- 2007-11-30 (金) 7:50
- 臨床心理学
えとですね、昨日ネットの某所っつーかあるブログで以下のような文言を目にしたのですね。
心理学という分野においては「基礎系」と「臨床系」はお互いに嫌い合っている…
的な。
ま、そこに限らずそういう主旨の話はしばしば目にするんですが…実際のところ「基礎系」と「臨床系」の対立って存在するんでしょうか?
個人的にはあまり実感ないんですよねぇ。
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このブログのどこかでも前に書いたかもしれませんが、私の出身大学院では基礎系と臨床系はそれなりに仲良かったように思うのですよね。
修論・博論の発表は当然全領域一緒でしたし(他領域の研究を見てるのは内容はよくわからんけど、わからんなりに面白かった記憶もあり)、そういや各領域対抗のソフトボール大会なんてのもありました。臨床系の院生が実験系の大御所の先生と麻雀してたりなんてこともしばしばあったと思います。
私個人としては学部1年次の専門英書購読の授業で、実験系の某大御所の先生にかみついたことがあったんですが(いや~あの頃は若かった…今はずいぶん丸くなりましたよ。多分)、その先生はそのことをずっと覚えてくれてて院生になってからも何かと声をかけてくれえたりしたのは良い思い出です。
…ってのは「古き良き時代」に対するノスタルジックな思いでしかないのでしょうかね?つかわたくしはそんなお年寄りなつもりはないのですが。まだまだ「若手」ですし。
もっと現実的な面で考えてみても、まともな大学であれば将来的に臨床系に進もうと思っている学生も必ず一通り基礎系については学んでいるはず…てか、むしろ学部レベルでは臨床系の講義の方が少ないくらいなんじゃないでしょうか。
ひょっとして「基礎系」の人の研究職のパイが「臨床系」によって食われてしまっている…ってこともないですよね。そもそも基礎系の研究職としての就職先なんて元々そうそうあるわけじゃないですし、むしろ現在の臨床系の状況の方がバブリー&アンバランスなのだと思うわけで。
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とか書きつつ、やっぱりそういう対立ってあるところにはあるんじゃないかとも思ったり。昨年の心理臨床学会でのワークショップの感想にあるような「違和感」って正にそれだったり。
・【日心臨参加記録】ワークショップ参加【1日目】(06/09/15)
・【日心臨参加記録】ワークショップで感じた違和感【1日目】(06/09/19)
講師の主張は「心理学や医学からの借り物ではなく、心理臨床学としてのアイデンティティや独自性を持たなければならない」ってところだったのだと私は理解したのですが、「別に心理学の一分野でもいいんじゃね?」とか思うんですよね。
一口に「心理学」っても様々な分野があり、そしてそれぞれの分野の中でもまた様々な方法論だったり考え方があるはずです。そこで殊更に「心理臨床学」ってことの独自性を打ち出す意味がわからんのです(つか、その辺を国家資格化の問題と絡めて語られていたのが個人的には何か臭ってくるのですよね)。
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さらに、上記過去ログのコメント欄を読んでいてふと思ったんですが(って我ながらしらじらしいなぁ)、今どき「行動系」とか「分析系」とかの対立ってもどうかって感じじゃあないですか。つか、若手の臨床家で「行動療法最高!他は糞!」とか「分析マンセー!行動療法?何それ?食えんの?」なーんて人、存在するんでしょうか?
柱となる理論的枠組みは何かしら持っているにせよ、実際の臨床場面ではやはり様々な考え方を取り入れていく必要が出てくるはずであり。安直な「折衷派」って言葉は嫌いですけど、でも皆多かれ少なかれ折衷的な要素は持っていると思うのですよね。
私自身も一応は力動的心理療法が基礎にあるつもりですが、行動療法的な考え方ってすげえ好きなんですよね(そういう意味でも今年の森林のワークショップは面白かった)。そして「行動療法すげえ好き」の背景には、学部1年次の心理学概論の講義内容(基本的にどこでも学習理論についてはガッチガチにやってますよね?ね?)に覚えたおもしろさってのがあると思うのです。
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少なくともむやみに対立構造を作り出すのは建設的じゃないですよ…って私の主張はどっかおかしいのでしょうかね?
