Home > 雑記 > 裁判員制度とか守秘義務とか

裁判員制度とか守秘義務とか

  • 2009-05-19 (火) 18:45
  • 雑記

先日、同僚医師と何かの雑談の流れで裁判員制度の話をしまして。んで結論として、「裁判員制度ってケースカンファレンスに素人が参加するようなもんだよね」ってことになりました。
まあそうですわな。
裁判員制度の主たる目的ってのは「一般の市民の感覚を裁判に反映させること」だそうですが(裁判員制度について検察庁)、本来司法のプロによってなされる判断に、なぜ一般の市民の感覚を反映させる必要があるのかわかりません。イミフです。
プロによってなされるはずの医療における判断に、一般市民の感覚を反映させるなんてあり得ないですよね。それと同じ感じで。
そんなこんなで、裁判員制度に反対する人は多分少なからずいるかと思うのですが、そんな中こんなブログ記事が。
緊急;血の凍るような話が明らかに!八木啓代のひとりごと
ちょっと引用してみますよ。

21日から始まる判員制度では、その裁判員は、その事件の当事者とは無関係でなくてはならない。



「無関係でなくてはならないがために、当然、その事件の当事者が誰であるか知らなくてはならない」というために、この選任手続きにおいて、性暴力事件被害者の氏名が裁判員候補者に開示されてしまうことが明らかになったのだ。



しかも、裁判員に守秘義務はあるが、候補者に守秘義務はない。



すでに裁判を控えている、被害者女性たちはパニックに陥っているという。

あたりまえだ。



それに、こんなことが明らかになれば、レイプ被害を訴えることなどできなくなってしまうだろう。いったい、どんな国だ。

これはひどい。
…てか、やっぱりここでひっかかるのは「守秘義務」の問題。
関連してこんな記事も発見。
【裁判員制度 直前講習】あと2日 「守秘義務」ってなに?MSN産経ニュース
裁判員の守秘義務違反の罰則などについては当該記事を読んでいただけたらと思いますが、問題は守秘義務の範囲。

裁判員が話せるのは公開で行われる法廷での審理についてや、裁判の感想などまで。関係者のプライバシー保護や裁判の公正さの確保、裁判員等の保護などが理由です。

審理の内容については話せるの?確かに審理は公開されているので、話すこと自体は問題ない…んですよね。
法務省のページにも記載があった。
あなたも裁判員!

例えば,公判審理で行われた証人尋問は,普通は,誰でも傍聴できる公開の法廷で行われますので「秘密」ではありません。ですから,こうした内容については,たとえ,他人に話したとしても,守秘義務違反には当たりません。

また,評議の秘密や他人のプライバシーなどを漏らさないように注意してもらえれば,裁判員の職務や実際の裁判制度についての感想を述べることも自由にできるのです。

どうなんすか、これは?
審理の内容は公開されているとは言え、例えば個人がブログなんかでそれこそ面白おかしく書いた場合、これまでと比較して、圧倒的にその情報にアクセスしやすくなる…ってのは問題なんじゃないですかね?
例え個人情報がふせられていたとしても、自分が当事者として関わっている裁判の記録が、公的な書類以外で公表されるってのは単純に嫌じゃないですか?
・・・・・・・・・・
それに加え、これくらいのゆるいー感じの「守秘義務」を、元々素人である裁判員経験者がどの程度守れるもんなんでしょ?
これは心理職も含む話ではありますが、守秘義務を負った専門職であるはずの医療従事者が、個人情報をふせているとは言え(っても、この辺すら限りなくアウトに近い人達もいたりします)、自分のブログで「今日、こんな患者がいたお」とか書いちゃってるわけじゃないですか。
明後日21日から裁判員制度開始です。実際始まったら、どうなるんでしょう?特にネット界隈の動きには注目です。
個人的には、「犯罪自慢」のメッカであるところのmixiなんかは要チェックや!って感じがします。

ついでにクリックして順位確認後に戻ってきていただけると大変うれしゅうございます学問・科学ランキング

ランキング参加中!クリックお願いします→人気ブログランキングへ にほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ

