認知症の自我心理学入門

公開日: : 心理・精神医学本

指定大学院の修士課程を修了して臨床心理士資格を取得。その後、老人福祉系の施設に就職、結局やっている仕事は介護職…って人の話をたまに耳にします。
別に介護職やるのはいいと思います。無理に「心理職として!」なんてことを言わなければ…という条件つきですが。
結局のところ、就職先がなくてそんなことになっているらしいのですが、こういう本を見ると認知症の方を対象とした心理的援助の可能性、心理職としての認知症者への関わりの可能性は感じるのですよね(「回想法」なんて技法もあるようですが、それはまた別のお話…ってことで)。

認知症の人とともに―認知症の自我心理学入門 認知症の人とともに―認知症の自我心理学入門
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認知症の人の理解と支援のありかたを、単なる技法ではなく「自我心理学」を基礎にした、援助の実践的な手引き書であり、援助方法を深めていく理論の入門書。

だそうで…
序言より抜粋。

認知症の人の自尊心や人生の質を高めるうえで、日常生活の中で周りの人たちが、認知症の人にどのように対応するかということはきわめて重要なことです。この本は、日常に起こりやすい多くの問題を例として取り上げ、それらをどのように解決すればよいのか教えてくれます。そしてこの本はまた、さらに理解を深めたいと考える読者のために、認知症の人の自我を援助する対応法の理論的背景と、認知症という病気についても説明しています。


似たようなコンセプトでこんな本もあります。

認知症になるとなぜ「不可解な行動」をとるのか―深層心理を読み解きケアの方法をさぐる 認知症になるとなぜ「不可解な行動」をとるのか―深層心理を読み解きケアの方法をさぐる
加藤 伸司

河出書房新社 2005-04
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“ボケ”“痴呆”と呼ばれてきた認知症の人々の「心理」に焦点を当て、健常な人が「不可解な行動」と感じるさまざまな言動が、なぜ起こり、何を意味しているのか、また、どのように接していけばよいかを、ケーススタディを中心に解説。

うん…やっぱ非常に大きな可能性は感じるのです
でもこういう援助…心理職がコンサルテーション的な関わりをするというのは(スクールカウンセラーもそうですけど)非常に難しいはずなのですよね。仕事の無いペーペーにできる仕事じゃないってのは確かかと。
せっかく大きな可能性があるはずなのに、心理職をとりまく構造的な問題がそれを実現するのを阻んでいるというのは皮肉な話なんじゃないかな、と。
どうしたもんですかねぇ…。

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コメント/トラックバック (4件)

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  1. ロテ職人さんが認知症の話題を出されるなんて、とお邪魔してみます。
    実は認知症の方との関わりを持って数年になる身です。
    認知症の方との関わりは、なかなか味のあるもので、心理職として関われる可能性も確かに大きい気はするのですよ。最近は認知症の方への動作法の導入なんかも行われていますし、神経心理学的な理解もしつつ、行動の背景にあるその方が現在持っている周囲の認識の仕方の理解も進めていくことが出来ますし。
    でも本当にどうしたらいいんでしょうねぇ…。というのが実感です。
    まあ、構造の問題だけでもないような気がしないでもないんですが、そこを上手く語る言葉がなく…。
    中途半端にすみません、お邪魔いたしました。

  2. >ちゃいかさん
    コメントありがとうございます。そうですか。認知症の方と関わることが多い職場ですか。
    > まあ、構造の問題だけでもないような
    > 気がしないでもないんですが
    もちろん、構造の問題だけではないと思います。というか、認知症者を主な対象とした臨床実践の中で、心理職としての専門性を活かした援助が出来ている人も、もちろん中にはいると思ってます。
    ただ「仕事のないペーペーが仕方なく心理職という名の介護職をやっている」ってのは、これはもう構造的な問題なのではないかと思うのです。
    ※もちろんこれは「心理職>介護職」という序列を暗に示すものではありません。ちゃいかさんはわかってくださっていると思いますが、この手の話題となるとすぐに勘違いされる方もいたりするので一応念のため…。

  3. 初めまして、くまこと申します大学院生です。
    私も学部時代を含め4年ほど前から認知症の方を専門とした精神科クリニックで研修生として関わらせてもらっているのですが、・・・実際、心理職がどのような位置にいればいいのか、いまだもってわかりません。
    回想法や介護家族者への心理教育のお手伝いなど、心理の可能性は感じるのですが、専門性が見えにくい・感じにくいのも確かです。私も何度かやってみましたが・・・。
    現場では、やはり医療・看護・福祉・介護・そして行政が家族の方にとって必要な情報であり、認知症のご本人・介護家族の心理的支援は二の次になっているように思います。こちらが支援の必要性を感じても、当事者さまが現実問題の方にいっぱいいっぱいになってしまい、後回しになっているような・・・。
    高齢社会ですし、老年期の問題に心理が入っていくのは非常に大きな可能性を感じます。もっと取り組んでいかなければならなくなる時代がくるかもしれない。ただ、ではどうすればいいかと言われると、大きな問題ですね。
    学生の分際で生意気に長々と失礼致しました。検討違いの内容でしたら申し訳ありません。

  4. >くまこさん
    初めまして。コメントありがとうございます。
    > 現場では、やはり医療・看護・福祉・介護・
    > そして行政が家族の方にとって必要な情報であり、
    > 認知症のご本人・介護家族の心理的支援は
    > 二の次になっているように思います。
    > こちらが支援の必要性を感じても、
    > 当事者さまが現実問題の方に
    > いっぱいいっぱいになってしまい、
    > 後回しになっているような・・・。
    そういう現状はあるでしょうね。確かに客観的に結果が目に見える介入の方が現実的に必要でしょうし、マンパワーの問題もあるでしょう。
    > ではどうすればいいかと言われると、
    > 大きな問題ですね。
    結局、神経心理学的な知識やあるいはカウンセリング・心理療法の高い技術を持った「老年心理学の専門家」の養成が必要なのではないかと思いますよ。
    少なくとも学部や修士課程レベルでその辺に関する体系的なカリキュラムを持った大学ってないですよね。そういうところに特化した(=特色のある)カリキュラム作りが必要なのではないかと…
    …でもそんなことをしていると、指定大学院のカリキュラムをこなすことが出来ないという状況になるような気もします。
    …となると、やはり現場に出てからの研修が重要になると思いますが、かといってそうした分野をみっちり教えていける指導者・現場というのがどれくらいいる(ある)のかというと…。
    なんか暗くなってきますね。


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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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