ゴールドウォーター・ルールに則ってみれば小池都知事の心理がスカーフから読み取れるあの人は完全にアウトだよね

緑色のスカーフ

17/10/02のエントリ、小池都知事の心理がスカーフから読めるそうだで取り上げた「臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さん」ですが、掲載されているNEWSポストセブンのバックナンバーを見ると、同様の記事が満載でございますよ。

“今週の顔” – NEWSポストセブン

ちなみに、以前は日刊ゲンダイDIGITALで同じような連載をされていた模様。こちらでは筆者である岡村氏のご尊顔も拝めます。

仕草で分かる本音と建前|岡村美奈|日刊ゲンダイDIGITAL

さてさて、これとは別にまた少し前の話題ですが、こんな記事がありました。

アメリカ精神医学会「大統領の精神分析的な発言をみだりにしないで」アメリカ精神分析学会「…それなんだけど」ギズモード・ジャパン

アメリカ精神医学会が準拠しているルールに「ゴールドウォーター・ルール」というものがあります。

要するに、ちゃんと検査を行なわずに「あの有名人はこういう傾向がある」「○○の可能性がある」と発表するのはやめようね、というルールです。これは1964年にアメリカの雑誌『Fact』が当時共和党の大統領候補として立候補していたバリー・ゴールドウォーターに関して「1,189人の精神医学者が、ゴールドウォーターは精神的に大統領に不適任だと言っている」という記事を発行したことがキッカケです。


ゴールドウォーター・ルールとは…

ゴールドウォーター・ルール(Goldwater rule)とは、APA倫理規定第7.3節の非公式な呼び名であり、精神科医が公の場で、自身が直接診察しなかった公的な人物について、職業的な意見を発したり、彼らの精神保健状態を議論することは、非倫理的な行為であると定めた条項である。これは米国大統領候補であったバリー・ゴールドウォーターにちなんで命名された。

ときに精神科医は、公衆から脚光を浴びている人や、メディアに対し自身の情報を公開している人についての意見を求められる。このような状況で精神科医は、一般的な精神医学問題に関する専門知識を、人々に提供することができる。 しかしながら、当人に対して実際に診察を行い、かつ情報公開に対して適切な認可を与えられていない限り、精神科医が専門家として意見を提供することは非倫理的である。

アメリカ精神医学会 – Wikipediaより)

ふむふむ。

元記事の主旨としては…精神医学者たちが大手新聞などにトランプ大統領の精神状態についての発言を繰り返している中、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association; APA)は「ゴールドウォーター・ルールに今も準拠する」と声明を出した、と。その一方で、アメリカ精神分析協会(American Psychoanalytic Association; APsaA)は3,500人の会員に向けてEメールで「会員たちが自分たちの知識を責任を持って活用することを防ぐことはしたくない」とゴールドウォーター・ルールに囚われないでよいと伝えた…ということですね。

この記事自体の信憑性がそもそも怪しかったりもして、色々と精査する必要はあると思われます。

で、何はともあれ、冒頭に挙げた例の「小池都知事の心理がスカーフから読み取れる」あの人ですよ。

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士倫理綱領にはこうした「ゴールドウォーター・ルール」に当たるものはなく、倫理綱領に違反しているという話にはならないわけですが、まあ少なくとも専門家の態度としていかがなものかというのは明らかなところなわけですよね。

やっぱり臨床心理学の学問としての妥当性であったり、臨床心理士としての専門性みたいなものを大切にしたいと思うのであれば、日本版ゴールドウォーター・ルールがなかったとしても、何らかの対処は必要だと思うのですがね。

それとも「臨床心理士」という名前が社会的に認知されるのであれば、その中身はどうでも良いということなのでしょうか?偉い人たちがそう考えているのだとしたら、資格そのものがなくなった方が世のため人のためだと思う次第であります。

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  • 某総合病院精神科勤務の臨床心理士であり臨床心理学者(自称)。なんだかんだで2児の父。妻との仲もそれなりに良好
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