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「心理師」と「心理士」の違いって?―精神科七者懇談会の「心理職の国家資格化に関する見解」から

ちょっと前の話になりますが、国家資格がらみでちょっとした動きがありました。

精神科七者懇談会が3月21日づけで「心理職の国家資格化に関する見解」という文章を臨床心理職国家資格推進連絡協議会宛てに送付したそうな。

精神科七者懇談会総会「心理職の国家資格化に関する見解」のお知らせ一般社団法人 日本心理臨床学会

詳細な内容につきましては上記リンク先のPDFをご覧いただければと思います。

さて「精神科七者懇談会」と言えば、2005年のいわゆる「二資格一法案」での法案提出に向けた件で「緊急声明」を出し、強く反対の意を示した団体でありました。

詳しくはこちらをどうぞ。

医療心理師と臨床心理士 精神科七者懇談会からの緊急声明(afcpさんの旧ブログ A Forward-looking Child Psychiatristより 現行ブログはこちら→
A Fickle Child Psychiatrist

現在の国家資格化の動きの中で精神科七者懇談会は、国家資格化を推進するいわゆる「三団体」の一つ、医療心理師国家資格制度推進協議会に属しているわけで、2005年当時のような調整不足が生じる可能性も今のところなさそうです。

この「心理職の国家資格化に関する見解」に関して、日本心理臨床学会資格関連委員会が5月1日づけで出した文章「心理職の国家資格化関連の動きに関するお知らせ―その 2」の中で解説を加えております。そちらを読むとよりいっそう上記「見解」が分かりやすくなるので見ていきましょうか。

心理職の国家資格化関連の動きに関するお知らせ―その 2(※pdf注意)一般社団法人 日本心理臨床学会

「5.教育研修体制については、学部教育において心理学、医療関連科目に関して、適切なカリキュラムが実施される必要がある。また、卒前卒後、国家資格取得後の研修体制を整備する必要がある。」の部分については、学部教育のみではないことを説明しておく必要があるが、見解として参考にさせて頂く旨返答することで、了承されました。

確かに「要願書」の「5. 受験資格」には「①学部で心理学を修めて卒業し、大学院修士課程ないし大学院専門職学位課程で業務内容に関わる心理学関連科目等を修め修了した者。②学部で心理学を修めて卒業し、業務内容に関わる施設において数年間の実務経験をした者も受験できる。」と書かれています。「学部教育のみ」ではないですね。

心理職者に国家資格を 『心理師(仮称)』の国家資格制度を創設して下さい日本心理学諸学会連合

「1、医療分野における医師との関係については、心理相談等の多くは医行為に含まれるので医師の指示を受けることとする。」の文言に関しましては

(中略)

医療提供施設以外の場所での指示に拡がることを懸念する声があるようですが、医療提供施設以外での医師の指示は法律的にも、また他職種の活動状況(心理相談はソーシャルワーカー、保健師・看護師等も行っている)から見ても、実際上はむしろ「4.教育・産業等の分野における医療との関係については、精神・身体疾患の有無の判断と責任のあり方について明確にする必要がある。すなわち相談者が現に疾病に罹患して主治医が存在する場合には連携・協働して当たることが必要である。他の医療職種についても連携のあり方を協議する必要がある。」と述べられているように、連携・協議の事項として受け止めることが妥当と考えられます。

ここもクリアですね。既に議論されている部分だと思います。

「3.心理的行為は医行為と峻別できない部分が多く、また名称独占の業務となっているので、医療機関としての開業権は認めることは出来ない。」につきましては、医療機関としての開業権は三団体の要望においても主張されておりません。医療機関としてではない私設相談機関としての開設は現在と同様にできます。

この点「意見書」を読んだ際にちょっとひっかかったところだったんですよね。「医師の指示を受けることとする」という文言との関連で。ただ「医療機関としての開業権」の話なので「医療機関としてではない私設相談機関としての開設」ということで、こちらもクリアと。

以上を読む限り、特に医療関係団体との調整もそれなりにうまくいっているのだなあということがわかります。

ただ一点。上記「お知らせ」では触れられていないこの部分。

6. 「心理師」の表記については、「師」ではなく、「士」が必要である。

これ、どういうことなんでしょ?言及されているのはこの部分のみであり、その意図・理由については明確になっておりません。

いや、個人的には「師」よりは「士」派ではあるんですけど…どなたかこの理由をご存知の方はいらっしゃいますか?教えていただける際にはついでにソースも提示していただけると大変ありがたかったり。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、「平成25年に入り、三団体では、現在行われている第 183 回国会での法案上程を目指して準備を進めています。」とのことですが、実際、どうなりますかね?今後の動きに注目したいと思います。

あと、三団体では現在、「国家資格実現を要望する請願署名活動」を行っているそうな。

『心理師(仮称)』の国家資格創設早期実現に向けての署名運動へのご協力のお願い一般財団法人 日本心理研修センター

上記リンク先から請願書のPDFファイルがダウンロードできますので、ご賛同される方々は是非ともどーぞ。

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