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心理臨床家の養成における「現場実習の意義」についてさらに考えてみる

過去ログ
大学院生の実習で心理検査の陪席させる?(08/06/26)
現場実習における心理検査への陪席の問題について論じつつ「現場実習の意義って何だ?」ってことをもう一度考えてみる(08/07/28)
の続き。未読の方はまずはそちらから。
あ、ここで言うところの「現場実習」の「現場」はあくまでも医療領域限定ってことで。つか、私自身の学生時代のことを振り返ってみると、医療以外の領域に関しては矯正関係にちょこっと見学にいったくらいで、教育関係は全く知らないですので。その辺をご了承いただけたらと。
前のエントリでぐっちょんさんからまたまたコメントいただきましたので、コメントレスなどもしつつ…。

そもそもが,他者とのつながりにしんどさを持っている患者さん達と実習生が負担を極力軽減させた上で関わるとなると,さらっと見学する程度になるような気がします。



なんか、だんだん話が拡散している気がするのですが(私だけ?)。心理検査場面に陪席させる話とそれ以外の場面で実習生と患者が関わることは分けて考える必要があると私は思いますよ。
繰り返しになりますが、患者にとって検査を受けることはただでさえ不安を感じさせるものであり、そこに陪席者がいることでひょっとしたら検査結果にも何らかの影響を与える可能性があるかもしれないってところが問題であり。
で、ここで「現場実習の意義」って話になるのですが、結局「何を目的にするのか」ってことだと思うですよ。
ぐっちょんさんは

現場実習の本質的な性質が,臨床現場において学生に何らかの知識なり体験なりをしてもらうというものと考えるならば

とおっしゃっていますが、この「何らかの知識なり体験」ってのが具体的に何を指しているかということですよ。
大学院生の実習で心理検査の陪席させる?のコメント欄でぐっちょんさんは

検査に陪席することで、手引書には載っていないような微妙なコツや検査態度と検査結果の違いなどをナマな感じで実感できたことはとても勉強になったと思っています。

とおっしゃっています。「手引書には載っていないような微妙なコツや、検査態度と検査結果の違いなど」を実習生に教えたいのであれば、それは別に患者相手の検査じゃなくても伝えることはできると思います。別に被検査者に「迫真の患者演技」を求める必要はないでしょう。
そして前のコメントでおっしゃっているような

実際の患者さんの疾患特性などを学ぶという点

を重視するのであれば、それは検査場面を通して行う必要はなく、むしろ予診か初診の陪席、あるいは予診をとってもらうことの方が有効でしょう。わざわざ検査場面じゃなくとも、例えば病棟のデイルームなんかで入院患者と一緒にすごしてもらったり、より参加しやすい集団活動、レクレーションとか作業療法とか集団療法、SSTなんかに入ってもらうのもいいかもしれません。
そういう意味では確かに「天秤にかけてる」とは言えるかもです。
ぶっちゃけ、天秤にかけて(そして私が上で述べているようなことを踏まえた上で)それでも患者が受けるであろう余計な不安よりも実習生が得る利益の方が大事だと思うのであれば、実習生の心理検査場面への陪席はオッケーなんじゃないすか?
私はそうは思わないですし、検査前に「この患者なら大丈夫」って判断はできないので(そしてしたくないので)、今のところは検査への陪席はさせないですけど。
と、あえて「今のところは」と書いたのは今後その考えが変わるかもしれないからです(と、一応予防線は張っておく)。もし陪席することの意義に関して私を納得させるような理由づけができる実習生がいて(いるのか?)、その実習生が希望するのなら陪席させてもいいと思うかもしれません。
・・・・・・・・・・
で、「現場実習の意義」ですよ。

「現場実習の意義」となると,現場と非現場の決定的な違いは単純に,患者さんがいるか,いないかということに関わる問題だと思います。

とぐっちょんさんは前のコメントで書かれておりますが、現場にいるのは患者だけじゃないんですよ。当たり前ですが、医師や看護師やワーカーや医療事務の人なんかの同僚もたくさんいるですよ。
再びぶっちゃけますと、検査の細かいコツなんてのは実際に患者相手に何度かやればわかることもたくさんあるし、また実際にやってみないと身につかないことだと思うです。卒後研修みたいなののシステム化があんまりなされていない現状では、ある程度実施法(もちろん解釈も)マスターした状態で現場に出てもらって、それぞれSV受けるなりしつつ身につけていくことだと思うです。
疾患とかの理解なんかについても同様で、現場に出たら否応無しに患者と関わらなきゃいけないわけで、色んな関わりの中で知識を補足していきゃいいんじゃないすか?
それを踏まえた上で、私の考える「現場実習の意義」ってのは患者や様々な同僚、上司もいるかもしれないし、後輩もいるかもしれないみたいな環境の中で「心理臨床家が働くってのはどういうことなのか」ってのをある程度感じてもらうことなんじゃないかと思うです。
それは別に「仕事のできるかっこいいオレ、すげえワタシ」を見てもらうことではありません。
…そして長くなりましたのでさらに続きます。

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コメント (Close):1

mon-mama 08-08-02 (土) 2:10

実習の意義を、患者さんへの直接的援助技法と、組織の中での働きとに分けるのは賛成です。
とかく面接や検査のテクニックばかりに気をとられてる
プライドの高い実習生に会うと苦い気持ちになります。
心理士の仕事は「関係をつなぐこと」だと思うし、
どちらも満たしてこそ実習の意義なのだと思います。
ですが、それでも検査陪席は必要だと主張したいのです。
それは瑣末な、ロールプレイで補えるじゃん、というものではなく、
1対1場面での検査者の在り方など質的な面を見れるから。
また、実際見た検査の見立てと所見について検査者と討議したり、
そういう経験が一切ないというのは
かなり私にとって違和感というか、想像しがたい。
「自分の知識欲を追求して、患者のことを考えてない」
と言われてもしょうがないのだろうか。
それこそ「目の前の患者さん」への還元と、
「いつか」還元できることを天秤にかけてはいけないと思うのだけど、
どうなんでしょうか。

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