Home > 資格問題 > 日本臨床心理士資格認定協会2代目会頭について思うこと

日本臨床心理士資格認定協会2代目会頭について思うこと

[家族心理.com]管理人ブログの昨年12月30日のエントリ、腰抜かしました! 資格認定協会2代目会頭は?を読んだ時には、私もびっくりしました(エントリを読んではいたのですが、わざわざコメント欄にてお知らせくださいましてありがとうございます>[家族心理.com]管理人様)

臨床心理士の皆さん、今日届いた「研修会案内(鹿児島)」見ましたか? いつもなら遠い研修会案内は見ないのですが、なんとなく開けたところ、

私も開けてみました。うん。びっくりしました。内容そのままコピペ。

~ その他のご案内と情報 ~

◆ 認定協会代表に衆議院議員(元内閣総理大臣) 森喜朗先生ご就任

 財団法人日本臨床心理士資格認定協会を代表する「会頭」は、昨年6月の木田宏先生のご逝去のため、会頭代行(大塚義孝専務理事)により、その執行責任が何とか果たされて参りましたが、今回、関係各位のご推挙を得て、元文部大臣でもあり、われわれの専門活動に日頃からご理解いただいていた、第85代内閣総理大臣 森 喜朗 先生を、認定協会の第二代会頭としてお迎えすることになりました。

 森会頭の卓越した指導力により、「臨床心理士」に寄せられる期待はもとより、困難な諸課題の克服、発展に限りない輝きをもたらされることでしょう。臨床心理士の皆さんとともに、このご就任のご案内のできることを心より喜びたいと思います。

元内閣総理大臣あの森喜朗氏が資格認定協会の2代目会頭に就任だそうで。
nocteさんの心の探求、あるいは夜の世界でもこの件について言及されております。

前からこの方だったのでしょうか。それともどこかの段階でこの方になったのでしょうか。もしそうだとすればどういった経緯でなったのでしょうか。私が知らなかっただけで、広く知れ渡っていることなのでしょうか。 新年早々、疑問文ばかりになってしまいました。
ここの一番下
ところで会頭って何をする人なのですか。会頭という役職は前からあったのですか。やっぱり疑問文ばかりになってしまいました。無知ですみません。



財団法人 日本臨床心理士資格認定協会のサイト沿革のページにはこう書かれております。

1988年に他の関連学会にも働きかけ、積年の願いであった日本臨床心理士資格認定協会を発足させることになりました。当時の学会理事長であった京都大学の河合隼雄教授(現.日本臨床心理士会長)が、認定協会設立準備委員長として、認定協会誕生にリーダーシップを発揮されました。文部省(現:文部科学省) や厚生省(現:厚生労働省)等関係機関が、認定協会設立に向けて何かとご協力、ご支援を頂いたことも特記されます。特に文部省(現:文部科学省)からは元事務次官の木田宏氏が認定協会初代会頭に就任されることになり、その後の発展に測り知れない寄与を果されたことも記憶に新しいところです。

つまるところ、初代会頭の故木田氏というのは文部官僚のOBだったということですね。
この点について、面白い文章を見つけました。岡山大学大学院社会文化科学研究科(文学部・心理学領域兼担)の長谷川芳典氏が2001年6月14日に書かれた
「臨床心理士」は学校の救世主か、心理学研究の多様性を排除する官業癒着の産物か
です。詳細はリンク先を読んでいただければと思いますが、2001年に書かれたこの文章、現在ではほぼ現実のものとなっております(それを「官業癒着」と呼んでしまうかどうかはおいといて)。
で、今回の森氏の会頭就任ですよ。
上記リンク先の森氏の公式サイトの記述を見ていただければわかるように、森氏はスポーツ関係の団体の会長・理事を色々とやっています。で、彼は文部大臣経験者でもあり、いわゆる「文教族」の族議員の一人だったりします。
前述の案内には

困難な諸課題の克服、発展に限りない輝きをもたらされることでしょう。

とありますが(しかしこの表現、何とかならなかったもんですかねぇ…)、今回の新会頭就任はやっぱ国家資格化のための一つの布石なんじゃないかという気がするのですよね。
もちろん、これで何かが劇的に変わるわけではないでしょうが、会頭が文部省OB→現役の衆議院議員になったことは、政治との繋がりが強くなったのではないかということをうかがわせるには十分かと。「単なる箔づけ」であっても、それなりに意味はあるかと思いますですよ。
国家資格化問題について興味のある方のご意見をおうかがいしたいところです。
個人的にはもっとマシな人材がいたんじゃねーかって気がしないでもないのですが…「なりふり構わず」なんですかね…?

