雑誌『こころの科学 177号 特別企画:うつの心理療法──その真実』がなかなか面白そうな件

こころの科学 177号 うつの心理療法 その真実

昨日のエントリ、日心は学会費未納で退会させられたはずなんだけど会員宛の北大路書房の展示書籍案内が送られてきた件で「今日はこれからやらねばならない仕事があるのでまた明日」なんて書いたわけなんですが、本日は予定を変更してこちらをとりあげたいと思いますよ。

有効性が実証され、薬物療法と並ぶ「うつ」治療の柱である心理療法に焦点を当て、適切かつ具体的な情報を提供する。

出版社の紹介ページでは、目次が見られますよ。

こころの科学 177号日本評論社

目次の中、もっとも私が興味を抱いたのはやはりこちらですかね。

獨協医科大学越谷病院こころの診療科の井原裕氏による「心理専門職にうつは治せるか──職業としての「臨床心理士」」です。

しょっぱな

臨床心理士は、社会の期待に応えているとはいえない。とくに、今日、需要が高まっている「うつ」については、臨床心理士はまた鍛え方が足りないと思う。

から始まり、臨床心理士養成システムの欠陥として「(臨床心理士養成に携わる教師の)多くは、指導できるほどの実務経験をもっていない」こと、「適切なon-the-job training」がないことに対して痛烈な批判を浴びせます。

そして、それに対比させる形で医師の養成システムに触れ、そして筆者の所属先での具体的な精神科医養成の方法(スパルタ教育)をたたき台として提示しています。

精神科領域に携わってそれなりにまともに仕事をしている心理職にとっては割と当たり前の話かもしれませんが、公認心理師法案提出間近かと言われる昨今、改めて読む価値のある文章なのではないかと思います。

それが精神科医全ての意見を代表しているわけではないという前提で、こういう意見を持っている精神科医は少なからずいて、臨床心理士をこういった目で見ているというのを改めて知ることができるのは貴重なのではないかと。

もちろん、他の論文もなかなか興味深いです。

関心のある方は是非ともポチっとどーぞ。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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