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国家資格に向けての布石としての心理学検定なんじゃないすか?

つなでさんこと今井たよか氏のブログ、臨床心理職能メモと、Tominaga,Yさんこと兵庫教育大学の冨永良喜氏のブログ、ストレスマネジメントとトラウマにて、心理職の国家資格化がらみで日本人間性心理学会のニュースレターNo.65の九州大学野島一彦氏の文章に言及がなされております。
国家資格化への新たな動き臨床心理職能メモ
臨床心理職の国家資格化の新たな動きストレスマネジメントとトラウマ
心理職の国家資格化をめぐる最近の動向 理事長 野島一彦(九州大学)日本人間性心理学会ニュースレター No.65
で、上記リンク先をご覧いただければわかるかと思いますが、今のところの(というか多分今後もそうだと思いますが)全体の流れとしては「1資格1法案」という形になっているようです。んでもって、明日、6月7日に日本心理学諸学会連合の理事会が開催され、今後の動きが具体化していくかも…というところらしいです。
さて、以下は学会の偉い人でも何でもない一個人の勝手な意見であるって辺りを踏まえた上でお読みください。お読みいただいた上で、おかしなところがあれば遠慮なくツッコんでください。こちらから応答するかもしれませんし、しないかもしれませんが、その辺はまああまり期待しないでいただけたらと。


多分、多分ですよ。このままの流れで1資格1法案という形で国家資格化がなされたとしても、恐らくユーザーにとっては大した利益はもたらさないんじゃないでしょうか。
このエントリのタイトルにも書いたように、日本心理学諸学会連合が作った「心理学検定」ってのは、国家資格に向けての一つの布石なんじゃないですか?
日心連のサイトトップにこんなことが書かれておりますよ。
日本心理学諸学会連合よりコピペ引用。

すでに、法学や経済学においては、検定制度が発足しており、学歴を問わず、客観テストによる学力判定を行うしくみができています。心理学も、これにならって、心理学として標準的な知識とその水準を明らかにして、検定制度を実施することになりました。40もの心理学系の学会が所属する日心連にふさわしい事業といえるでしょう。

すでに、法学や経済学においては、検定制度が発足しており、学歴を問わず、客観テストによる学力判定を行うしくみができています。心理学も、これにならって、心理学として標準的な知識とその水準を明らかにして、検定制度を実施することになりました。40もの心理学系の学会が所属する日心連にふさわしい事業といえるでしょう。

ってことで、心理学検定の制度ってのは学部卒程度の心理学の標準的な知識を測定するための素敵な客観テストなわけじゃないですか。
冨永氏言うところの

基礎心理学と臨床心理学、行動論的アプローチと力動論的アプローチといった対立の軸を超えて、いまの日本に必要な施策を展開することを決断してほしい。

基礎か臨床か、行動論か力動論か、という対立の時代は終わった。

って辺りをある意味実現した、まさに理想の検定であると言っていいでしょう。
あ、ちなみにワタクシの中では最初から基礎と臨床の垣根ってあんまないように思ってますし(ワタクシの中ではですよ。過去ログにもそういうの書いてあります→「基礎系」と「臨床系」の対立って存在すんの?都市伝説なんじゃね?(07/11/30))、行動論と力動論の対立みたいなものもくだらねえと思っております(つか、そういう対立構造自体が時代遅れも甚だしい)。
さて、その上で日心連が制定した「心理学検定」レベルの国家資格が仮に出来たとして、ユーザーに対してはどの程度利益をもたらすんでしょうね?
いや、臨床領域以外であれば…多少の利益はあるかもしれません。心理学検定の説明にあるように

公的機関や企業では、心理学的専門知識・能力の証明として利用することができる。

というくらいの意味で。
でも、それが臨床領域において、例えば今井さんがおっしゃるような

「この資格の人なら、一定の技術・知識・倫理のトレーニングができている」ということで、必要な職場に信頼感と安定感を持って送り出せるようなシステムの構築

に繋がるとは到底思えないんですよねえ。
その辺を踏まえて、野島氏が述べているところの

3)一資格一法案として学部卒と大学院修了の2種類の資格とする

本学会の常任理事会では、緊急にメール会議を行い、3)を支持することにしました。

ってところになってくるんだと思いますが、学部卒よりも当然専門性が高くなると思われる大学院修了レベルの上位資格って臨床系だけのものになるんですか?それだと、もし「基礎系」と「臨床系」の対立構造が存在するのだとしたら、その辺の解消にはならないんじゃないですか?
で、仮に上位資格の方を各専門分野毎に作るとしたら、それこそ現在の状況、それぞれの学会認定資格が混在している状況と全く変わらないでしょう。
…これが「1資格1法案」ですか?
本来は国家資格化ってのは「手段」だと思うんです。どうやって質の高いサービスを心理学が提供できるかという手段じゃないかと思うです。でも、こうなってくると完全に国家資格化が「目的」になっちゃってますよね。
なんかもうそれでいいんじゃないですか?
国家資格化を「手段」ととらえ、本気で役に立つ資格を作ろうと思ったら、多分もうまとまらないです。少なくとも私はどういう形でまとめれば関係者全員が納得するのか見当もつきません。そういう形での落としどころがどこにあるのかわかる人いたら是非教えてください。対立構造(笑)が解消される形で。
国家資格化が実現するとしたら、もうそれを「目的」とするしか方法がないように思います。
あとはあれじゃないですか。なんか適当ないい感じの言葉で煮しめてやりゃあいいんじゃないですか(そういうの得意な人、多いでしょ?)。
資格が出来ちゃえば、それなりには機能するでしょう。逆に言えば、それなりに「しか」機能しないのかもしれませんが。
この辺を落としどころとしない限り、もう選択肢はないように思う今日この頃であり、この私の予想が外れることを心から願う次第なのでございます。
明日のお話合いの結果が公表されるのはいつ頃なんでしょうかねえ。どんな流れになるか楽しみだなあ(棒読みで)。

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コメント (Close):2

AFCP 09-06-07 (日) 18:38

>大学院修了レベルの上位資格って臨床系だけのものになるんですか?
確かに非臨床系の上位資格というのは、想像しにくいですね。何のために作るか、という感じでもありますし。非臨床系であれば、修士号と博士号でよいような気がします。
自分は基礎系の人たちの求めているものは、臨床系の人たちにも基礎的な心理学の素養を身につけて欲しいということであると理解していました(アカポスよこせというのも含めてでしょうが(笑))。そうした意味では基礎になる資格を共通のものにすることだけでも、充分に「解消」に近づけるような気がします。
>国家資格化が実現するとしたら、もうそれを「目的」とするしか方法がないように思います。
小さく産んで大きく育てる…ということになるでしょうか。なんにせよ前向きな動きが出てきているのは、とても楽しみです。

つなで 09-06-08 (月) 22:39

ロテ職人さん
ご意見ありがとうございます。「ひとつの資格」ということで、そういう推測があるのはもっともなことだと思います。
まだどんな資格になるのかは、これから検討される段階ですが、「2資格1法案」をもとにした「ひとつの資格」ということです。
学部4年と修士2年を何らかの形で連動させて、医学部6年に近い形の、実習等をしっかり盛り込んだ資格にできることが望ましいと思っています。

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