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阿部惠一郎著『バウムテストの読み方―象徴から記号へ』

そういえば、このブログでは全く扱っておりませんでしたが(更新してなかったですからね)先週8月25日(日)〜28日(水)にパシフィコ横浜にて日本心理臨床学会第32回秋季大会が開催されました。このブログを読んでくださってる方々でも、参加された方は結構いらっしゃるのではないかと思います。

当ブログ的には「学会と言えば書籍販売…からの書籍紹介」ということになるわけなのですが、なにしろ私は今年の日心臨は完全スルーでしたので(特に思うところがあってということではなく、単純に日常業務との兼ね合いから欠席した次第)、学会でどんな書籍が売れていたのか人づてにしか聞いておりませんで。ただ、その中でもいくつか私も読んでみたい本があったので知ってる方は既に知っているかと思いますが、ご紹介させていただけたらと思うわけでございます。

そんなわけで、本日ご紹介するのがこちら。

長年、バウムテストを使用し、研究してきた著者による手引書。バウムテストというと、一見「木を描いてもらってそれを解釈するだけ」という単純作業のようだが、「木を描いてもらう」にも「一本の木を描くのか」「複数の木を描くのか」「紙を横にするのか、縦にするのか」などさまざまな描き方がある。いままで、バウムテストの実施方法、サインの読み方には統一されたものがなく、検査者が独自に実施・判断していくしかなかったのだが、それを可能な限り統合し、著者のいままでの経験を含めて説いたものが本書である。肝心な「サインの読み方」についても、検査者の主観を入れず客観的に判断できるよう、随所に検査者の心得がちりばめられている。

さらに、サインを読んだ後、どのように心理査定の報告書を作成するか、またバウムテストを用いたカウンセリング(アートセラピー)にどのように利用できるかについても考察している。巻末には、いままでのバウムテストのサイン対照表を掲載。

本書を精読することで、さまざまな角度からバウムテストの理解を深めることができるだろう。

出版社の紹介ページはこちら。

阿部惠一郎著 バウムテストの読み方 象徴から記号へ金剛出版

はい。バウム本です。

バウムと言えばコッホ。そしてコッホのバウム本と言えばこちらだと思います。

こちら。とても良い本…というかバウム使いならば必携の1冊なんですが、やっぱり気になるのは「日本人のデータに基づいて書かれているわけではない」ってところだったり。

その点、今回ご紹介する『バウムテストの読み方』は日本人の著者の臨床実践及び何人かの日本人バウムテスト研究者の知見を元に描かれているということで、なかなか画期的な一冊なのではないかと思います。

さらに解説の所にも書かれておりますが、描画検査全般で陥りがちな「検査者の主観を入れず」って辺り、さらには「客観的に判断できるよう」「随所に検査者の心得がちりばめられている」という辺りなんかは大変実践的であると言えるのではないかと。

価格的には若干お高いような気もしないでもないですが、それに見合うだけの内容はあるのではないかと思います。特にバウムを中心とした描画検査を使う頻度が高い方におかれましては、是非ともポチっとどぞーな感じでございます。

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