- 2006-08-16 (水) 12:45
- 資格問題
本日のエントリ、臨床経験長いけど業績ゼロってヤバくね?は、実はこのエントリの前振りだったりします。
過去ログ未読の方は、まずそちらから。
・ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい(06/03/03)
・ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その2(06/03/05)
・ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その3(06/03/06)
・私の考える理想の臨床心理士養成課程Vol.1(06/03/20)
・私の考える理想の臨床心理士養成課程Vol.2(06/08/03)
繰り返しになりますが、私の考える理想の養成課程の基本方針はこれです。
修士課程在学中は研究の理論・実践の徹底と基礎臨床技術の修得を目指す(できない人は2年以上かければよろし)・修士課程修了後の研修制度を確立する
で、問題は「研修制度をどうするか?」ってことだと思います。
指定大学院における現場実習・研修の現状は、基本的には学内での相談機関そして学外の関連機関での実習ということになるかと思います。
で、私の案では大学院在学中は研究中心となるので、学内の相談機関は不要になります。そもそも指定大学院の指定を受けるために急造した相談室が有名無実なものになってしまっている例も実はあったりしますので、その辺の問題はこれで解消できます。
現状では、そもそも大学院生レベルでそんな立派なケースなんぞできるはずはなく、結局教員がその尻ぬぐいをせざるを得ないという問題もあるのではないかと思います。その辺も解決ってことで。
で、問題は修士修了後の研修制度ですね。
これ、オフィシャルなスーパーヴァイザー制度を確立するのがいいんじゃないかと思うですよ。
スーパーヴァイザーの資格を持っている臨床心理士1名につき、研修生○名まで受け入れ可能とか、資格を持っている方が研修生の受け入れ費用が高いとか。言い忘れてましたが、もちろん無償で研修生を受け入れるわけにはいかないでしょうから、ある程度研修生を受け入れるための費用は必要かと。…でその費用をどこから捻出するかって問題はあるんですが…その辺はどうしましょうね。考えてませんでした。まあ保留ってことで。
福祉系の国家資格である社会福祉士の養成課程について少し調べてみましたが、2005年度から実習を受け入れる施設の指導者を対象とした研修が行われているようです。で、それをさらに進めてスーパーヴァイザーを資格制度として確立してしまう、と。
で、今回の前振りにあった臨床経験長いけど業績ゼロってヤバくね?という話ですが、スーパーヴァイザー資格を取得するためにはある程度の業績は必要ってことにすればいいんじゃないかと思うのですね。
スーパーヴァイザーの資格ということになると、どうしても臨床能力をアセスメントすることが必要になります。それは精神保健指定医の認定のように、何例かのケースレポート提出を義務づけるといいんじゃないですかね。で、そのケースレポートを何人かの試験官が評価(もちろん無記名というか、どこの誰が書いたケースレポートかは伏せた上で)、一定以上の評価が得られれば講習か試験を受けて合格ってことにする、と。
で、修士修了後に受けられる試験はあくまでも「仮免許」であり、一定の研修を受けることにより「本免許」になる(あるいは試験を受ける資格がある)ってことにして、その本免許を受けることができるかどうかはスーパーヴァイザー資格を持った臨床家の元で研修をし、その臨床家による認定が必要となる…ぐらいハードルを高くすれば少なくとも粗製濫造には繋がらないんじゃないかと思います。
つまり免許制度としては…
修士終了後、基礎的な知識を問う(=現在の臨床心理資格試験程度の)筆記試験で仮免許取得
↓
仮免許取得後、数年の研修(認定スーパーヴァイザー資格を持った臨床家のいる機関での)を経て、スーパーヴァイザーからの一定の評価の上で本免許の受験資格を得る
↓
本免許取得。晴れて臨床心理士として一人立ち
↓
臨床心理士資格取得後、数年の臨床経験+一定の研究業績+一定のケースレポート提出・審査を受けて認定スーパーヴァイザーの資格取得
↓
研修生の受け入れ及び評価が可・スーパーヴァイジーの受け入れ可となる
…って感じでいかがでしょ?
