大野博之著『心理療法のためのリラクセイション入門 主動型リラクセイション療法《サート》への招待』

のっけから私事で大変恐縮なのですが、ワタクシの妻はこれがもう大変な肩こり持ちでして、私の休みの日の夜は決まって肩もみの時間を作るようにしております。まあ、普段から色々と迷惑をかけてるし、それくらいはしないとなあ的な感じなのですが…でも、もみ方は完全に自己流ですし、妻も気持ちいいとは言うものの「本当にこれでいいのか?」的なのはずっとあったわけです。

そんなおり「いつもホントお世話になっております」な遠見書房さんから新刊をご恵送いただきましたです。

それがこちら。

「動作法」のセラピストとして名高い著者が多くの臨床経験の後にたどりつき,開発したリラクセイション法「主動型リラクセイション療法(サート:SART)」を詳解した1冊。クライエントひとりでも施行可能で,こころとからだをつなぐワザが,それらの動作課題のイラストと丁寧に解説した文章で,だれでもわかる! だれでもできる!

Amazonさんに表紙画像がなかったんで、出版社のページからもってきたらやたら大きくなってしまった…。

出版社の紹介ページはこちら。

『心理療法のためのリラクセイション入門』──主動型リラクセイション療法《サート》への招待遠見書房

あと、遠見書房主のブログにも記事が。

【新刊】ささっと「サート」の本遠見書房 発行人ブログ「チラ裏」


私は不勉強で著者に関しては全く知らないふとどき者なわけですが、著者の大野氏は九大名誉教授であり、あの成瀬悟策氏の弟子筋に当たる方なのだそうな。冒頭に掲載されている成瀬氏の「推薦の辞」によると、成瀬氏が九大に赴任してから指導することになった最初の学生であるとのこと。

動作法の流れなわけですね。

で、タイトルにもある「サート」とは「主動型リラクセイション療法(Self-Active Relaxation Therapy)」の略でSARTである、と。

「はじめに」よりさらに引用

従来のリラクセイションは“力を抜く”、“沈静する”、“休止(静止)する”ことを重視し、「緊張」から「弛緩」の方向へと進めることを基本として捉えていた。それに対し、サートは「緊張」と「弛緩」をコインの表と裏のように対を成すものとして捉え、「適度緊張-適度弛緩」のバランスのよい状態および動きのコントロールを重視し、自己活性化や積極的な自己変革を目指すリラクセイション療法である。その手続きにおいて最も重要な手がかりとなるのは、リラクセイションに取り組む「当人」の「主動」である。

ふむ。

この「主動」こそが様々な意味からこのサートの肝である…という辺りは実際に本書を読んでいただければと思いますが、これはなかなか使い勝手の良い方法なんじゃないかと思います。

そしてこの本では、多くの動作課題が採り上げられておりますが、詳細なイラストと文章で解説がなされており、セラピストと2人でも、あるいはクライエントが1人でも施行可能な構成になっております。

私がやっているような枠組みで利用していくのはちょっと難しいかもしれませんが、子どもを対象とする治療者にとってはかなり使える局面は多いような気がします。実際、「第III部 サートの実践」ではサートを使ったいくつかの事例が紹介されておりますが、その中には「0歳の脳に損傷のある肢体不自由児」から「サートを用いて過敏性腸症候群の症状が改善した男子高校生の事例」「受験不安を抱える吃音症の青年の事例」、さらにはうつ症状から子育て支援まで、幅広い領域でのサートの利用に言及されておりますよ。

文章も読みやすいですし、こうしたアプローチに興味がある方であれば「買い」じゃないですかね。

よろしければポチっとどぞー。そして私も妻に使ってみようかな~。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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