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続・「臨床心理士」の名称使用制限について。そして「公認心理師」というイケてない名称について

夜の国会議事堂

昨日のエントリ、公認心理師法案に対する各団体の動きと「臨床心理士」の名称使用制限についての続きです。

私の疑問。新潟県臨床心理士会のサイトに「名称の使用制限において類似する名称(臨床心理士もこれに該当します)」と明記されている件で、公認心理師(仮)の法案が通った場合、「臨床心理士」という名称は使えなくなるのか?新潟県臨床心理士会が「使えなくなる」と主張する根拠は何なのか?

これらについて、Twitterにてご意見いただきました。

ちょっと見ていきたいと思いますよ。

いつもお世話になっております、Τακäħjrö Ιŋøüé(@inotti_ele)さんから。

ようやくわかりました。

法案概要(関西臨床動作学研究会のサイトにてダウンロード可)の「五 名称使用制限」に「公認心理師でない者は、公認心理師の名称又は心理師という文字を用いた名称を使用してはならない(違反者には罰則)」とあるのに対し、精神科七者懇談会(以下、七者懇)の要望書には、「4. 第四十三条 名称の使用制限」で「この条文案について、公認心理師の法制化以降、類似する名称との混乱が生じる場合には、類似する名称に対する対応を検討する必要があります」と書いてあるのが問題なんですね!(気づくのが遅い)

公認心理師が法制化された後、仮に臨床心理士と公認心理師との名称の間で混乱が生じなかったとしても、七者懇が「混乱が生じている」と主張して臨床心理士の名称使用を制限されるんじゃないかと懸念されている、と。

…ぶっちゃけて言ってしまえば、そんなのどうなるかわかんないですよね。

混乱を生じさせないために法案では「公認心理師の名称」または「心理師という文字を用いた名称」の使用を制限しているわけで、それでも混乱が生じるならば、そりゃあいくら既存の資格だとは言え、国家資格じゃなく民間資格の方に対策させるのが筋ってものでしょう。

そして臨床心理士という名称(そして資格そのもの)を本当に守りたいのであれば、「どうすれば混乱が生じないか」を考える方が建設的なんじゃないかと思いますよ。実際に混乱が生じる可能性はあるわけだし。

例えば、これまで以上に(あるいはこれまでしてこなかった)「臨床心理士という資格について、あるいは臨床心理士と公認心理師の違いについて、PRを積極的に行う」とか。

ここでふと、2005年に「医療心理師」という国家資格が創設されかけて頓挫した際、どさくさにまぎれてどこのものとも知れぬ「日本医療心理士学会(後に「日本医療心理学会」と改名)」という団体が「医療心理士」なる資格を立ち上げたことを思い出しました。

この件については、全心協(全国保健・医療・福祉心理職能協会)そこが知りたい! 医療心理師(仮称)国家資格のQ&Aというページの「Q4:「医療心理師」は「医療心理士」とは違うのですか。」で言及されております。

Q4:「医療心理師」は「医療心理士」とは違うのですか。

A:「医療心理士」は全心協が10年あまりの歳月をかけ推進してきた医療心理師(仮称)とは全くの別の物です。日本医療心理士学会と称する団体が突如として「日本医療心理士学会認定医療心理士」の認定を始めましたが、最近「日本医療心理学会(http://www.geocities.jp/jmpa_2003/INDEX.HTM)」と名称を変更しています。学会と名乗っていますが、学術団体として日本学術会議への登録もないので、本来の学術団体ではありません。社団法人日本心身医学会(http://www.interq.or.jp/japan/shinshin/)が同名の学会資格認定を開始しましたが、これとも全く別のものです。

(※日本医療心理学会のURLは2014年6月4日現在“NOT FOUND”です)

「公認心理師」法案が成立したとして、例えば「公認心理士」という資格名称は「公認心理師の名称」または「心理師という文字を用いた名称」のどちらにも該当しません。こういうのが出てきた場合の対策としては、七者懇の言う「類似する名称との混乱が生じる場合には、類似する名称に対する対応を検討する」必要はあるんじゃないかと思うのですよね。

しかし、随所で批判されている「公認心理師」というイケてない名称。これって既存の類似資格と名称が被らず、かつどんな職種なのかがある程度理解できるギリギリの選択というか、苦肉の策なのだなあと改めて思いました。

その意味で、この名称のイケてなさには我慢せねばならないのだなあと思った次第であります。まる。

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