そして今年も1日1回クリックして、順位確認後、飛んだ先からまた当ブログに戻ってきていただけると大変うれしかったり学問・科学ランキング

ランキング参加中!クリックお願いします→人気ブログランキングへ にほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ

コメント (Close):10

don 07-01-05 (金) 9:42

<諦観てふ生き方もあり冬木立>

しっぽ 07-01-06 (土) 9:58

>もっとマシな人材がいたんじゃねーか
にはちょっと同感しますが、医療諸団体の主張に対応するのに文教族を持ってくるというのは、政治的に妥当な判断だと思いますよ。教育は非医療領域の代表格。いじめ問題等、教育領域での心理の重要性は打ち出しやすいし、医療諸団体の主張を通して資格化すると教育相談はこうなってしまいますよ、という論理展開しやすいし。政治であろうがなんであろうが、より重要な福祉のために、心理の人間が清濁併せ呑む覚悟は必要だと思います。

はる 07-01-07 (日) 12:00

「より重要な福祉のために、心理の人間が清濁併せ呑む覚悟」、、、、打たれました。心にとめておきます。

ロテ職人 07-01-07 (日) 14:40

>しっぽさん
>はるさん
えーと…ネタとか釣りじゃないですよね?
> 医療諸団体の主張に対応するのに文教族を持ってくるというのは、
> 政治的に妥当な判断だと思いますよ。
少なくとも私にはそうは思えないです。
そもそも国家資格化問題の現状というのは
> 医療諸団体の主張に対応する
とか
> 医療諸団体の主張を通して資格化すると
> 教育相談はこうなってしまいますよ、という論理展開
いうレベルではないのでないでしょうか?
というかそういう考え方をしているうちは結局「医療心理師 対 臨床心理士」とか「医療 対 教育」とか「医学 対 心理学」とか「文部科学相 対 厚生労働省」とかそういう考え方から脱することはできないと思うのですよね。
「じゃあどうすればいいんだ?」ってのは私にはわかりませんが(というか、私は今は当分国家資格なんてできないと思っているし、今、性急に事を進めるのは得策ではないと思っております)、森氏を臨床心理士資格認定協会の会頭に据えるのが政治的観点からも良策とは思えません。だって、結局、前に述べたような確執を深めることになりかねないですから。
そして森氏の就任が「より重要な福祉のために、心理の人間が清濁併せ呑む覚悟」に繋がるとも私には思えないわけです。
わかりにくいコメントで済みません。ご不明の点があれば、再度ご質問いただけたらと思います。

綾瀬治男 07-01-08 (月) 2:01

ロテ職人さま。
さすがに冷静なご意見だと思います。
しかし、それにしても森喜朗とはねえ。
皆さんにように、まじめに資格化の問題を考えておられる方がいると思えば、所詮は利権問題と腹をくくっている御仁も相当数いるということなんですね。
あるいは、国家資格化の利害は、臨床心理士自身ではなく、他の人たちの利害で動いている。臨床心理士自身は、じつは駒に過ぎないのかもしれませんね。
しかし、森喜朗氏が親玉ということになれば、いまさら原理原則を論じる段階ではないという判断が働いているのでしょう。
もしも国家資格化がなったとしても、永遠に残る汚点になってしまいますね。
政治の世界に近くなると、すべて政治的にしか考えられなくなってしまう人が少なくありません。real politicsは、清濁併せ呑むことだとか言ってね。
目的は手段を浄化しうるかという古典的問題にぶつかりますね。

