- 2006-07-13 (木) 12:45
- 臨床心理学
06/07/12のエントリ、「食育」が気になる その4-朝ごはん実行委員会って何?-の続き。
関連過去ログはこちら。未読の方はまずこちらから。
・「食育」が気になる(05/10/13)
・「食育」が気になる その2(05/10/14)
・離乳食の頃(05/10/14)
・抑うつ傾向および学校不適応と食行動の関連?(05/10/17)
・「食育」が気になる その3(06/07/07)
・「食育」が気になる その4-朝ごはん実行委員会って何?-(06/07/12)
<小学生の朝食絵画調査>の結果へのツッコミ、チェケラ!ですよ。
1.「友だち」が一番! 「家族」が二番
『理想の朝食』に描かれていたのは、「友だち」がトップで28人(56.0%)、「家族」は14人(28.0%)で、「自分一人だけ」を望む子どもも5人(10.0%)いた。これらを、主食別に見ると、ごはん派の理想は、「家族」が10人(50.0%)、「友だち」が8人(40.0%)だったのに対し、パン派の理想は、「友だち」が 18人(66.7%)、「家族」が4人(14.8%)となり、ごはん派の方が、「家族」と食べることを望む傾向にある。
また、4年前の調査で、『理想の朝食』に、「お父さん」(単独だけではなく他の家族と一緒の分も含む)を描いた子どもは36人(72.0%)だったが、今回は13人(26.0%)にとどまった。
この結果は面白いと思います。でも「『理想の朝食』で家族を描いた=「家族」と食べることを望んでいる」と単純に解釈するのはいかがなものかと思ったり。教示とか細かい情報がよくわからないので何とも言えないのですが、「仲の良い友だちと朝ごはんを食べたい」って思うことってそんなに悪くないと思うんですよね。
あと、パン派とごはん派でこのような差が出たのをどのように考察するのかが気になるところ(考察されるのか?)。
2.現実と理想の描かれた人数に差があるほど会話が少ない
「朝食のとき、家族で会話がありますか」との問いについて、「ほとんどない」と回答した子どもは、理想と現実で描かれた人の数が一致している子どもが5.6%だったのに対し、人の数が一致していない子どもは21.9%で、両者には16.3ポイントもの開きがあった。理想と現実で、描かれた人の数に差がある子どもの方が、会話は少なくなっている、ということが明らかになった。
特に、現実より『理想の朝食』で人の数が「増えている」子どもについては、「会話がほとんどない」との回答が35.0%という結果になり、理想で人の数が増えている子どもほど、会話の頻度が少なくなっている。
これ『理想の朝食』で、「家族」を描いた群と「友だち」を描いた群を一緒くたにまとめてしまってもいいものなのでしょうか?『理想』で友だちたくさん、『現実』で家族3人を描いた場合の扱いは?…と考えると、少なくとももっと被検者数を増やす必要があるのではないかと思いますですよ。
あるいは『理想』も『現実』も1人の食事を描いている場合の扱いはどうなんでしょうね。数値上は数は一致しているわけですが、何か色々な意味はありそうな気がしますよ。
この辺、ローデータがないと何とも言えないところであります。つーか、単純に理想と現実の人数の差だけでは何も言えないと思いますよ。
・・・・・・・・・・・・
次、一緒におこなったアンケート調査の結果から。
1.7割が「家族全員」で食べることを望んでいる
絵画調査と同時に実施したアンケート調査では、「あなたは、誰と一緒に朝食を食べたいと思いますか。誰と食べるのが楽しいと思いますか」という問いに対し、35人(70.0%)が「家族全員」でと回答。これを、ごはん派・パン派にわけて見ると、ごはん派20人(95.2%)、パン派15人(57.7%)で、ごはん派のほとんどが「家族全員」で食べたいと思っていることが明らかになった。
これ「社会的望ましさ」の影響ってどのくらいあるんでしょうか?ここで期待される回答は当然「家族全員」であり、そう答えてしまうものなんじゃないですか?…とも思ったんですが、パン派は42.3%が「それ以外」と答えているわけですよね。これもどう考察するのか見ものです…ってしらじらしく言ってますが、この結果は結局考察されていません。丸投げです。そんなんでいいのか?>調査会社
まあ、下手な考察はできないのかもしれませんが、だったら最初からそんな設問は入れるなってことですよ。
そもそもアンケートの原版がないので、やはり細かいツッコミはできなかったりします。こう考えると、ちゃんと手続きを書いたり、質問紙の原版を添付したりといった論文のフォーマットって大事なんだなぁとつくづく思いますよ。
次の「朝食は、普段誰が作るか」「朝食を食べなかったときの理由」については割愛。
つか、この辺はどういう意図の質問なんでしょうか?単なる実態調査?
