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足利事件の精神鑑定に対する日垣隆氏の意見

公開日: : 臨床心理学

最近、一般の雑誌を買うなんて滅多になかったのですが、昨日、ふと思い立って買ったのがこちら。
gendaimokuji090708.jpg
週刊現代Online
http://online.wgen.jp/
週刊現代七月十八日号です。
購入する雑誌は別に何でもよくて、PCを使えない状況で単純に時間をつぶすアイテムが欲しかったのです。実際読んでみたら「まあ読むとこねえなぁ…」なんて思っていたのですが、その記事の一つが注目すべき内容でした。
作家でありノンフィクションライターである日垣隆氏による、『なんなんだこの空気は メディア考現学』の新連載第1回。テーマは「足利事件で忘れられた精神鑑定書の罪」です。
そう。当ブログの09/06/08のエントリ、福島章氏が足利事件の精神鑑定録音テープを破棄した件でも取りあげた、福島章氏による精神鑑定の件ですよ。
ちょっと長いですが、該当部分を引用しますよ(読みやすいように段落頭は1文字詰め、段落間は1行空けてます)。

■精神鑑定界の超有名人■



福島章氏といえば、精神鑑定人として日本で最も有名な人物である。彼は、54ページに及ぶ「菅家利和精神状態鑑定書」で、菅家さんをロリコンに仕立てるべく、さまざまな歪曲を試みている。



菅家さんは幼稚園のバスの運転手をしていたのだが、何のトラブルも怪しい行動もまったくなかったにもかかわらず、福島鑑定人は《バスに乗り込む園児と顔中笑みを浮かべて遊び、すごくねちこい印象で、童話「赤頭巾」の狼を連想させた。子供たちも「変なおじさん」とさわいだ……》。



志村けんが演じる「変なおじさん」はテレビで1987年11月から登場して人気を博していた。足利事件の発生は1990年5月だ。園児たちが言う「変なおじさん」は人気の証であって、変質者やロリコン趣味とはまったく意味が異なる。にもかかわらず、福島鑑定人は被告人(当時)に「誘拐したときはいたずらをするつもりだったろう?」と問い詰め、ごく普通の性癖を並べたてたうえで唐突に《被告人の性にかかわる医学的診断は「性障害」である》、さらには何の根拠もなしに《小児性愛者》だと断じてしまう。

…なんというか、一読した限りでは「非常にうさんくさい鑑定だ」という感想しか出てこないっすね。
ワタクシ的に興味があるのはこの鑑定に心理アセスメントがどの程度利用されているかなんですが…なんか心理検査とかやったのかな?
検査自体の妥当性の話はとりあえず棚上げして(ホントは棚上げできない問題なんだけど、とりあえずこの文脈においては…です)、心理検査などをやっていてそれが福島氏の主張を支持するような内容ならば「何の根拠もなしに」ってことにはならないと思うのですが、どうなのだろう?
いずれにしても、実際に鑑定書の中に明確な根拠が書かれていなかったとしたら、前のエントリで書いたように録音テープがなかったとしても、十分すぎるくらい問題アリアリなのではないかと思うわけです。
そうなってくるとなおさらこの「菅家利和精神状態鑑定書」の現物(もちろんコピーでも可)が閲覧してみたくなります。
刑事事件の裁判資料の閲覧ってどうすりゃできるんですかね?…ってことでググってみた。みつけた。
裁判資料の開示について – みんなの法律相談所

終了した刑事事件の記録は、法律に基づき、裁判の一審を担当した検察庁で保管することになっています。そして、この確定記録は、事件終結後・・・どのくらいか忘れましたすみません・・・破棄される期間でなければ、検察庁の検察官に請求すれば閲覧等することができるはずです。ですから、第一審を担当した検察庁に問い合わせてみてください。

へー…でも、一般人が閲覧するのはやっぱなかなか敷居が高そう。
・・・・・・・・・・
件の日垣氏はこの原稿を以下のように締めております。

そもそも、この鑑定人に依頼したらどんなことを書くかほぼ完全に予想できる、という精神鑑定など科学ではなくイデオロギーというほかない。



福島先生。あなたの辞書に反省という文字はないのですか。

激しく同意。繰り返しますが、「何の根拠もなし」に「断じている」のならば。

そして大変恐縮ではございますが、順位確認後戻ってきていただけるとうれしゅうございますよ学問・科学ランキング

2009/07/08 | 臨床心理学

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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