Psychologists&Students
Psychiatrists
Others

ネットを使った卒論のためのアンケート調査について思うところなど

公開日: : 臨床心理学

先日のエントリ、自殺のこととかでとりあげたこちらのブログ。
自殺サイト:自殺 臨床心理学
そのエントリのコメント欄でもちょこっと触れましたが、私が取り上げた件を受けて向こうでエントリがアップされております。
本サイトの危険性について(08/06/20)
自殺予防を目的とした情報提供をネット上で行うことの功罪について、ワタクシ的にもう少し考えてみたいところもありますので、とりあえずその点についての言及は棚上げしておきます。そのうち考えがまとまったら何か書くかもしれません。
で、当該サイトの影響についてのアンケート調査が既に開始されています。仕事が早いなあ。
本サイト(自殺サイト:自殺 臨床心理学)の影響について
・・・・・・・・・・
そしてここからが本題。上記アンケート調査はこちらのサイト上で行われています。
アンケートツクレール

アンケートツクレールは、アンケートが簡単に作成できる、無料のサービスです。新開発の質問自動作成機能により、アンケート作成の手間を魔法のように削減。自動的に作られた質問は自由に編集可能ですので、足場としてもご利用ください。よく使われる質問をクリックひとつで取り込める質問パレットもご用意しました。もちろん、最初からすべての質問をご自分で作成することもできます。



管理画面ではしぼりこみ集計ができますので、属性別(男女別、年齢別など)の意見も知ることができます。ご自身で更に詳細な分析を行えるよう、生データのダウンロード機能も搭載しました。データはCSV形式なので、表計算ソフトで閲覧できます。



商品やサービス、サイト等の利用者調査から、日常のふとした疑問の調査にまで、はば広くご利用ください。

つか、こんな便利なサイトがあるのですね。知らなかったです。
現在、どんなアンケートが行われているのか検索も可能。
アンケート検索
で、「心理」を検索ワードに検索してみたところ…いくつか出てきました。
その中で気になったのがこちらです。
オンラインゲームにおける否定的側面に隠された肯定的側面について
確かにオンラインゲームについてのアンケートなので、オフラインよりはオンラインでアンケートを行う方が効率はいいかもしれませんが…すげえ気になる点がいくつかあります。


とりあえず「制作:某大学社会福祉学部 心理学科」となっており、調査者はどこの誰なのか全くわかりません。通常の質問紙調査ではあり得ないことだと思うのですが、これっていいんすか?当ブログの読者様の中には卒論指導なんかされている方も少なからずいらっしゃると思うのですが、教えてください!>エロい人
調査者の属性が研究結果に影響を及ぼす可能性があるとしたら、まあ伏せなきゃいけない場合もあるんでしょうけれども、この場合はあんまりそういう可能性が考えられないんですよね。
これは憶測になりますが、単に「ネット上だから自分の個人情報は出さない」という考えしかないような気がします。
でもそれで信頼に足るデータが得られるのか?それ以前にそもそも倫理的に問題あったりしないの?とか色々と考えてしまいます。現に上記ブログの管理者は自身の所属と本名、連絡先も明記しているわけですし、やっぱ調査者が匿名である時点で「卒論のデータ収集としてはどうなの?」と思わざるを得ません。
それが一点目。
そして二点目。
調査のタイトル「オンラインゲームにおける否定的側面に隠された肯定的側面について」、このタイトルそのものがバイアスになる可能性ってのは考えてないんでしょうか?
このタイトルを見ただけで、「どんな仮説を持って調査しているのか」ってのが被調査者にもうっすらとわかってしまうと思いません?そのことが調査結果に影響を与える可能性は大ですよね。
それを避けるためには「オンラインゲームに対する意識調査」とかのタイトルにするべきだと思いますよ。
次、三点目。
細かいことですが

