- 2006-06-28 (水) 23:59
- 臨床心理学
前々から書こう書こうと思っていたネタです。
当ブログのトップにはこう書かれておりますね。
「当Blogの管理者はネット上でカウンセリング・心理療法をおこなう技術は持ち合わせておりませんので、ご了承ください。」
相談されても困るのですよね。ネット上で得られる情報のみに基づいて…という条件では、無責任なアドバイス程度のことしかできませんから。
で、それに関連してなんですが、ネット上の心理系・カウンセリング系コミュニティでは、しばしば「カウンセリングを受けてるんですが、カウンセリングの場面でこんな困ったことがあるのです。どうしたらいいのでしょうか?」という質問を目にすることがあります。で、それに対して自称専門家の人が答えてしまっているのも見たことがあります。
そういうのってどうよ?と思ってしまうのですが…そう感じるのは私の感覚がおかしいのでしょうか?
なんで「どうよ?」と思うのか。それは基本的には「ネット上でカウンセリングはできない」というのと同じ理由です。
ネット上の掲示板などの書き込みからは、そもそもどんなセッティングで、どんな理論的根拠に基づいて、どんな介入が行われているのかはわかりません。まあ、質問すればある程度はわかることなのかもしれませんが、治療者・カウンセラー側がどんな意図を持っているのかとか、質問者はどんな人なのかとか、あるいは治療者はどんな人なのかという点についての客観的で妥当な情報を得るのはまず無理です。
で、そんな場合は「それは自分のカウンセラーに聞いてください」と言うしかないと思うのですが、そもそもそれが言えないからネットで質問してるんじゃないかとも思うわけです。
もっとぶっちゃけて言ってしまえばクライエントがそんな質問をネットでせざるを得ないという時点で、そのカウンセラーはダメなんじゃないかとも思うわけです。
…やっぱりどう考えても、ネット上での質問に対して「(心理臨床の)専門家としての」「責任のある」アドバイスは不可能ではないかと思うんですが…いかがでしょうか?
少なくともそんな質問に安易に答えてしまう自称専門家というのはいかがなもんかと思うのですけれどもねぇ…。
皆様方のご意見をおうかがいしたいところでございます。
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コメント (Close):15
- afcp 06-06-29 (木) 7:26
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おおむね同意ですが、
> もっとぶっちゃけて言ってしまえばクライエントがそんな質問をネットでせざるを得ないという時点で、そのカウンセラーはダメなんじゃないかとも思うわけです。
ここのところはちょっと別の意見です。
医療の世界ではセカンドオピニオンを求める行動は、当然視され、むしろ推奨されています。医療経済的には…ですが。
カウンセリングにおいても、ネットでは無理なら、セカンドオピニオン的な相談に乗れる制度、機関を用意するという方向性はありえないのでしょうか。 - セーイチ 06-06-29 (木) 9:26
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> もっとぶっちゃけて言ってしまえばクライエントがそんな質問をネットでせざるを得ないという時点で、そのカウンセラーはダメなんじゃないかとも思うわけです。
こんにちは。こちらで書き込むのは久しぶりでしょうか。
上記のコメントも同意できるところはあるかもしれませんが、一概には言えないと思います。
治療者の技法や態度やスタンスなどにも影響されてくるとは思いますが、治療者-患者関係から派生した転移性行動化とも取れる部分はあります。また行動化と言えなくとも、そのクライエント本人の病理の表れと取れる可能性もあります。
もちろん、そういうことが治療関係の中で扱えることが一番なのですが、現実問題には大変難しいところがあります。「言いにくいことこそ大事なことだから、遠慮せずになんでも言って欲しい」「治療者に対するネガティブな気持ちが出てきたら、絶対にそれはテーマにあげて欲しい」といったようなことを面接の中でインフォメーションとして伝えていくようにしていますが、それでもやはりクライエントは遠慮するのだろうし、悪いことは言いたくない、と思い、口をつぐんでしまうところがあります。これについては料金設定で自費などしていれば比較的言ってくれやすくなりますが、保険や無料などではなおさら難しくなります。
そして、どんなに精神の注意を払っていても行動化というは起こりますし、もっと極端に言うなら行動化が起こらないと治療にもならないともいえるかも。
まー、そのカウンセラーがダメっていう可能性もなきにしもあらずですけどねf(^-^; - しゅう 06-06-29 (木) 12:12
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>カウンセリングにおいても、ネットでは無理なら、セカンドオピニオン的な相談に乗れる制度、機関を用意するという方向性はありえないのでしょうか。
特にそういう制度があるわけではないですが、うちにカウンセリングを受けに来る人の中には、セカンドオピニオンを求めてという人が結構います(料金設定が・・・という理由でうちに相談に来易いというのが背景にあるんですけど)。
その場合、そのまま、うちで継続したいという人も中にはいますが、元のセラピストのところで続けるということで落ち着くケースが大半ですかね。
なので、私のケースでもそういうことが十分ありえるだろうし、それだけでダメだとは、個人的には思わないです。 - ロテ職人 06-06-29 (木) 12:13
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>afcpさん
コメントありがとうございます。
> カウンセリングにおいても、ネットでは無理なら、
> セカンドオピニオン的な相談に乗れる制度、機関を
> 用意するという方向性はありえないのでしょうか。
「ネットでなければ」&「有料で」というのは実は方向性としてあり得るかも。というかビジネスチャンス?