これくらいハードル高くてもいいような気はするんですが…どうでしょうね?あくまで「ロテ職人にとっての理想」ですから、皆様からのご意見いただけたらと思いますよ。
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コメント (Close):12
- ちゃいか 06-08-16 (水) 12:49
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質が高まるのはよいことで、そうすると修行年限が長くなるのも当然ですよね。そこにもう少し「こうして欲しい」を付け加えさせて頂けるのなら、
『学部卒の時点である程度将来使い物になることが分かるレベルになっていて欲しい』
です。学部卒の段階にはにはもっとぎちぎちに基礎やら理念やら学んで、悪い意味での心理主義を剥いでおいて欲しいです…。
漠然と、失礼いたしました。 - afcp 06-08-16 (水) 15:05
-
修業年限が長くなること自体は、確かにやむを得ないかとも思います。しかし長期間修行をするならば、その後にそれに見合うだけの報酬が期待できないといけないのではないでしょうか。
医師の修業年限の長さ(6年(学生)+2年(有給)、専門医や精神保健指定医などを取ろうと思うとさらに必要)は、その後の報酬に裏打ちされているから成り立つという側面もある訳で。
見返りも少ないのに、修行だけは厳しいとなると、別の意味での質の低下、というか素質の低下につながりそうな気もします。 - デスマ 06-08-16 (水) 16:57
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ロテ職人さんの案で、臨床心理士に「なりたい人」の数を減らせば、
少なくとも今よりは待遇はよくなると思います。
それ以上は…、望むべきではないと思います。
「3分診療」で診療報酬が確保でき、
むしろ、どんどん数をこなしていかなければならない医師とは、
職業的な性質がそもそも異なりますし、
そういう「お医者さん的」なやり方では、うまくいかないのではないかと思います。
医師と同じ修養年限だからといって、
経済的に、医師と同等かそれに近い待遇を希望するような人には、
個人的には、心理職を目指してほしくはありません。 - デスマ 06-08-16 (水) 17:04
-
なるのは医師と同じぐらいに大変にして、
もらえるお金は医師の3分の1とか、4分の1とか、
それ以下でいいと思います。
(その程度であれば、十分に普通の暮らしはできます。)
それであっても、この仕事に意味を感じる、
こういうことやってみたい、と思う人に、
この仕事の次の世代を担ってほしいです。個人的には。
医療職とはまた違ったやりがいがあると思うのですよ、心理職には。
医師の場合には、数のコントロールも行き届いていて、
食いっぱぐれのないようになっていると思いますし、
そもそも医師出身の政治家が制度を整えて、
長年かけて損をしないようにできていますよね。
そういう職業と同じように考えても、無理があるように思います。
逆に、医師の場合には、かなり能力や素行に問題がある人でも、
「腐っても鯛」みたいなところがあって、
それはそれでどうかと思う面もあります。
もっとも、afcpさんが、
なるのが大変ならば待遇もよくしないと、
と思ってくださるのは、
気持ち的には、とてもうれしいです。 - まったりねこ 06-08-16 (水) 18:24
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>何例かのケースレポート提出を義務づけるといいんじゃないですかね
いつも思うけれど、ケースレポートとか、研究とかも大切かも知れないけれど、あまりに「やって当然」っていうのもどうなのかしら?