コメント (Close):1

ダノン  09-05-20 (水) 7:15

 ちょっと話題はずれますが、裁判員制度によって精神鑑定の資料も簡略化され、裁判員にも分かりやすいものになります。
 これって鑑定にかかわる臨床心理士にも無縁なことではなくて、心神喪失、あるいは心神耗弱かどうかの難しい判断を迫られるようなケースでさえも簡略化されることで非常に簡単なストーリーに当てはめられてしまう可能性があります。
 特に重大犯罪における心神喪失・心神耗弱については市民感情として理解しにくいのは必死で、今後の精神鑑定についても考えなくてはいけない事態になるのではないかなと思います。

Home > 雑記 > 裁判員制度とか守秘義務とか

ブログ内検索
RSS 臨床心理学ニュース
2011年売れ筋ランキング
Amazon.co.jp 経由で購入可能です

第 1 位

精神科臨床における心理アセスメント入門

津川 律子

精神科臨床における心理アセスメント入門

昨年に引き続き第1位獲得。単なる所見の書き方とは一線を画したアセスメントがらみの本。精神科臨床に携わる人だけではなく、どんな分野においても言える内容が盛りだくさんな一冊かと。筆者の豊富な臨床実践に根ざした良書という感じ。

第 2 位

発達障害とパーソナリティ障害―新たなる邂逅 (現代のエスプリ no. 527)

石川 元 (編集)

やっぱり発達障害関連本は強い。こちらは特に精神病理学の観点から語られており、興味深いです。Amazon.co.jpではプレミア価格がついてしまっているのが残念。

第 3 位

日本版WAIS‐3の解釈事例と臨床研究

藤田 和弘 (編集), 大六 一志 (編集), 山中 克夫 (編集), 前川 久男 (編集)

WAISを使う全ての人に

第 4 位

心理学の「現在」がわかるブックガイド

越智啓太(著) 徳田英次(著) 荷方邦夫(著) 望月聡(著) 服部環(著・監修)

個人的には学部生、特に1・2年の時に読んでおいて欲しい本。この中から将来に繋がる分野が見つかったりすることもあるんじゃないかと思います。もちろん一般の方や大学院生にもお勧めです

第 5 位

面接法

熊倉 伸宏

面接法

面接法の基礎が書かれている本。精神科の研修医も必携の本だったりします。非常に基礎的かつ実践的な内容でお薦めです。

第 6 位

こころの治療薬ハンドブック 第7版

山口登 (編集), 酒井隆 (編集), 宮本聖也 (編集), 吉尾隆 (編集), 諸川由美代 (編集)

こころの治療薬ハンドブック 第7版

何度でも言いますが薬の知識は必要です。てか、学校臨床専門の人も必須だと思います。院生も実習の段階で持っていた方が良い本。

第 7 位

エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方

Elizabeth O. Lichtenberger

エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方

需要の高いアセスメントがらみの一冊。訳本ではありますが、所見の書き方の実例が載ってて参考になること間違いなし。

第 8 位

女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

山下 吏良

女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記

少なくとも臨床心理職の職域が拡大されつつあり、それと同時にそれなりに認められつつあるのだろうなぁと思わされる一冊。未読なので感想は言えませんが、読んでみたいとは思っておりますです。

第 9 位

子どもの心と学校臨床(第2号)特集:学校の中の発達障害の子ども:クラスに発達障害のある子もいるというあたりまえの現実の中で

辻井 正次(著・編集)

昨年もお世話になりました、遠見書房さんの雑誌。小学生の子どもを持つ親として個人的にも読みたい一冊。

第 9 位

新・臨床心理士になるために[平成23年版]

(財)日本臨床心理士資格認定協会 (監修, 編集)

資格試験を受ける人には必須の一冊。来年度受験者用も出るかと思いますが早めに準備をしておきたいという方は是非どうぞ
ブログステータス


RSSリーダーで購読する

Google Readerへ追加

Subscribe with livedoor Reader
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ
にほんブログ村



あわせて読みたいブログパーツ
フィードメーター - ロテ職人の臨床心理学的Blog

スカウター : ロテ職人の臨床心理学的Blog



ケータイ閲覧用

Return to page top