ただその場合セカンドオピニオン的な役割を果たす人なり機関なりが、的確なアセスメントができることは必須条件なのではないかと思います。当然のことながら、ここでいう「アセスメント」とはイコール心理検査のことではなく、Co.-Cl.関係、Th.-Pt.関係という関係性のアセスメントも含みます。
それさえできれば、実は結構いい商売になるんじゃないかと思います。ドクターショッピングを加速させるようなことがないよう、慎重に行うべきであるのは当然ですが。 - takashi 06-06-29 (木) 12:20
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ちと話が反れますが—-ロテさんの
>当Blogの管理者はネット上でカウンセリ
>ング・心理療法をおこなう技術は持ち合
>わせておりませんので、ご了承ください。
の表現が、前からちと気になっています。
私は、「心理相談お断り」なので、その立場から見ると、「では“技術を持ち合わせたら”するの?」って、ついうがった見方をしてしまいます。
ネットカウンセリングの是非については、有益な部分もあると思うのでなんとも言えないですが、私自身は技術を持ち合わせていてもいなくても、ネットでのカウンセリング・心理療法はしないしする気がないかなと。 - ロテ職人 06-06-29 (木) 12:24
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>しゅうさん
> 私のケースでもそういうことが十分ありえるだろうし、
> それだけでダメだとは、個人的には思わないです。
てか確かに私もいいすぎです。それだけで「ダメ」とは絶対に言えないと思います。
その前提で「ネットで」という点についてはどのようにお考えでしょうか?
しゅうさんのところに相談に来るのと、ネットで不特定多数に対して相談するのは同じでしょうかね?もし違うとしたらどのような違いがあるでしょうか? - ロテ職人 06-06-29 (木) 12:31
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>takashiさん
> 私自身は技術を持ち合わせていてもいなくても、
> ネットでのカウンセリング・心理療法はしないしする気がないかなと。
いや~。技術があればしてもいいですよ(その場合は相応の対価はいただきますが)。
で、私の考えるところの必要な技術とは「対面で行うのと同程度の精度のアセスメントができること」が条件になります…というわけで、そんな技術は身につくはずがないのでやりません。
てか、そんな技術を持っている人がいたらお目にかかりたいものでございます。存在するとしたらモノホンの超能力者とか神とかじゃないかとは思いますが。 - ロテ職人 06-06-29 (木) 12:38
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> もっとぶっちゃけて言ってしまえば
> クライエントがそんな質問をネットでせざるを得ないという時点で、
> そのカウンセラーはダメなんじゃないかとも思うわけです。
自分のケースでもそういうことがないとは限らないわけですが…
…そういう点は踏まえた上で、再度「そういう方にネットでアドバイスを与える自称専門家」についてどう思われるか、皆様のご意見をお聞かせ願えましたらと思いますです。 - takashi 06-06-29 (木) 14:18
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>というわけで、そんな技術は身につくはず
>がないのでやりません。
となると、事実上「心理相談お断り」になると思うのですが、そこをそう書かないで、そういう表現で書く、というところがロテさんらしいところですな。 - しゅう 06-06-29 (木) 20:41
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>クライエントがそんな質問をネットでせざるを得ないという時点で、そのカウンセラーはダメなんじゃないか
とは思いませんが、
>そんな質問に安易に答えてしまう自称専門家
は、「ダメ」だと私も思います。まあ、「ネット上なので、詳しいことはわかりませんが、あなたの担当セラピストに率直にお尋ねになるか、あるいは他のセラピストに(対面で)相談してみるのも良いかもしれませんね。」くらいは、状況に応じてお答えするかもしれません。 - 心理の学生 06-06-29 (木) 22:58
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臨床心理学専攻している学生です。
以前から触れらていたこの件に関して、私はロテさんの意見に賛成しておりました。
しかしネットおよびメールを介したカウンセリング需要はあるようで、それに対応しようとする臨床心理士もいるようですね。
このような動向もあり、このことに対して、もっと考え直す必要があるのではと私自身は最近考えています。
「メールカウンセリング―その理論・技法の習得と実際」という本も今年になってでていますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761008334/qid=1151588705/sr=1-1/ref=sr_1_8_1/503-9026112-1136716
またこの本の著者らによりエスプリで、メールカウンセリングの特集も組まれています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4784354182/qid=1151589240/sr=1-2/ref=sr_1_8_2/503-9026112-1136716
これからこの問題はアカデミックな臨床心理学の世界でも取り組まれていくのではないかと考えています。 - しゅう 06-06-29 (木) 23:11