【家族心理.com管理人】 07-01-08 (月) 23:37

エントリアップ待っていました。反応が若干遅いところにどんな意図があるかとドキドキしておりましたが、さすがに冷静沈着なエントリです。
しかし、木田元会頭も文部省幹部だったんですね。てっきり臨床関連の方かと思い込んでいました。
 こうなったら、やけくそです。近年のナラティブセラピーの知見を応用し、森会頭は学に優れた清廉潔白な人物であるというナラティブを臨床心理業界から社会的に構成していきましょう。
・・・本音はフリーズです。いったいこのことがどういう意味を持つのか、関連エントリを待つことにしたいものです。

ロテ職人 07-01-09 (火) 20:40

>綾瀬治男さん
コメントありがとうございます。
> 皆さんにように、まじめに資格化の問題を
> 考えておられる方がいると思えば、
> 所詮は利権問題と腹をくくっている御仁も
> 相当数いるということなんですね。
この辺はどうなんでしょうねぇ…はっきり言って森氏自身にとっては「名誉職」の肩書きが一つ増えた程度の意味しか持ってないんじゃないかなと思ったりもするわけで…。
裏には色々あると考えることもできるわけですが、とりあえず
> 政治の世界に近くなると、
> すべて政治的にしか考えられなくなってしまう人が
> 少なくありません。
> real politicsは、清濁併せ呑むことだとか言ってね。
ってな感じの「思考停止」だけは避けたいものだと思います。

ロテ職人 07-01-09 (火) 20:45

>【家族心理.com管理人】さん
コメントありがとうございます。
> 木田元会頭も文部省幹部だったんですね。
そうなんですよ。組織の出自がそんなんだから、まあ色々と批判されるのも仕方がないのかなぁと。
何というか、政治力を味方につけるにしても、もっとうまくやれないもんなんですかね?こんなんじゃ、国家資格化なんて夢のまたゆm(以下自粛

匿名 07-01-14 (日) 22:00

 森元首相が何を期待されて会頭に迎えられたかはよく知りません。ただ、森元首相は特に臨床心理学に造詣の深い方でもなかったと思いますので、多かれ少なかれ政治力を期待されてのこととは思います。
 もちろん、職能団体として利害を主張する以上,ある程度のロビー活動も必要ですし、学校を初めとする公務所も臨床心理士の主要な職場ですので、行政・政治との関わりを全否定する訳ではありません。
 しかし、個人的には、臨床心理学が行政・政治と余り接近するのはどうかなと思っています。例えば、国家資格化に関する医師会・厚生労働省側との交渉で、森元首相を初めとする自民党文教族の政治力を当てにすれば、当然,ギブアンドテイクとしてその見かえりを求められる訳です。具体的には,自民党文教族の考えにあう活動を行い、結果を出すことを求められる訳です。
 その結果として、自民党文教族の考えにあわない意見・・・例えば、「不登校を数的に減らそうとすべきではない。むしろ、学校以外の多様な学びの場を認めていくべきだ」等と言う意見をお持ちの臨床心理士が、臨床心理士の中で傍流に追いやられていくのであれば、個人的には残念だなと思います(ま、何をやっても主流と傍流はできるので,ある程度は仕方ないですけど)。
 また、ちょっと極端な意見かもしれないけど,例えば学校行事での国旗掲揚・国歌斉唱に反対する職員が処分の対象とされ、再研修を課せられ、その中で臨床心理士によるカウンセリングを受けさせる等と言う話になったら、個人的にはちょっとグロテスクな話だなと思います

野生かえる捕獲人 07-01-14 (日) 22:24

 もう一つ付け加えておくと、現在、政治・行政の分野のかたがたは、臨床心理学をちゃんと理解した上で臨床心理士を使っているのか?という疑念があります。
 例えば、先般のいじめ自殺問題でSCが増員された訳ですが、この問題に対してSC、臨床心理士,臨床心理学はどう寄与できるのか(又はできないのか)をチャンと検証した上でSCを増員しているようには思えないんです。
 むしろ、「SCを増やせば何とかしてくれるだろう」という漠然とした期待、又は「とりあえずSCを増やせば対策を採ったことになる」という発想に基づいているような気がするんですね。
 いじめ自殺の真の問題は「被害者が本当に苦しんでいるにもかかわらず、自分からは援助を求めようとせずに自殺を選んでしまう」という点にあります。そのため,いじめを発見するためには大人の側が子どもたちの集団と密接な関わりを持ち、子どもたちが訴えてくれないいじめを発見する目を持たないといけません。この点で、週1~2回勤務で「子ども集団」とかかわる機会の少ないSCは限界を持っていると思います。
 特に学校臨床の分野で言えることですけど、できることはできる、できないことはできない、分からないことは分からないと、専門家としてはっきりいっておかないと、後で困ることになりはしないでしょうか。
 

