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クリティカルシンキングを身につけるには

06/04/20のエントリ、中学生・高校生に「心理学」の授業は必要なのか?のコメント欄でKTさんからこんなコメントをいただいておりました。長いので抜粋いたしますよ。

私は、この年代の人に教育という場で心理学を教えるなら、論理的思考に関する分野をお勧めします。

たとえば、占いや心理ゲームをなぜ信じるのかといった内容は、論理的思考を鍛えるのに適切でしょう。生徒・学生たちに、自分を適切に守る術を与えてくれる内容だと思います。

うーむ…こういうのって、自然に身についていくものではないかなぁ…とも思ったんですが、我が身を振り返ってみると、確かに必ずしもそういうわけではないようにも思えますね。
敢えてこれを「教師が」「学校の授業で」教えることの意義について、KTさんは以下のように述べられております。

この分野、認知心理学の人たちが指揮を執っております。すごく簡単に言うと、人間の直感・直観に対する懐疑から始まる学問です。例えば、「ロテ職人さんが学会に来ると、いつも雨が降る。だから、ロテ職人さんは雨男だ」という信念が正しいかを証明するには、(ロテ職人さんが学会に来る・来ない)×(雨が降る・降らない)のマトリックス全部を調べなければ、結論は導き出せない、だけど一般に、そういう信念ってナイーブに信じられてるよね、って話題も含まれて来ます。心理学研究の基礎の基礎の部分であり、かつ、中高生が培うべき、論理的思考や情報処理能力に関係して来ます。

確かに認知心理学の人たちの得意分野というか、研究分野の一つですわな。…でこういう思考法って教えられて身につくものなのでしょうか?
って辺りはご紹介いただいたこの辺の本とか

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あるいは以前、やはりご紹介いただいたこの本とか
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とかを読むことでわかることが多いのではないかと思います。
…が、以下はあくまでも私見になりますので異論・反論等ありましたら是非ともご意見いただきたいです。
私、思うんですがクリティカルシンキングを身につけるには、まず相応の国語能力が必要だったりするのではないでしょうか?


いや、もしかしたら相関関係があってクリティカルシンキングを身につけることで国語能力がアップするということもあるのかもしれませんが、少なくとも何らかの関連はあるのではないかと思うですよ。
国語って結局のところ「筆者が何を伝えようとしているのか」を読み取るのがメインなわけじゃないですか。それを読み取るには、小説であっても評論であってもそこには論理的な能力って必要だと思うですよ。「AだからB」という答えを導き出す能力というのでしょうか。
ってことを考えた時に、学校教育の中で国語教育ってのはかなりないがしろにされているのではないかと思ったりもするのです。てか、その辺をちゃんと踏まえた国語教育のできる教師ってのは実は数少ないのではないかと思ったりするのです。
個人的には英語の早期教育なんぞしている場合ではないと思うのですよねえ。国語教育ってうまくやれば考える力をかなり引き出せるのではないのかなぁ…と思うのですよねえ。
なーんて言っているのは別に私が国語が得意だったとか、あるいは進学塾で国語を教えていたとかとはあんまり関係ないです。ないはずです。
KTさんがおっしゃる

テレビの占い師のおばさまに熱中している女子高生が臨床心理士になりたいなんて言ったら、ロテ職人さん、嫌でしょ(笑)?

「それはそれ」としてちゃんと分けて考えられればいいんですけどね。頭っから鵜呑みにしている女子高生はちょっと嫌です。それを防ぐためにも単なる暗記ではなく「自ら考える能力」を中高生時代に養うってのは確かに必要だと思います。
で、「国語をちゃんと教えられる教師」がいれば、わざわざクリティカルシンキングを「心理学」の授業で教える必要はないのではないでしょうか。
…とここまで言っておいて何ですが、クリティカルシンキングを当の教師が身につけていなきゃいけないわけですよね…それが出来ている教師ってどの程度いるのでしょうか?
教師の皆様にクリティカルシンキングを身につけていただくってのは是非ともやってもらいたいなぁ…いや、教師だけじゃなく人に関わる職種の人全てに期待したいことではあるのですが。

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コメント (Close):6

rhox2001 06-05-08 (月) 10:08

論理的思考を養うためというのであれば、【哲学】を授業に入れるほうが、いい気がします。哲学的な問題って、青年の頃に結構考えたりする問題が多い気がするので、興味も持ちやすいと思う。
心理学よりは、哲学の方が扱う問題が多様でいいと思うんですよね。論理学をやれば、もろ論理的な思考を学べますし。
という私見でした。
 

LIFE IS NOT ENOUGH. Shit!!!! 06-05-08 (月) 18:59

高等学校で心理学!!!