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補足ですが、
>そんな質問に安易に答えてしまう自称専門家
この「安易」にという部分(ネット上の掲示板でやるなど)と、「自称」という部分(ちゃんと心理学の勉強をしてない人など)が特に「ダメ」ということであって、専門家による、限界を踏まえた、きちんと理論構築された上でのメールカウンセリングというのがあるのなら、それについて、「ダメ」かどうかは、私としては何とも言えないですねえ・・・。 - ロテ職人 06-06-30 (金) 7:03
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>しゅうさん
ご返答ありがとうございます。
> 「ネット上なので、詳しいことはわかりませんが、
> あなたの担当セラピストに率直にお尋ねになるか、
> あるいは他のセラピストに(対面で)相談してみるのも
> 良いかもしれませんね。」くらいは、
> 状況に応じてお答えするかもしれません。
やっぱ、何か言うとしたらその程度ですよね。それだったらいっそこういうのはローカルルールとしてテンプレート化した方がいいのかもしれないなあと思ったり。 - ロテ職人 06-06-30 (金) 7:19
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>心理の学生さん
コメントありがとうございます。
実は私もネットカウンセリングに関して「限定的な目的であればアリ」という考えに変わってきております。
その辺は過去ログの
・そこが一番知りたいところなのですが…>日本オンラインカウンセリング協会様(06/02/17)
http://blog.rote.jp/2006/02/17-080042.php
・【買う予定の本】『非対面心理療法の基礎と実際』(06/03/26)
http://blog.rote.jp/2006/03/26-235905.php
辺りをお読みいただけたらと。
で、多分「心理の学生」さんはこのことはご承知かとは思いますが
> ネットおよびメールを介したカウンセリング需要はあるようで、
> それに対応しようとする臨床心理士もいるようですね。
「需要がある」=「やってもいい」ということではないですよね。ネット上では「需要があるからやるのは仕方がない」という主張を目にすることがありますが、誰でもやっていいわけではありませんし、臨床心理士だからできるというものでも当然ありません。
何にしても慎重であるに超したことはないと思いますですよ。 - とみゃー。 06-07-02 (日) 15:31
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こんにちは、とみゃーです。
実は、私の大学院での研究テーマに「インターネット・カウンセリング」を取り上げているので、過去ログや皆様のご意見を色々拝見させていただきました。
ロテ職人様
>相談されても困るのですよね。ネット上で得られる情報のみに基づいて…という条件では、無責任なアドバイス程度のことしかできませんから。
>私の考えるところの必要な技術とは「対面で行うのと同程度の精度のアセスメントができること」が条件になります…というわけで、そんな技術は身につくはずがないのでやりません。てか、そんな技術を持っている人がいたらお目にかかりたいものでございます。存在するとしたらモノホンの超能力者とか神とかじゃないかとは思いますが。
現時点では私もそう思います。
確かにネットやメールならではの利点もあるはず。でも、それが良い方向に向くかどうかは、対面での治療過程以上に、そのカウンセリング・システムの程度や運営によってかなり変わってくるはず(と思う)。特にネット上ではプライバシーとかフレーミングとか、匿名だからこそ一層危険な要素もありますし。特に謎の個人様がやってるその類のものには大変不信感を抱いて見ております。。。
心理の学生様
>しかしネットおよびメールを介したカウンセリング需要はあるようで、それに対応しようとする臨床心理士もいるようですね。
このような動向もあり、このことに対して、もっと考え直す必要があるのではと私自身は最近考えています。
まずははじめましてm(_ _”m)ペコリ
私も元々はメディアの悪影響の観点から調べ始めたのですが、その有効性も多々見られることを知ってからは、良い影響の方に関心を持つようになり、今に至ります。因みにご紹介されている本はどちらも読みました。因みにこの本もなかなかおススメです。
インターネットにおける行動と心理―バーチャルと現実のはざまで
ロテ職人様
>実は私もネットカウンセリングに関して「限定的な目的であればアリ」という考えに変わってきております。
>「需要がある」=「やってもいい」ということではないですよね。ネット上では「需要があるからやるのは仕方がない」という主張を目にすることがありますが、誰でもやっていいわけではありませんし、臨床心理士だからできるというものでも当然ありません。
対面とCMCを比べた場合での情報の差は否めないし、アセスメントの正確性の部分でも問題はあるだろうし、それらが解決していない現じた点では限定的目的での利用は妥当だと思います。
でも、にしても需要に応えるにはまずそのものが信頼された畑(システム)で生産され、そして最低限の品質をクリアし、安全が確認されてから出ないと市場には出せないはず。それはサービスでも治療でも何にしてもそうだと思いますし、消費者の立場だったら、例え限定的な目的であっても「仕方ない」粗悪品をで提供されたくはないです。
>何にしても慎重であるに超したことはないと思いますですよ。
そうですね。まだまだ検討の余地がある分野だと思っています。なので、今後少しでも貢献できる研究ができたらいいなと思っています。
以上、長文失礼しました。m(_ _”m)ペコリ














