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某法案を廃案にするためのたった一つの簡単な方法

公開日: : 資格問題 , , , , ,

国会正面

ご注意

本記事はフィクションであり、実在する法案、資格、団体、個人等とは一切関係ありません。

また、本記事は筆者である“ロテ職人”個人の政治的な態度を反映したものではないことをご了承ください。

では、以下が本文となります。ごゆっくりお楽しみください。

某法案、気に入らない先生方はたくさんいますよね?

拝啓

早春の候、先生方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、先生方も気になっておられると思います。某法案。

あんなのメチャクチャですよね。

最大の問題はアレです。「指示」の件です。

本来、我々の職務というのは自由でなければならないのです。他職種が我々の神聖な専門領域にノコノコと乗り込んできて、我々に「指示」するなんてあってはならないことなのです。

現実問題として、開業されている先生方におかれましては経営的な打撃を受ける可能性もあると思います。そんなことが起こった場合、我々の職能領域全体が多大な損失を被ることとなります。

さらに某法案が成立した暁には、本来は入ってくるはずのなかった近接領域の資格保持者が参入してくることで、我々が教育領域で作り上げてきた実績もないがしろにされてしまうでしょうし、それによる経済的な損失も大きいと思われます。

そして、養成期間を短縮できるルートがあるなんてことも大きな問題です。

先生方の中には、我々の職業的な専門性を高めるべく、専門家養成システムを構築・維持することにご尽力されて来た方も多いはずです。養成期間の短縮は、先生方のご努力を無視する暴挙に他なりません。

こんな無茶な法案が成立していいはずがありません。某法案は廃案にされねばならないのです。

たった一つの方法。それは自らが「慎重派」であると主張すること

それでは本題に入ります。某法案を廃案にするたった一つの簡単な方法。

それは、自らが「慎重派」であると主張すること。これだけです。

なぜ自らが「慎重派」であると主張することが法案の廃案につながるのか?

その理由は簡単です。

某法案は関連する職能団体間の、極めて微妙なバランスの元で初めて成り立っているのです。

我々の職能団体内の「推進派」は、他の職能団体との長きに渡る協議の末に、協同して某法案を作り上げました。

それでは、その我々の職能団体内で「内輪もめ」をしていることを、他の職能団体が知ったらどうなるでしょう?

その「内輪もめ」が長く続いた場合(つまり、長く続いていると他の職能団体に認知された場合)、恐らく、某法案を存在させている現在の微妙なバランスは崩れ、法案は簡単に廃案となるでしょう。

決して現実的・建設的な代替案は出さないこと

ここで重要なのは、なぜ「反対派」ではなく「慎重派」なのか?ということです。

表立って法案に「反対」を表明した場合、恐らく推進派は具体的な代替案を出すことを要求してくるでしょう。

それは当然です。「反対」するからには代替案が求められます。

しかし、我々にはそんなことをしなければならない義務などないのです。間違っているのは「推進派」なのですから。

もし「反対派」であることを表明した上で、代替案を出さなかったとしたら、慎重派はその点を嫌らしくつついてくることでしょう。

そうした事態を避けるためには「反対派」ではなく「慎重派」である必要があるのです。

基本戦術は議論における推進派の不備を指摘し続けること

代替案を出すのでなければ何をするのか?と言いますと、これもまた簡単です。

推進派、特に職能団体のトップの議論における不備を指摘し続けること。これに尽きます。

その「不備」は何でもいいのです。

特に有効なのは「公正でない」とか「民主的でない」とか、そういった「どうとでもとれるようなこと」を批判することだと思います。

あるいは情報公開に関することでもいいでしょう。

「我々は知らなかった」「適切な情報公開をしていなかったのではないか」という批判です。

実際に我々が知っていたかどうか、実際に情報公開がなされていたかどうかということは重要ではありません。

とにかく「情報を知らなかった人がいる」ということを主張し、その不備を推進派に押しつければいいのです。

この方法は未来永劫使い続けることが出来ます。推進派がどれだけ懸命に情報公開したところで、興味・関心のない人間には届きません。全ての会員に情報を完全に周知するなどといったことは不可能なわけですから、「私は知らされていない」と言った者勝ちなのです。

推進派が避けたいのは「内輪もめ」を外に知られること

関連して、例えば代議員による意思決定ではなく、職能団体の会員による全員投票を求めるというのも有効かもしれません。

実際のところ、全員投票をやること自体は可能でしょうけれども、推進派はそれは避けたいはずです。

その理由として、全員投票を実施するコストが大きいということもあります。

しかしそれよりも、全員投票などをやらなければならないということは職能団体内で意見のとりまとめがうまくいっていないことであり、つまり、「内輪もめ」の状況そのものだと見られてしまうために、推進派はそれを避けたいのです。

我々の戦略としては「内輪もめ」を他の職能団体に知られれば知られるほど好ましいわけですから、全員投票の推進は是非行うべきです。それが実現しなかったとしても、推進派には大きなダメージになるのです。

万が一、法案が成立してしまったら?

我々がどんなに動いても、法案が成立してしまうことはあるかもしれません。

あるいは、我々「慎重派」の動きのために、我々の職能団体にとって現在の法案よりも不利な形で成立してしまう可能性もあります。

その時のためにトカゲのしっぽ切りの用意はしておきましょう。

我々は推進派慎重派として動きはしますが、絶対に表に立ってはいけません。表に出すのは、広告塔という意味でも出来る限り有名な先生である方がいいでしょう。

法案が成立してしまった場合、特に、より不利な形で成立してしまった場合の「戦犯」はその表に出ている有名な先生です。

それと同時に、当然のことながら「推進派」も戦犯なのですから、万が一成立してしまった場合には、職能団体のトップの「推進派」を批判し続けましょう。

優秀な先生方であれば生き残ることはできるでしょうし、現在の資格を保持したまま、その優位性を保てるよう最大限の努力をしましょう。その状況で生き残れないのは自己責任ということでいいのではないでしょうか。

某法案の廃案に向けて一丸となって頑張りましょう!

とにかく、あんな馬鹿げた法案を成立させることなど、絶対にあってはならないのです。

今は、廃案に向けて「慎重派」が一丸となって頑張らなければならない時です。

味方は出来るだけ多い方がいいです。

あの法案が成立してしまったら、どれだけ不都合が生じるのか、そしてその法案を推進している先生方がどれだけ愚かなのか。そのことを、出来る限り多くの同業者に伝え、味方を増やしましょう。

まだまだこの問題に関心のない層も多いですから、その層を取り込むことが出来れば、我々にも勝機は十分にあるのです。

年度末でお忙しいことと思いますが、先生方におかれましてはご無理をなさいませんよう、ご自愛ください。

末筆ながら、先生方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

繰り返しますがご注意です

本記事はフィクションであり、実在する法案、資格、団体、個人等とは一切関係ありません。

また、本記事は筆者である“ロテ職人”個人の政治的な態度を反映したものではないことをご了承ください。

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