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橘とも子著『トラウマティック・ブレイン―高次脳機能障害と生きる奇跡の医師の物語』

【心理学・精神医学本】の月曜日

13/03/18のエントリ、【似たような本は】関啓子著『「話せない」と言えるまで: 言語聴覚士を襲った高次脳機能障害』【ないですよ】でご紹介したこちら

これは、タイトルにもあるように高次脳機能障害の専門家でもある言語聴覚士の筆者が脳梗塞で倒れてからの体験を綴った一冊でした。

今回ご紹介するのも同じく高次脳機能障害の当事者本でありますが…

16歳の少女は、突然の事故で様々なものを失った。
身体の機能、自分のそして家族の時間。
少女は、「高次脳機能障害&身体障害と共に暮らす」という第二の人生を、早くも16歳で再設計しなければならなくなった。少女は努力で能力を再獲得していく。戻らない能力と共に。
これは「高次脳機能障害&身体障害と共に暮らす」中で、少女が成長し、医師になり、結婚・出産・育児も経験してきた物語。
少女の日常。周囲に誤解され、見えない障害を持つ人々を傷つける言葉、周囲には障害の本質が一向に伝わらない現実。
少女の明るさと強さの裏には「あまりにも痛くて惨めで悔しく怖くて辛い」気持ちや社会の現実が隠されている。
少女の生き様は、同じ境遇にある人やその家族たち、そして、人生を攻略しようと悪戦苦闘している人々に大きな勇気を与えるだろう。
そして、『わかりにくい障害・見えない障害』を受容できる社会を実現するための大きな指針になるはずだ。

「トラウマティック」と言うと、我々の職業的には「心的外傷」を思い浮かべがちですが、こちらは文字通りの「外傷」です。

16歳での不幸な受傷から、40代後半までの長きに渡る人生そのものが綴られている、本当に希有な一冊だと思います。

巻末には第一著者が本書の筆者、第二著者が彼女の夫である論文もそのまま掲載されております。

Tachibana, T., & Tachibana, H. (2012) The Long-Term Spontaneous Course of a Severe Traumatic Brain Injury Incurred at Age 16 by a 47-Year-Old Physician: Investigation into Planning a Long-Term Prognosis Study of Childhood Traumatic Brain Injury. International Medical Journal, 19, 321-328.

Amazonでは「なか見!検索」ができます。

この領域に関わる専門家のみならず、当事者やその家族、あるいは一般の方でも読める本だと思います。

興味のある方は是非ともどうぞ。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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