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【教科書に】『コーレイ教授の統合的カウンセリングの技術――理論と実践』第2版【最適】

公開日: : 心理・精神医学本

ちょっと面白そうな本を見つけましたよ。こちら。

読者自身のカウンセリング実践の概念化と、カウンセリングの理論を明確化し、クライエントが何を考え、何を感じ、そして何をしているかに注意を向ける、実践的な統合的カウンセリングアプローチの重要性をわかりやすく説明する。ルースという名のクライエントとのカウンセリング状況を通じて、理論的かつ実践的な統合的カウンセリングを学習できる。

出版社の紹介ページはこちら。目次なんかも載ってます。

ジェラルド・コーレイ 著『コーレイ教授の統合的カウンセリングの技術 理論と実践[第2版]』 – 金子書房

どんなコンセプトの本かは、監訳者の書いたあとがきを読めばよくわかります。

一部引用しますよ。

 私はカウンセリングを教える立場になって、いつもテキストをどうするか迷っていました。

臨床家としての様々に異なる資質や動機、経歴を持って臨床心理士を目指すために入学してきた方が、系統的に公平な視点から自分に合った理論を学べる本がほしいといつも思っていました。日本には個々のテーマには興味深いすぐれた本がたくさんあり、読み物としては面白いのですが、系統的に学習するには単発であり、包括的でなく、また初心者が臨床心理学全体を学ぶには一貫性に欠ける不便さがあると思いました。テーマを包括的に扱っている大部の本でも、個々のテーマの執筆者が異なると全体として統一性がないという場合もあります。

で、この本は…

ケースの出会いから終結までの時間経過に沿って、統合的立場から、しかもそれぞれの経過段階でのカウンセリング過程に役立つ様々な学派の理論と実践の学び方と文献が公平に引用されて書かれています。

ということで、これはもう完全に「教科書」「テキスト」として使うことを意識して書かれた一冊であることがわかります。

さらに、この本に関しましては別売りのDVDもありまして。

テキストで描かれたケースの実際のセッションを見ることができるわけです。

YouTubeに紹介映像がありますよ。

「教科書」「テキスト」とは言っても、完全初学者向けというよりは、臨床の志向性というかオリエンテーション(力動的うんちゃらとか認知行動なんちゃらとか)をそれなりに持っていて、ある程度実践経験もある人でないと、実際のところを一人で読んで理解するのはなかなか難しそうな感じがします。というか、序論のところに書かれてましたので引用。

本書では、あなたが以下のようなカウンセリング実践にかかわる主たる理論体系のいくつかの基本的概念に熟知していることを仮定しています。精神分析療法、アドラー派療法、実存療法、パーソンセンタード療法、ゲシュタルト療法、サイコドラマ、再決断療法、現実療法、行動療法、認知行動療法、解決志向短期療法、ナラティブ療法、フェミニスト療法、家族システム療法。

…なんでもオッケーって感じではありますが「熟知」ですから。となると、かなり対象は限定されそうな気もしますが、そのためのDVDなわけですよね。「教科書」として使うとしたら、あるいは勉強会の資料として使ったりするにしても、やはり補助教材としてDVDはあった方がいいかもです。

わたくし個人としては、臨床実践は一応力動的な理論をベースにやっているわけですが、やはりケース毎、あるいはセッションの局面毎での対応において色んな理論を参照しているというのが現実的なところです。

著者は「統合理論的アプローチ」についてこう書いております。

私はカウンセリングに対する統合的アプローチを、理論に根拠を持ち、他のアプローチから借用したテクニックを使用し、クライエントの独特な要求に応じて仕立てられたものと定義しています。

この感じはまさに私がやりたいと思っていることと合致しますし、様々なオリエンテーションを持った多くの臨床家が実際に行っていることとも合致するのではないかと思います。

そんなわけで、初学者には教科書(授業・講義で使われるもの)として、そしてそれなりのキャリアを持った方には自分の技術をブラッシュアップするための参考として、多くの方のお役に立つ一冊なのではないかと思います。個人的には載せられている参考文献が豊富なのが良い感じですし、さらに「推奨する本」が挙げられているのは便利なのではないかと思ったり。

興味のある方は是非ポチっとどぞー。

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