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【ご恵贈】リチャード・ローボルト著 太田 裕一 訳『スーパーヴィジョンのパワーゲーム―心理療法家訓練における影響力,カルト,洗脳』【感謝!】

スーパーヴィジョンのパワーゲーム

ご紹介が遅れてしまって申し訳ありません。そしてお贈りいただきありがとうございます>編集者様・訳者様

先日、こちらをご恵贈いただきました。

心理療法/精神分析訓練のスーパーヴィジョンは,スーパーヴァイザーの絶対的権力がスーパーヴァイジーに恐怖と盲信と洗脳を強いるリスクを,その自閉的構造ゆえにつねに孕んでいる。では,この悪しきパワーゲームからいかにして逃走するのか?

「第1部 スーパーヴィジョン体験」で紹介される「スーパーヴィジョンのパワーゲーム」のリスクを切り抜けてきたスーパーヴァイジーたちの体験は,「第2部 論理的・技法的考察」に活用され,この体験に依拠した理論から,共感,主観的体験,民主的原理に裏打ちされた代替補完的スーパーヴィジョンモデルが提示されていく。転移/逆転移,投影同一化,攻撃性,抵抗/逆抵抗,防衛,そして対話――これらの諸概念を駆使して構想されるスーパーヴィジョンは,スーパーヴァイジー=セラピストのみならず,その先で治癒を求めるクライエントにも通じ,生産的なセラピーを実現するためのスプリングボードとなる。

スーパーヴァイザーとスーパーヴァイジーがクライエントのために協調するというスーパーヴィジョン本来の意義を回復させるための「創造的スーパーヴィジョン論」。

出版社の紹介ページでは目次が閲覧できますよ。

スーパーヴィジョンのパワーゲーム 心理療法家訓練における影響力・カルト・洗脳金剛出版

ワタクシ、心理療法のスーパーヴィジョンを受けているとともに、密かに心理アセスメントに関してはスーパーヴァイザー的なこともやっていたりするわけなんですが、どちらの立場であっても色々考えさせられることが多いです。当たり前の話ですが(というか、それがスーパーヴィジョンの主要な目的の一つなわけですが)自分の病理と向き合わざるを得ないこともたびたびあります。

実際のところ、どんなスーパーヴィジョンが「創造的な」ものなのかというのは今も分からなかったりします。そんなことを考えるヒントというか、自分なりの回答への道筋を示してくれるのがこの本なんじゃないかと思います。

専門書の翻訳というのはとかく読み辛くなりがちなわけですが、こちらは大変読みやすいです…というか、このボリュームを一人で翻訳されたというのはすごいです。参考文献の多さとともに、各章にしっかりとつけられた訳註から、訳者の太田裕一氏がかなり時間をかけて丁寧に仕事をされたということがわかります。

「訳者あとがき」の末尾から引用します。

訓練過程にある経験の浅い臨床家にぜひ本書を読んでもらいたい。タフでなければセラピーを行うことはできない。しかし傷つきやすさがなければセラピーを行う資格はない。人がもつ傷つきやすさを守ることがスーパーヴァイザーの仕事であり、セラピストの仕事でもあるということを本書はきっと教えてくれるだろう。

ということで、今まさにスーパーヴィジョンを受けている人に読んで欲しい本です。

同時に、スーパーヴァイザーをされている先生方にも(というかむしろそちらがメイン?)お読みいただくことで「クライエントのための協同」がなされるのではないかと思います。

そんなこんなで興味がある方は是非ともポチっとどーぞ。

…しかし、最近「スーパーヴィジョン本」って結構出てきてますよね。時代の要請ってやつでしょうか。少しずつでも我が国の心理臨床におけるスーパーヴィジョン文化が成熟していけばいいなあと思う今日この頃なのでありました。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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