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現場実習における心理検査への陪席の問題について論じつつ「現場実習の意義って何だ?」ってことをもう一度考えてみる

公開日: : 臨床心理学

08/06/26のエントリ、大学院生の実習で心理検査の陪席させる?の続き。未読の方はまずそちらからどぞー。
元ネタになったぐっちょんさんのコメントに対して一応返信はしたのですが、なんか言葉足らずな感じがしたので補足を兼ねて再々コメント。

こちらとしても患者さんの負担にならないよう最大限の配慮は行いますが、これもまたおっしゃる通り、負担や不安感はゼロにはならないでしょう。

まったくその通り。心理検査に限らず病院で検査を受けるということは、基本的には患者にとって負担であり、不安感を感じさせることなのだということを忘れるべきではありません。

そうするには、これもまたまたおっしゃる通り、病院での実習を受け入れないという形になるのでしょうね。

「おっしゃる通り」とおっしゃいますが、私どこかで「病院で実習を受けるべきではない」と言いましたっけ?私はそうは思っていないので、多分どこでもそういうことは言ってないと思いますよ。
私自身、学生の頃も含めて病院臨床の中で育ててもらった…というか、基本、病院臨床しか知らない人間ですし、病院で臨床心理系の学生の実習を受け入れないということはあり得ないと思っています。私も協力できることがあるのならば、微力ながら協力できればと常々思っております。
で、受け入れた上で何をどこまでやらせるのかってことなのですが、それって結局「実習で何を学んでもらうか」「何を経験してもらいたいか」ってことであり、さらには「現場実習の意義って何?」ってことに繋がるのではないでしょうか。

検査に陪席することで、手引書には載っていないような微妙なコツや検査態度と検査結果の違いなどをナマな感じで実感できたことはとても勉強になったと思っています。ロテ職人さんはいかがでしたか?検査の陪席にも批判的な立場であればあまり得るものはなかったか、得るものよりも患者さんの負担の方が大きく感じたということでしょうか。

これは前にエントリでも書いたことですが、「真剣にロールプレイをする」という前提があれば、被検者経験をしてもらうことで「手引書には載ってないような微妙なコツ」を実習生に伝えることはできるかと思います。
「検査態度と検査結果の違い」なんてところは検査所見を書く上で必要不可欠な部分であり、これは大学院教育の中で教えておくべきtころなんじゃないですかね。もしそれが大学院における養成プログラムに組み込まれていないのであれば、何らかの形で勉強会などを開催することが必要かもしれません…という流れで私は元実習生の方々とロールシャッハを中心としたアセスメントの勉強会なんかをしてたりします。
で気になるのが「得るものよりも患者さんの負担の方が大きく感じたということでしょうか」というところでして、その辺は天秤にかけるものではなく、「患者さんの負担を極力軽減する」ということが前提で、その上で実習生と実際の患者さんとの関わりをどう持てるのか…という辺りを考えていく必要があると思うのです。
と考えていくと…

私は医師の診察の陪席も体験しましたが、これも非常に勉強になりました。ロテ職人さんの意見に沿うならば、医師の診察もまた避けるべきでしょうか?それとも、陪席する前にまずは医師の診察を受けるべきでしょうか?それはそれで教育分析風で面白そうですが。

私の実習の中で医師の診察の陪席は体験しました。で、大事なのは「何のためにそれをやるのか」ってことなんだと思います。
初診時の陪席で「医師による精神医学的な見立てがどのようになされるのか」みたいなところを見てもらうといういことを目的にしてもらうのならば、これは「医師の診察を受ける」ということで代替できないでしょう。さらに通常の診察の中でどのようなやりとりがなされるのかということを見ることを目的にしている場合も、やはり実際に陪席してもらうのが一番だと思います。
さらに大学病院なんかであれば(ぐっちょんさんの場合は大学病院だそうなのでこれは特に当てはまると思いますが)、既に医学生や研修医などが陪席をするというシステム自体が出来上がっているので、今さら心理の実習生が入る分には大きな違いはないという面もあるかもしれません。
そんなわけで診察の陪席に関しては「(目的を考えると)仕方ない」というのが私の意見です。もちろん、それでも陪席ができないケースというのも色々あるかとは思いますが。
・・・・・・・・・・
本題の「現場実習の意義って何だ?」って辺りにはほとんど触れていないわけですが、やたらと長くなりそうな話なので続きはまた後日。
かなり大事な話だと思うので既にコメントいただいた方からさらなるご意見、またその他の方からのご意見、いただけたらと思います。
てか、実習を受ける側の方の意見なんかも聞いてみたいなあと思ったり。

そして1日1回クリックしていただき、順位確認後戻ってきていただけると大変うれしゅうございます学問・科学ランキング

2008/07/28 | 臨床心理学

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  1. 「「おっしゃる通り」とおっしゃいますが、私どこかで「病院で実習を受けるべきではない」と言いましたっけ?私はそうは思っていないので、多分どこでもそういうことは言ってないと思いますよ。」
    の部分ですが,どうやら私はkindさんに対するリコメントで,ロテ職人さんが
    「貴重な体験だし、それが能力向上に繋がるというのもわかりますが、患者第一に考えるとなぁ…って感じです。
    ただ、そういうことを言っていると実習なんて受け入れられなくなってしまうというのもまた事実だったりするのですが」
    と言っている部分を拡大解釈してしまったようです。すみません。
    ところで,ロテ職人さんの気になる点の,
    「得るものよりも患者さんの負担の方が大きく感じたということでしょうか」
    ですが,よくよく考えてみると,確かにこれは,倫理的に考えると天秤にかけるようなことではないかもしれません。
    なので,そもそもが,他者とのつながりにしんどさを持っている患者さん達と実習生が負担を極力軽減させた上で関わるとなると,さらっと見学する程度になるような気がします。事実,そういう大学院もあるようですが,学生の立場としては,「見るだけってのもなぁ」という意見があるようです。反対に,実習という形で長期的に病院なりクリニックなりに入り込んで,予診をとらせたりするような所もあるようで,そのあたりは,様々みたいですね。
    とはいえ,現場実習の本質的な性質が,臨床現場において学生に何らかの知識なり体験なりをしてもらうというものと考えるならば,「これらなら患者さんの負担が少ないだろう」こととして,学生と患者さんとが関わりを持つ事そのものは,結局のところ,患者さんと関わる事を通して学生が得る事とそれに対する患者さんへの負担を天秤にかけている事に他ならないようにも思いますが・・・。
    「現場実習の意義」となると,現場と非現場の決定的な違いは単純に,患者さんがいるか,いないかということに関わる問題だと思います。
    実際に,私も検査のロールプレイはやっているものの,(これは単なる経験と力量不足なだけなのかもしれませんが・・・)患者さんを演じる人の検査を取る事と,実際の患者さんの検査をとることでは,どれだけ真剣にロールプレイをやっても,やはり違うように思います。特に,僕のようなペーペーでは,検査を取る事よりも患者さんになりきる事の方が難しいと思いますし・・・。という意味で,実際の患者さんの疾患特性などを学ぶという点でも検査を見学して頂く事は意味のあることだとは思うのですが(ただ,そうなると,患者さんへの負担についてどうするのかという問題にまた戻ってしまいますが・・・)。


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