「自分が話した話が、あちこちで話されるくらいなら、相談に行かないほうがまし」「研究対象になるから相談には行かない」と思う人もいると思います。
かといって、スーパーバイズによる臨床家の質の向上も必要だし、臨床心理学の進歩も必要だし・・・。ここがいつも悩みどころです。 - ロテ職人 06-08-17 (木) 8:26
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>ちゃいかさん
コメントありがとうございます。
> 『学部卒の時点である程度将来使い物になることが
> 分かるレベルになっていて欲しい』
> 学部卒の段階にはにはもっとぎちぎちに
> 基礎やら理念やら学んで、悪い意味での
> 心理主義を剥いでおいて欲しいです…。
私もそのご意見に賛成です。で、この辺は大学院入試でスクリーニングできるのではないでしょうか? - ロテ職人 06-08-17 (木) 12:44
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>afcpさん
コメントありがとうございます。
> 長期間修行をするならば、
> その後にそれに見合うだけの報酬が
> 期待できないといけないのではないでしょうか。
デスマさんもおっしゃっていますが、この案は「長期間の修行」という表の目的の他に、使えない心理職を振り落とすという裏の目的もあったりします。
目指す人が今よりも減れば、それなりに待遇は改善されるのではないかと思います。
ただ、医師の場合は研修中もそれなりの給料は出るのですよね。まあ、それなりに臨床はできるから当然と言えば当然なのですが。
で、今回の提案について考えてみると、研修中は果たしてまともな生活ができるだけの収入を得ることが可能なのかという問題が残ります。まだまだまともな臨床のできない研修生に対して、誰がお金を出すのか、ということですね。この辺は検討すべき課題だと思います。 - ロテ職人 06-08-17 (木) 12:49
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>デスマさん
> 臨床心理士に「なりたい人」の数を減らせば、
> 少なくとも今よりは待遇はよくなると思います。
そですね。
> 医師と同じ修養年限だからといって、
> 経済的に、医師と同等かそれに近い待遇を
> 希望するような人には、個人的には、
> 心理職を目指してほしくはありません。
「目指してほしくない」という問題の前に、そもそも心理職が医師と同等の収入を得るためのビジネスモデル(って言っていいのか?)が思いつきません。
以前から何度も主張しておりますが、自身で開業してあくどいことをやればそれなりの収入を確保することは可能ですが、まともな臨床をしながらそのレベルの収入を得るのはまず無理ではないかと。 - ロテ職人 06-08-17 (木) 12:52
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>デスマさん
> それであっても、この仕事に意味を感じる、
> こういうことやってみたい、と思う人に、
> この仕事の次の世代を担ってほしいです。個人的には。
その辺は同意ですね。気持ちとしては非常によくわかります。
ただ、単に数を制限しただけ(それはある程度は質の向上にも繋がるはず)でどこまで待遇改善が望めるのか…微妙なところかと思います。 - ロテ職人 06-08-17 (木) 12:58
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>まったりねこさん
> いつも思うけれど、ケースレポートとか、研究とかも
> 大切かも知れないけれど、あまりに
> 「やって当然」っていうのもどうなのかしら?
> 「自分が話した話が、あちこちで話されるくらいなら、
> 相談に行かないほうがまし」
> 「研究対象になるから相談には行かない」と
> 思う人もいると思います。
いやいや。ケースレポートや研究は「やって当然」ですが、「全てのケースをレポートや研究につかう」わけではないですよね。
当たり前のことですが、クライエントの承諾は当然必要ですし、最近は終結ケースであることが前提条件になってきてますよね。
ケースをどこかに出すこと、その承諾を得ることは、当然関係性に影響を与えるわけで、その辺を考慮せずに「当然」と研究対象などにしてしまうのは論外だというのは、今さら言うほどのことでもないかと。
ただ、ある程度の年齢になっていれば終結ケースもそれなりに数になっているでしょうし、それであればいくつかのケースをレポートとしてまとめたり、あるいは研究対象とすることは可能なのではないでしょうか。 - ちゃいか 06-08-17 (木) 14:27
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大学院入試でスクリーニング出来るといいいなぁと思います。ただ一つ上の新しい記事を見て、ちょっとはらはらしてみました。
…院卒で似たようなことをしそうな人に一人心当たりが…。まさか本人じゃないとは思いますが…。 - 立ち寄りました 07-03-17 (土) 14:30
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心理業先進国の資格制度と比べたら、そんなに厳しいとは思わないのですが。。。まねする必要はないですけど、やはり、それなりの報酬を期待するなら今のレベルでは無理ではないかと思います。あまりにもピンきりなので。それは、現在現役心理士の人が悪いのではなく、やはり研修制度そのものに問題があることのほうが大きいですが・・・。なんか、議論がぐるぐる回ってますね。
とりあえず、きちんとしたスーパービジョンが出来る人が増えないといけないという点には賛成。オンサイトのスーパービジョンが出来る心理士のいるところじゃないと、実習機関として認められないですよ。アメリカは。














