専門職大学院の内部事情的なことを小耳に挟んだよ

公開日: : 資格問題

えーと、タイトルにもありますように、臨床心理士の専門職大学院の内部事情的なことを小耳に挟みましたのでちょこっと…
あ、一応、ソースは某専門職大学院の某先生なんですが、完全にオフレコトークでしたし、そもそもここに掲載する許可なんぞとっておりませんので…
…ってことで、以下はフィクションです。完全にフィクションです。


本題に入る前にまず「専門職大学院」って何?って人もいるかもしれません。そんな方はとりあえずこちらからどぞー。
専門職大学院とは(05/09/04)
現在、臨床心理士の専門職大学院(正確には臨床心理学の専門職学位課程?)は全国に5つあります。
関西大学大学院 心理学研究科 心理臨床学専攻
九州大学専門職大学院人間環境学府実践臨床心理学専攻
鹿児島大学院臨床心理学研究科臨床心理学専攻(専門職大学院)
広島国際大学大学院 心理学研究科 実践臨床心理学専攻
帝塚山学院大学大学院 人間科学研究科 臨床心理学専攻[専門職学位課程]
…って5つしかないんじゃ、本人が見たらバレバレじゃん…まあ、あくまでもフィクションですので。
・・・・・・・・・・
とか何とか言いつつ、引っ張ってる割には大したネタじゃないです。
なんかの話の流れで「専門職大学院って実際どうよ?特に修士論文の代わりに課される『ケースレポート』的なものって」って内容になった際、某専門職大学院で教員やってる先生が「まるで教育分析みたい」ってなことをおっしゃっておりました。
どういうことかと言いますと、結局のところ自分の興味がある問題を扱おうとすると、それは自分自身の問題に直結するわけで、特にそれが事例研究(つうか事例報告)であればなおさらその傾向は強まるってことでございますよ。
もちろんそうじゃない学生もいるそうですが、そうなりがちである、と。
前にどこかで書いたような気がしますが、研究の中に自分自身の問題が投影されるというか、もっとダイレクトに自分自身が持っている問題が研究テーマになるってことはありがちなことですし、それ自体は別に問題ないと思うです。逆に基礎研究レベルでそうした問題を扱うとなると、どうしたって相当客観的に、かなり距離をとってその問題を見ていかなきゃいけなくなります。そうじゃないと「研究」として成立しないから。
もちろん研究テーマとして扱うことで、その問題が解決するなんて都合のいいことはなかなか起こらないと思います。まあでも距離がとれるんならそれはそれでいいことなんじゃないでしょうかねえ。「研究することで問題は解決する!」みたいな変な期待さえ持ってなけりゃ。
大体、がっつり研究していこうと思ったらモチベーションを保つのは相当大変なわけで、そんな中で自分自身の問題であればそりゃあ興味も持てるだろうし、モチベーションも保てるだろうってもんですよ。
で問題なのは、今さらワタクシが言うようなことではありませんが、治療者側、カウンセラー側の問題がその臨床実践の中に持ち込まれるということですよ。その辺は逆転移という文脈でもう散々色んなところで述べられておりますので詳しくは割愛いたしますが、ここで前に述べた「まるで教育分析みたい」発言ですよ。
「教育分析みたい」っても、ガッツリ教育分析やってるわけじゃないわけで、それで「自分の問題から距離をとれ」って方が無理な話ですわな。場合によっては、その後の臨床実践に思いっきりその問題が持ち込まれたりするんじゃないすかね?
…やっぱ専門職大学院こえーよ。やっぱ修士論文をちゃんと書かせた方がいいと思うっすよ。
この辺はもう過去ログの
専門職大学院=臨床心理士の質の決定的な低下~こんな大学院はダメダメだ!Vol4(05/09/03)
辺りで危惧してたことが現実化してきてるってことだと思うわけですが。
…で、何でこのエントリのカテゴリが「4資格問題」になっているのか?ってことなのですが(つか、気づいてた人いました?)、さあ、今年の日心臨の資格関連のシンポジウムでのO塚御大のお話を思い出してみましょうよ。
【日心臨09参加記録】資格関連委員会企画シンポジウム『国資格問題について』その4(09/10/01)

大塚氏の話のポイントは、専門職大学院における専門職学位課程を今後の資格制度にどのように生かしていくか…ってところにまずあったようで。これは既に法律で認められているわけで、それが国家資格になったからと言って全くなくなることはない!…みたいな?

現在、国家資格化の話が現実的なレベルで進んでいる中で、こんなアレ感漂う臨床心理学の専門職大学院の制度にこだわってたりすると、それは国家資格化を阻害する要因になってくるんじゃねーかと思ったりするわけです。
阻害する要因にならず、むしろ存続、いや積極的に増やしていく方向で…なんて話になったりすると、もっとヤヴァイ感じになってくるんじゃねーかと。
研究もまともにできない、その上自分自身の問題を客観化できてないような「国家資格有した心理臨床家」が増えてくるわけですよ。すげえ恐くねえっすか?
少なくともそんな方向にはなっていかないだろうと希望的観測を持っているワタクシなのですが、今後もこの専門職大学院の話題は追っていきたいと思う次第でありますよ。なんつーか、国家資格化の中で専門職大学院は「鬼っ子」になっていきそうな感じがするですよね。
皆さんはどう思われますでしょうか?コメントいただけたりするとありがたい。特に内部の人からのご意見はうかがいたいかもです。

そして順位確認後に戻ってきていだけると大変うれしゅうございます学問・科学ランキング

2009/12/01 | 資格問題

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コメント/トラックバック (2件)

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  1. 私の知り合いが、専門職大学院で准教授やってます。5つの中でダントツまともと思われるあの大学です。この人、学位はもちろんないですけど業績も出身大学の紀要とか文献レビュー以外、いっこもありません。つまり、研究らしい研究を一度もしたことない人です。かといって臨床がうまいのかどうかはよく知らないんですが。研究業績ゼロで宮廷(あ、言っちゃった)の准教授なんてアリ?と思ったんですが、ロテさんの記事を読んでなるほどなと思いました。まあ、鬼っ子という意見には同意です。

  2.  私も某国立大学で,博士号なし・審査付き論文なしで准教授やっている方を知っています。
     大学教員である以上,「博士号や審査付き論文のあるなしで研究能力は測れない」という言いぐさはなしにしてほしいです。
     確かに実技のある分野ではこれを評価し,実技のない分野よりも少なめの業績でポストに就けることは行われています。だから,臨床系の方が例えば実験系の方よりも少なめの研究業績でポストに就くことを問題視するつもりはありませんが,やはり限度があるでしょう。
     研究能力を客観的に証明していない教員を雇用し,修士論文を課さない専門職大学院は,下手をすると大学院という名の専門学校になってしまいます。


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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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