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「心理臨床学」という言葉

公開日: : 臨床心理学

その言葉の意味を最近考えてしまうのです。
私は06/09/15のエントリ、【日心臨参加記録】ワークショップ参加【1日目】で、昨年の心理臨床学会のワークショップに参加した感想の一つとしてこのように書いております。

・応用心理学としての「臨床心理学」ではなく、新しい研究のパラダイムとしての「心理臨床学」って理想はわかるんだけどなぁ…。

そう書いたんですが…
今になって「新しい研究のパラダイムとしての『心理臨床学』」という言葉もどうなんだろう?と思うようになってきております。


そもそも「心理学」という学問の始まりにはヴントによる「内観」という方法があったわけじゃないですか。
それ以来、様々な方法論や理論、分野や研究のパラダイムが発展し今に至るわけです。臨床心理学だって方法論も様々ですし、パラダイムも様々です。
その中で殊更に新しい研究のパラダイムを「心理臨床学」と呼んで、「臨床心理学」から隔離する意味がはっきり言ってわからないのです。
上で挙げたワークショップでは講師の先生がこんなことをおっしゃっておりましたよ(細かい表現は忘れましたが大体こんな意味だったように思います…程度で)。
「いつまでも心理学や医学からの借り物ではいけない」
と。
その時は「そうかもなぁ」と思ったんですが、今は「別に借り物でもいいんじゃね?」と思うのです。上で述べているように、心理学の発展の歴史を考慮した上で、新しい研究のパラダイム・方法論を「臨床心理学」の一分野として発展させていけばいいんじゃないかと。
…って考えた時、何で「心理臨床学」って言葉にこだわるのか、何で「心理学や医学からの借り物」だと困るのかってーと…
結局そこに政治的なものを感じてうんざりしてしまうのです。
そういえば前述のワークショップでも講師の先生がその「借り物」発言をしたときにゴニョゴニョと資格問題についても言及されておりました。
結局そういうことなのかよと。
…ってのと同時に「臨床心理学」という言葉にこだわる必要もないと思うのです。
「臨床心理学」だろうと「心理臨床学」だろうと、最終的にクライエントにとって役に立つ、クライエントにその結果が還元されるような研究ができればそれでいいんじゃないか、と。
研究する側にとっても、自分が知りたいことを知ることができるのならば、自分の研究分野、研究パラダイム、自分の属しているアカデミック集団が「臨床心理学」なのか「心理臨床学」なのかなんてことは、極めて些細な問題なのではないかと思うのです。
なんてことをふと思う今日この頃なのでした。

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2007/03/23 | 臨床心理学

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