ロテ職人さんが自らのblogで、心理学教育について語っておられます。
該当エントリはこちら
ついでに参考エントリはこちら
一応、私も元高校の…

へなちょこ心理士 06-05-08 (月) 19:06

一応経験者として今まで静観していましたがここから議論に参加しますね。
>ロテ職人様
>自然に身についていくものではないかなぁ…
>とも思ったんですが、我が身を振り返って
>みると、確かに必ずしもそういうわけでは
>ないようにも思えますね。
血液型と性格に関連があると思っている高校生の方が、めちゃくちゃ多かったです。
ついでに、関係がないことを証明することは今のところできない、といってもなかなか理解されませんでしたし。
まあ、科学思想についてや手法について、高校生はあまりにも貧弱な内容でしかふれていませんから、やり方によっては非常に有効かと思われ。
ただし、(正規の)教員が行う必要性、特に臨床心理士取得した教員が行う必要性は全く感じなかったっす。
>rhox2001さん
心理学でも十分にできるような気もするのですが。
TB先に過去の経験を乗せておきます。

longview 06-05-09 (火) 9:38

僕自身は認知心理学を学んでから、論理的思考が前よりは身についたと思っています。
実験を行ったときには、何を調べ、どのような結果を得て、どのようなことが考えられるかを考える必要があるのでいつのまにか身についてきました。
でも、別に心理学じゃなくても、こういう論理的思考は身につくと思います。
ロテさんがおっしゃてるように、国語の現代文(特に論説文)などなどで。
ただ、国語の論説文って抽象的要素が多くて、論理がわかりにくい気がします。(高校時代はそうでした。)
理科系の科目で実験を行うときに、実験レポートを厳密に書かせるとかの方が論理的思考を見つけるとという点ではいいかもしれないですね。
余談ですけど。
心理学を勉強してる周りの人でも、けっこう血液型と性格を信じてる人いるんですよ。
統計的に云々と言っても、「もしかしたら、本当かもしれない。」って取り付く島がないです(^^;)

ロテ職人 06-05-12 (金) 8:24

>rhox2001さん
哲学ですか…結局それって「心理学」を「哲学」に置き換えただけのような気も…
「論理学」でもそうなんですが、教科教育以外のことをやる意義ってのがわかんないんだよなあ。
学校での教科教育をもっとマシなものにしようと思ったら、他のことをしている余裕はないと思うのですよ。
よっぽど優秀な学生が揃っている学校か、あるいは逆に教科教育を捨ててしまっている学校なんかは別っていうか論外ですけれども。

匿名 06-05-14 (日) 12:22

ロテさま、コメントお取り上げのほど、感謝いたします。
ロテさんの言い分は、最初から一貫して「中学生・高校生に「心理学」の授業は必要なのか?」であり、さらに言えば、中高生の年齢でということではなく、「学校」という場所で、という限定ですね。つまり、教科の選択そのものを問うという視点が強いですよね。
そもそも論の次元に行くと、では、現在中学、高校で教えられている教科の選択は妥当かという論証にまで突き進むことになるだろうといます。
で、私はそこまで教育に関する専門性を現時点で培っていないので、そこには触れられないというのが前提にあります。中高教員免許は持ってますけどね(受験には、あまり役に立たない教科です)。他国の教育制度と比較して、特に高校教育ともなれば、必ず教科選択の差異はあるでしょう。それが、他国との文化、土壌の比較から判断されて妥当な選択と必ずしも言えるかどうかも、よくわからないというか、前提となる知識もありません。ロテさんの視点からすれば、その辺から議論を探った方が適切かもしれないですね。
ちなみに、北朝鮮の高校生向けの心理学の教科書って見たことありますよ、表紙だけですけど。何を教えているのか、どういう社会層がその教育を受けられるのか、興味津々です。以前、北朝鮮のフロイト批判を見かけたことはあるので、分析は扱ってないかもしれません。ソ連時代の学習心理学あたりかな?と、個人的には想像したりして。
で、あえて、この前提を多少無視して話を進めますと、確かに、国語の能力は確かにcritical thinkngの前提となりますよね。で、国語能力はあると仮定した上で、なぜ心理学なのかというと、critical thinkingはヒューマン・エラーを扱っているからなんです。これは、人間の情報処理の性質そのものを扱っているもので、国語のような論理的操作能力だけではなく、その前提となる情報の受け方、処理のされ方の特質を知ることを目的としています。例えば、今日の認知科学では、人間が一時に処理できる情報はほんのわずかだとか、自動的にステレオタイプ的な情報処理をするのがデフォルトだとかいうのは前提ですが、国語では、そういうことは扱いません。哲学でもそうです。論理的にはそのとおり、でも、日常生活で、こうこうこうい状況のときに、人はどういう判断を下しやすいかということは、心理学の枠で行った実証研究があって、初めて言えることなんだと思うんです。ただ、今お話した内容は、実は臨床心理学の専門家も、バックグラウンドによってはあまりご存じないことかもしれません。だから、ちょっと共有しにくい話なのかもしれませんね。

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