ちょっと他の方のマジレスきぼんです。
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コメント (Close):5
- ちゃんま 07-12-01 (土) 2:22
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仲がいいとか悪いとか、という関係よりも、もう少し構造的な問題かと私は考えています。
日本の場合、いわゆる旧帝大系の大学では、基礎系と臨床系は学部が分かれている場合が多いので、互いの交流が少なく、誤解が生じやすい環境にあるのではないか、と考えているのです。
だから、対立構造が問題、というよりも、互いの理解不足からくる誤解のほうが問題、という印象です。
ただ、実際は基礎系の大学院のなかには、臨床はちょっと・・・。と一段下に見られているところはあると思います。もちろんその妥当性は置いておいて。 - ミラノ 07-12-01 (土) 14:00
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このような「感情的な」対立は個人的にはいくつかみた事ありますね。それが一般化できるほどどうかはわかりませんが。
心理学でも医学でもあるいは物理とか化学でもなんでもそうなんですが、「基礎ー応用」軸での感情的な対立は起こりやすい感じがします。メカニズム的にはちゃんまさんが述べられている「相互不理解」が主要因だと思われます。そこに嫉妬とか各集団による個人間の不仲とかが加わって「感情的対立」へと先鋭化していくのかなあと個人的には思っています。
「感情的な対立」以外にも単純にある問題においての立ち位置が違うという意味での「対立」もあると思います(本来臨床における「行動系」「分析系」などはそうだと思います)。そういった対立の元、議論を深めていくことによってその問題が解決したり、理論が洗練されたりすることはあるはずです。ただ、それを感情的な対立に転化してしまうとグダグダになってしまうのではないかと思います。「対立構造が建設的じゃない」というよりは「建設的じゃない対立構造」が出来てしまうのが問題かなあと思います。 - ロテ職人 07-12-03 (月) 12:18
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>ちゃんまさん
コメントありがとうございます。
> いわゆる旧帝大系の大学では、基礎系と臨床系は
> 学部が分かれている場合が多いので、
> 互いの交流が少なく、誤解が生じやすい
> 環境にあるのではないか
> 互いの理解不足からくる誤解のほうが問題
あー、確かに。「文学部心理学科」と「教育学部心理学科」的な感じですよね。
そういう意味では(多分に政治的および経済的な意図はあるにせよ)「心理学検定」みたいな感じの基礎資格を作るのは、カリキュラムを考える上でも良いことなのではないかと思ったり。
ついでに、ちゃんまさんのところへのリンク、こちらから勝手に張っちゃいましたが、迷惑でしたらその旨お伝えくださいませ。 - ロテ職人 07-12-03 (月) 12:32
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>ミラノさん
コメントありがとうございます。
> 「基礎ー応用」軸での感情的な対立は起こりやすい感じがします。
なんとなくイメージ的にはそういう対立、色んな分野でありそうですよね。
> 嫉妬とか各集団による個人間の不仲とかが加わって
> 「感情的対立」へと先鋭化していくのかなあと
> 個人的には思っています。
個人間の不仲はまあわかりますが、「嫉妬」って何でしょうね?「隣の芝生は青い」的なことなのか、それとも実利的なことなのか…まあ、色々あるかもですね。
> 「対立構造が建設的じゃない」というよりは
> 「建設的じゃない対立構造」が出来てしまうのが
> 問題かなあと思います。
確かに「建設的な対立構造」ってのは存在し得るでしょうね。そういう意味では「感情的な対立」は避けるべきでしょうし、対立勢力の欠点をあげつらうだけではなく、客観的な問題があるのならば指摘し、良い点を認めた上で改善点を示すってのが建設的かも…
…とか言うは易し行うは難しの典型みたいな理想論なんですが…でもそういうことを考えるのは無駄じゃないとは思うのですよね。 - RA 07-12-04 (火) 0:05
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なんか明確なエビデンスがあるか?といわれるとないようにも思うのですが,「状況証拠」のようなものは結構ある(あった)ように思います。
ひところ,「臨床社会心理学」なる言葉が一部の(?)学会でもてはやされたことがありましたが,そのころの上記の言葉に関連したワークショップで,司会をした先生が「自分は本当は社会心理学をやっていたけど,志半ばに臨床へと都落ちして・・・」みたいなことを言ってました。その人の頭の中には「社会心理>臨床心理」という図式があったようです。
果たして心理臨床学という学問体系,実践体系があるかどうかは別にして,ただ心理臨床学会という学会の成立背景を考えますと,ある意味不毛と思われる「基礎VS臨床」という対立図式があったんだろうなあ・・・と思わざるを得ません。
ただ,臨床内でも変な対立があるように思います。おいらの経験したことで言えば,それは特に院生レベルでひどかった。
Rogerianの先生の講義を「意味がない・ちゃんと客観的な測定をしろ!」とほざく行動系の院生とか,「行動という表面的なところだけいじってどう済んだよ」といっている力動系の院生。
・・・世界観はひとつじゃなくていいと思うんですけどねぇ・・・
