研究の終了後は適切な方法で処分致します。

この「適切な方法」って何?
いや、細かいところだけどそういうところが調査者の信頼にとって大切だと思います。
最後、四点目。
卒論である限りは指導教員というのがいるはずだと思いますが、その教員はこの調査にゴーサインを出したんでしょうか?
まともな指導教員だったら、こんな色んな意味で杜撰な調査は認めないと思います。少なくとも私が指導教員だったら認めません。上記三点のような指摘をした上でまずは改善を求めます。
これでゴーサインが出てたとしたらその指導教員に問題があるし、指導教員に相談しないでやってたとしたらそれはそれで大問題だし。
・・・・・・・・・・
「卒論程度でそんな目くじら立てるなよ」というご意見もあるかもしれませんが、卒論だからこそせめて方法論だけはしっかりやっておいてもらう必要があると私は思います。
そして、私がこのエントリを書いたことで問題のアンケート結果が歪んでしまう可能性が考えられます。が、そんなの関係ねえ。元々杜撰な調査なことは間違いないわけですから。
とりあえず、ネットを使った調査って難しいなあと思った次第であります。

1日1回ポチっとクリックして順位確認後、戻ってきていだけると大変うれしゅうございます学問・科学ランキング

2008/06/25 | 臨床心理学

関連記事

黒子がPCを再起動

再起動します

みなさまお久しぶりでございます。 わたくし、なんとか生きております。 しかし何な

記事を読む

Reme クラウドファンディング

“心の専門家を身近にするQ&Aサービス”Reme(リミー)さんのパトロンになってみた

Remeさんがクラウドファンディングを開始! 2015年10月にβ版サイトをオープンし

記事を読む

Reme 第1回 臨床心理士向け研修会

【催眠】Remeさんの第1回臨床心理士向けワークショップに参加した!その2【臨床動作法】

さてさて昨日のエントリ、【長谷川明弘】Remeさんの第1回臨床心理士向けワークショップに参加

記事を読む

Reme 第1回 臨床心理士向け研修会

【長谷川明弘】Remeさんの第1回臨床心理士向けワークショップに参加した!その1【杉山崇】

Remeさん主催の初めての研修会! 去る4月24日の日曜日。東京都のど真ん中、千代田区

記事を読む

ノリで採用を決める人事担当者

心理臨床家の能力をアセスメントするのって難しいよねという話

タイトル書いてから思ったんですが、この話題って、論文検索すれば関連するテーマでいくつもヒットしそうな

記事を読む

新着記事

疑問

ん?

超久しぶりの投稿です。 明日から継続して投稿できるかなあ...

記事を読む

黒子がPCを再起動

再起動します

みなさまお久しぶりでございます。 わたくし、なんとか生き...

記事を読む

いつも怒っている父さん

「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(後編)

このシリーズもついに完結…するのかどうか実は微妙です。書いてみ...

記事を読む

不満爆発父さん

「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(中編)

さてさて、昨日のエントリ、「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移...

記事を読む

激おこ父さん

「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(前編)

またまたお久しぶりの更新になってしまいました。前回の更新が5月...

記事を読む

コメント/トラックバック (1件)

現在、この投稿へのコメント/トラックバックは受け付けていません。

  1. 一応魚拓。
    http://s03.megalodon.jp/2008-0625-1721-49/enq-maker.com/372ow2W


follow us in feedly
  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
疑問
ん?

超久しぶりの投稿です。 明日から継続して投稿できるかなあ

黒子がPCを再起動
再起動します

みなさまお久しぶりでございます。 わたくし、なんとか生き

いつも怒っている父さん
「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(後編)

このシリーズもついに完結…するのかどうか実は微妙です。書いてみ

不満爆発父さん
「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(中編)

さてさて、昨日のエントリ、「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移

激おこ父さん
「日本臨床心理士会が公認心理師の職能団体へ移行する?」という問題に対する現在のワタクシの見解(前編)

またまたお久しぶりの更新になってしまいました。前回の更新が5月

→もっと見る

PAGE TOP ↑