当ブログは奈良県臨床心理士会役員会資格検討グループの二資格案に賛成します(※ただし…)
ネット的には「※ただし」とくれば「イケメンに限る」なわけですが…ええ、もちろん釣りタイトルですよ。
さて、日本臨床心理士養成大学院協議会(臨大協)のサイトの「お知らせ」ページに、奈良県臨床心理士会役員会資格検討グループによる国家資格に対する意見書がアップされております。
・『公認心理師資格』は国民のために不都合です──『臨床心理士専門資格』を附帯しなければなりません──(※pdf注意)
既にTwitterを初め各所で色々とコメントはなされておりますが、ワタクシもちょこっと書いてみますよ。
…というかこの文書、臨大協宛なんですね。他所で見たのは公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会宛の文書でしたが、内容は全く同じでした。
同2団体は基本的に「公認心理師」法案に対しては反対だったはずであり、そちらに出しても意味ないですよね?その他の(公認心理師法案に賛成している)団体にも出しているけれども公開されてない…って感じなんでしょうか?
実際のところはわかりません。
とりあえず細かく見ていきましょうか。
①既に心理専門職として実績を挙げてきた「臨床心理関係4団体」のうち、「公認心理師法案」に賛成しているのは2団体です。特に地方の専門職団体の多くが反対や疑問の声を上げています。9月23日付け、読売新聞東京版掲載の「反対意見広告」は地方からの疑問の声です。公認心理師法案は「地方創生の時代」にもかかわらず東京中央だけで進められています。
ひとつめの文は特に問題ないですね。で、問題は二文目。
「地方の専門職団体の多く」って、どれだけある内のいくつを指しているんでしょうか?
具体的に知りたいところですが、例えば当ブログで以前取り上げた「読売新聞に掲載された公認心理師法案修正要望に関する意見広告の「賛同者」はどんな人達なのか調べてみた」(ア行〜タ行まで・ナ行〜ワ行まで)を見る限り、一部の「地方の専門職団体(各都道府県臨床心理士会?)」が反対を表明しているのみだったように思われますよ。少なくとも「多く」というのは無理があるのではないでしょうか。
そして「地方からの疑問の声です」とありますが、よほど「東京 VS 地方」という対立図式を作りたがっているようですね。
14/10/10のエントリ、読売新聞に掲載された公認心理師法案修正要望に関する意見広告に載ってた「賛同者」ってどうやって集めたの?でも触れましたが、あそこに掲載された名前って、あの広告を取りまとめた方のさじ加減一つでいくらでも調整可能なわけで。東京にだって公認心理師法案に反対の方はたくさんいるはずなんですけどねえ…。
まあ、ここまではいいんですよ。
②2005年に「二資格一法案」の試みがありました。その理念を生かして今、医療領域以外の臨床心理業務に当たる者を(仮称)「一般臨床心理士」または(仮称)「公認臨床心理士」とすることを求めます。この度の「公認心理師」は汎用を外して「医療領域の資格」とするのです。
③公認心理師法案に加えて(仮称)「一般臨床心理士」資格、(または「公認臨床心理士」資格が附帯で法制化することを望みます。(二資格二法案の精神)
これ、「( 」と「 )」が対応してないですよね?この文書、推敲したんでしょうか?
この二資格案には全国心理職関係者が全員賛成します。
色んなところでツッコまれてますが「全員賛成」って何でわかるんでしょう?
いや、確かに私も賛成します。
ただし、現在検討されている公認心理師法案にこの事項を附帯することによる悪影響が全くなければという条件がつきますが。
これまで公認心理師法案の実現に尽力されてきた多くの方々の関係者の努力が無駄にならないよう、そして関連団体のどことも新たな対立が生じないよう、この事項を附帯した形での法制化が実現するのならば、です。
でも、そんなの不可能ですよね?
現実的にこれを達成する方法、私には全く思いつきません。
とりあえず、何の根拠もないのに「多く」とか「全員」とか言わない方がいいと思いますよ。

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