高まるでしょう。
ロールシャッハをちゃんと使いたいと思っている学生さん・現場の人。少しずつでもいいんで読み進めてください。損はさせませんよ。

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コメント/トラックバック (4件)

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  1. 今年になって包括システムを勉強し始めて、「統計的に信頼性・妥当性のある解釈のみを採用している」という包括システムの売り文句に惹かれた身なので、
    >「なぜそういう解釈仮説になるのか?」(例えばAという特徴が見られた場合は~であるといったように)ということを答えられないというのは、何も考えてないのと一緒であり、そんなことでロールシャッハを使ってたって何もわからんと思うですよ。
    というロテ職人さんの言葉にハッとさせられました。
    導き出された解釈がいくら統計的な数値に基づいたものであったとしても、何故このようなことが言えるのか、をきちんとテスターである自分の言葉で提示出来ないようでは、いつまで経ってもロールシャッハを使えていないのと同じですよね。
    今回紹介された本は読んだ事が無いですし、先日紹介されていた「新・心理診断法」もまだきちんと読み込めてないですね・・・(基本中の基本の本だけど、読む度にいかに自分がロールシャッハをきちんと使えていないか思い知らされる、恐ろしい本だと思ってます)。
    ロールシャッハは押さえるべきところがいっぱいありますねえ。
    本当に頼もしいけれど手ごわすぎるツールです。

  2. >yuinoさん
    コメントありがとうございます。
    確かにロールシャッハというのは非常に有用な“ツール”ではあるんですが、それ以上に私は(というか近年言われていることですが)ロールシャッハは“面接”である思うんですよね。やっているのは「相手の話したこと(=反応)を相手の枠組みで理解する」ってことなわけですから。
    ロールシャッハは「ちゃんと」取れるとしたら、それでもうアセスメントは半分以上は終わっているのではないかなと思ったりもします。
    包括システムは便利でいいんですが、なぜその解釈仮説になるのかを説明できないというのはロールシャッハの良さを殺してしまっていると思うし、さらに考え方を進めると解釈仮説を「創り出す」ということも臨床的な能力として必要なのではないかと(という話はこの本の翻訳者の一人である上芝先生の受け売りなのですが…)。
    そんなわけで私もほんとに毎日が勉強です。で、ホントにこの本は(マイナーかもしれないけど)お薦めです。ロールシャッハを使えるようになりたいのであれば、何年かかっても読み進めていくべき本なのではないかと思います。

  3. その意味で、初心者は絶対に、片口式から入るべきですよね。
    もちろん世の趨勢としては、まもなく包括システムに取って代わられるでしょうけど、
    最初からいきなり包括システムはまずい。
    (余談ですが、その意味では、いまだに片口が主力である、臨床心理士の資格試験には、
     最後の良心を感じる。)

  4. >nobuさん
    激しく同意です。その話は近々書こうと思っていたんですが、やっぱり「ロールシャッハをやるなら片口から(名大でも何でもいいんだけどエクスナー以外から)」というのは個人的に譲れないところですね。


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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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