で、「子ども自身の普段の心の状態(気分など)」「子ども自身の生活と健康について」はこれは朝食とどう関係するんでしょうか?
いや、朝食と関係しそうなのはわかりますが、だったら「朝食食べてる群」と「食べてない群」に分けて(しかるべき尺度を用いて)比較した方がいいんじゃね?と思うんですけど。ひょっとしてやったけど差が出なかったとかじゃないですよね?
「好きな科目」「学校週5日制になって学習時間はどう変わったか」という設問に関しては、朝食とどう繋がるのか全く意味不明です。実態調査なら実態調査でいいんだけど、どういう意図があってその設問を入れているのかくらいは明記しましょうよ。「やりたいから」なんてのはサカリのついた野郎のセリフだけにしてください(それも嫌だけど)。
さて、いよいよここからが本題、描画の解釈なのですが…
また長くなってしまったので続きは次回。お楽しみに。
ツッコミ足りない部分もあるでしょうから、皆さんからのツッコミお待ちしております。あるいはロテ職人のツッコミに対する再ツッコミなども歓迎いたします。コメント欄にお願いしますよ。
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コメント (Close):3
- ミナミノシマ 06-07-14 (金) 10:58
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いや、朝食と関係しそうなのはわかりますが、だったら「朝食食べてる群」と「食べてない群」に分けて(しかるべき尺度を用いて)比較した方がいいんじゃね?
↑
これでもすでに、かなりのセレクション・バイアスがかかっちゃう見込みじゃないでしょうか♪
だって、毎日朝食準備してくれる経済力と常識(あるいは強迫性)がある家庭に育てば、算数ドリルだって毎日するでしょ。そしたら、それなりの子供ができるっぽいでしょ。
ここが「朝食を食べたら頭がよくなる」を証明するのが難しいところ。交絡因子が多すぎて、朝食を単一のファクターとして抽出できない。
それに、「食べさせる群」「食べさせない群」に短期間分けて調べさせたとして、食べた人は絶対「食べた」ってわかるから二重盲検が成立しない。冬季うつ病の光療法はダブルブラインドができないと言われているのと同じ。
だからこそ、誰かきちんと研究したらいいのになぁと思います。 - ロテ職人 06-07-20 (木) 8:21
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> ここが「朝食を食べたら頭がよくなる」を証明するのが
> 難しいところ。
> 交絡因子が多すぎて、朝食を単一のファクターとして抽出できない。
そう。はっきり言って「朝食を食べたら頭がよくなる」というのを証明するのは不可能かと。
言えるのは「朝食を食べている群は食べていない群よりも○○の成績が良い(or 悪い)」ってことくらいで。
その程度のことはやった方が良いのではないかと思った次第。
厳密な要因統制をした上での研究は無理でしょう。恐らく。そもそも「朝食」とか「食卓」とか言うこと自体が様々な社会的な意味合いを含むものなわけですし。 - ミナミノシマ 06-07-21 (金) 0:29
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>その程度のことはやった方が良いのではないかと思った次第。
それはあるんですよ。
もとの論文は探せませんが、
http://www.fine-club.com/health/pickup/035.html
↑これとか、
http://www.toyama-chemical.co.jp/healthy/detail/371.html
↑これとか。
しかし思ったことは、
☆成績を良くしたいなら、朝ごはんに頼るより、勉強を強化したほうが良さそうである
☆ダイエットしたいなら、朝ごはんを食べるかどうかにかかわらず、総摂取カロリーを減らし総消費カロリーを増やした方が良さそうである
ということです。
さて、関係ないんですけど最近、このブログちょこっと重くありませんか~?














