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【社会・心理的?】統合失調症の社会・心理的アプローチ【心理・社会的?】

学部時代、某大学の福祉学科の学生さんとおつきあいしていたのですが…ってかそれは現在の妻であり、妻は社会福祉士の資格を持っていたりするわけなんですが、その彼女と「心理・社会的」援助というべきなのか、「社会・心理的」援助なのかでもめたことがありました。
今にして思えば、それはよって立つ学問的基盤による差異でしかないのですが、それでもよって立つ基本が違うと似たような職種であったとしても色々違いは生じるのだなあと気づいた次第でありましたよ。
そんなことを思い出したのはこちらの本を読んだからでございました。

やってみよう! 統合失調症者への社会・心理的アプローチ―ソーシャルワーク・福祉の力でどこまで回復できるかやってみよう! 統合失調症者への社会・心理的アプローチ―ソーシャルワーク・福祉の力でどこまで回復できるか
中村正利

遠見書房 2009-05-01
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統合失調症者の陰性症状に効果のあるグループミーティングをし、多くのメンバーを社会復帰に導いている精神保健福祉士による、刺激的な統合失調症への非薬物療法的アプローチのすすめです。もちろん、生物学的治療をまったく無視するわけではないですが、社会・心理療法を並行すれば、より実際的な「治癒」が進むはずです。本書では、その理念と理論と実際のところを詳述しました。



統合失調症では一生薬物を飲み続ける必要があるとされますが、H・S・サリバンの時代には、エビデンスのある精神病薬もないのに、初発の緊張性統合失調症において6~7割におよぶ治癒率を達成しています。なぜか?──というところから、本書のアイデアは始まっており、さまざまな治療の歴史を振り返りつつ、人と人がかかわるという単純な社会・心理的アプローチでどれだけの治癒ができるのかということを模索しています。



本書には、デイケアを運営する精神科医やPSW、心理療法家の方々にとって、とても強烈なメッセージが詰まっており、統合失調症を援助する方たちの必読書と言えるものです。臨床や人間の可能性を信じている方にはぜひ読んでほしい一冊です。

遠見書房 図書目録より)


ってなわけで、幅広い職種に向けて書かれた本だと思います。デイケアに関わっている方には激レコメンです。というか、精神医療に携わっている方には是非読んでいただきたいと思う部分がたくさんありましたよ。
まず、個人的に興味深かったのが第1章で「統合失調症とは何か」について論じているのですが、それが「ソーシャルワーク」という視点からであるということでした。「治る」とはどういうことか、そして統合失調症者の「ニーズ」を理解するってことについては、現在デイケアに関わっていないワタクシにとっても非常に参考になりましたです。
あと第4章「事例で描く社会・心理的アプローチ」では、いきなり「スタッフの資質」について触れられております。具体的内容に関しては本書を参照いただけたらと思いますが、最近、集団精神療法におけるアフターミーティング(振り返りの時間)の重要性については色々と考えているところもあったりして(まあ、既に色んなところで論じられてはいるテーマですが)、援助者自身の問題を克服する方法は興味深く読ませていただきました。
その辺を踏まえた上で同じ著者による

精神障害者を支えるグループミーティングのメソッド―作業所・デイケアでスタッフのできること精神障害者を支えるグループミーティングのメソッド―作業所・デイケアでスタッフのできること
中村 正利

金剛出版 2007-02
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これ、読んでみたくなりました。
著者の中村氏は「社会・心理的」という言葉について本書の冒頭で以下のように述べております。

本書では「社会・心理的」立場などと表現しているが、通常言われる「心理・社会的」と変わりない。著者の出自がソーシャルワーカーであるので社会を先にさせてもらっただけである。

どうなんすかね?ワタクシ的にはやっぱり違うというか、職種において元々の重みづけは違いますが、それぞれの職種が場合によって「心理」に重きを置くか、「社会」に重きを置くかとバランスを取りながら援助を進めていく…みたいなのが今の私の中でのイメージです(ってことは将来的にはまた考え方は変わるかもしれないってことで)。
で、「社会」に重きを置く際に、この本に書かれていることは大変参考になるのではないかと思いますよ。
ってなわけで、興味のある方どぞーです。

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コメント (Close):1

ちゃんま 09-05-29 (金) 2:19

社会-心理の二項対立が学問ベースではどんどん無効化されていきそうな今後、職能領域での対立(あるいは差異)というのは、どの程度残っていき、どの程度意味あるものであり続けるのでしょうかね。
通りすがりに、失礼しました。

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