Home > 資格問題 > 日本臨床心理士資格認定協会2代目会頭について思うこと

ブログ内検索
RSS 臨床心理学ニュース
2011年売れ筋ランキング
Amazon.co.jp 経由で購入可能です

第 1 位

精神科臨床における心理アセスメント入門

津川 律子

精神科臨床における心理アセスメント入門

昨年に引き続き第1位獲得。単なる所見の書き方とは一線を画したアセスメントがらみの本。精神科臨床に携わる人だけではなく、どんな分野においても言える内容が盛りだくさんな一冊かと。筆者の豊富な臨床実践に根ざした良書という感じ。

第 2 位

発達障害とパーソナリティ障害―新たなる邂逅 (現代のエスプリ no. 527)

石川 元 (編集)

やっぱり発達障害関連本は強い。こちらは特に精神病理学の観点から語られており、興味深いです。Amazon.co.jpではプレミア価格がついてしまっているのが残念。

第 3 位

日本版WAIS‐3の解釈事例と臨床研究

藤田 和弘 (編集), 大六 一志 (編集), 山中 克夫 (編集), 前川 久男 (編集)

WAISを使う全ての人に

第 4 位

心理学の「現在」がわかるブックガイド

越智啓太(著) 徳田英次(著) 荷方邦夫(著) 望月聡(著) 服部環(著・監修)

個人的には学部生、特に1・2年の時に読んでおいて欲しい本。この中から将来に繋がる分野が見つかったりすることもあるんじゃないかと思います。もちろん一般の方や大学院生にもお勧めです

第 5 位

面接法

熊倉 伸宏

面接法

面接法の基礎が書かれている本。精神科の研修医も必携の本だったりします。非常に基礎的かつ実践的な内容でお薦めです。

第 6 位

こころの治療薬ハンドブック 第7版

山口登 (編集), 酒井隆 (編集), 宮本聖也 (編集), 吉尾隆 (編集), 諸川由美代 (編集)

こころの治療薬ハンドブック 第7版

何度でも言いますが薬の知識は必要です。てか、学校臨床専門の人も必須だと思います。院生も実習の段階で持っていた方が良い本。

第 7 位

エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方

Elizabeth O. Lichtenberger

エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方

需要の高いアセスメントがらみの一冊。訳本ではありますが、所見の書き方の実例が載ってて参考になること間違いなし。

第 8 位

女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

山下 吏良

女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

少なくとも臨床心理職の職域が拡大されつつあり、それと同時にそれなりに認められつつあるのだろうなぁと思わされる一冊。未読なので感想は言えませんが、読んでみたいとは思っておりますです。

第 9 位

子どもの心と学校臨床(第2号)特集:学校の中の発達障害の子ども:クラスに発達障害のある子もいるというあたりまえの現実の中で

辻井 正次(著・編集)

昨年もお世話になりました、遠見書房さんの雑誌。小学生の子どもを持つ親として個人的にも読みたい一冊。

第 9 位

新・臨床心理士になるために[平成23年版]

(財)日本臨床心理士資格認定協会 (監修, 編集)

資格試験を受ける人には必須の一冊。来年度受験者用も出るかと思いますが早めに準備をしておきたいという方は是非どうぞ
ブログステータス


RSSリーダーで購読する

Google Readerへ追加

Subscribe with livedoor Reader
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ
にほんブログ村



あわせて読みたいブログパーツ
フィードメーター - ロテ職人の臨床心理学的Blog

スカウター : ロテ職人の臨床心理学的Blog



ケータイ閲覧用

Return to page top