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「患者様」の距離感

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最近、ネットでもリアルでも「患者様」という言葉を見たり聞いたりすることが多いのですが、この言葉、非常に違和感を感じます…というか端的に言えば嫌いです。
ふと思い立って「患者様」を検索語にしてブログ検索してみたら、かなりの数がヒットしました。
livedoor サーチ ブログ 検索結果 : 患者様
その多くが医療関係者によるブログのようですが、皆さんは違和感を感じないんですかね?この言葉。
…と思って見てみたら、私と同じような意見の方もいないわけではないようで…
診療情報管理士 in Okinawa!!: 「患者様」って言いたくないんですが、ダメですか?
ちょっと引用してみます。

医療人は「患者」を仕事の対象としてみます。それは医療を生業とする我々にとって自然なことですし、そうせねばなりません。プロとして応対することがまず第一ですから。
ですが、医療人の中には、「患者」をモノに近い見方をする傾向があります。実際そういう目に遭遇した方はいると思います。仕事の対象としての「患者」と一個人の患者は同じなんですから、本当は一個人として応対していかなければなりません。これは理想的な状態ですね。
個別に応対する場合は、「○○さま」とか「○○さん」でやっていることでしょう。個人情報保護法の施行後の今では、「73番でお待ちの方~。」なんて言っていますが。
「さま」か「さん」はその医療機関のスタンスで決めればいいと思います。ド田舎の診療所で、「○○さま~。」なんて言ってたら住民と親しくできないですしね。
問題は、不特定多数として患者を表現する場合ですね。
「医療はサービス業です。」といいますが、ホテルのようにサービス料は頂いてませんので私はサービスしているつもりはありません。医療人として、やるべきことをやっているまでです。どうもその流れで、医療における「お客さま」イコール「患者様」みたいになってますね・・・。
「患者様」・・・、やっぱり気持ち悪い。
なんか妙にへりくだっている感じがするし、また腹の中では、「何も分からない素人め!」と毒を吐いているような気がします・・・。そう、馬鹿にしているような気がするんですね。

「気持ち悪い」ってのは心情としてはよく理解できます。
「患者様なんて気持ち悪い」なんて言っていると「患者様のことを見下してるんじゃないか?」とか「サービスを提供している自覚がないんじゃないか?」とか言われてしまいそうですが、そもそも当の患者さん達は「患者様」と呼ばれたいのでしょうか?
こんなページも見つけましたよ。
『患者様』は究極の尊敬語か?(医薬品情報21)
引用してみます。

 この点に関して、厚生労働省の「医療サービス向上委員会」が2001年11月、「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する指針』なるものを打ち出し、患者に対する言葉遣いや応対の仕方を改めるため、当時の国立病院に「患者の呼称の際、原則として、姓(名)に『様』を付ける」ことを求めたとされている。つまり患者の個人名を呼ぶときに「○○さん」ではなく、「○○様」と呼ぶことを求めたものであって、『患者』という普通名詞に様を付けることを求めたのではないとしている[日本語の現場-職場で30「患者に「様」付け“行政指導”;読売新聞,第46034号,2004.5.19.]。
 ある日突然、『病人様』といわれた患者側にすれば、医療関係者と患者との関係が何ら改善されることなく、いきなり呼び方を変えられたとしても、その医療機関で、患者中心の医療が行われるようになったという認識を持つことは多分ないはずである。むしろ胡散臭い言葉の魔術で、さも親切な扱いをしていると見せながら、従来と全く変わらない不親切さを提供しているというのが認識の筈である。事実、患者1000人を対象としたある雑誌のアンケートでは
違和感を覚える      38.1%  
当然だと思う       15.7%  
何とも思わない      40.1%
という回答結果が報告されている。また、市立総合病院で実施した患者アンケートでも、入院患者では「さん」の支持者が69%、「様」の支持者は4%と、圧倒的に「さん」の支持者が多いという結果が出ている [日本語の現場-職場で31「サマにならない「患者様」;読売新聞,第46035号,2004.5.20.]

「患者様」って呼称は厚生労働省の指示によるものだったのですね。リンク先にもありますが、「患者様」と呼んだからといってサービスの質が向上するわけではないと思うのですがねぇ。
で、そう呼ばれることに対して違和感を感じる患者さんも少なからず存在する…と。誰のための「患者様」という呼称なんでしょうねぇ?

さて、この「患者様」という呼称について精神科的な視点から考えてみると、あくまでも私の個人的な意見ですが、どうしても「距離感」を感じてしまうのです。「患者様」と呼んでしまうと。
もちろん、精神科臨床の上で適度な距離感は必要ですよ。患者さんとあまりに(精神的な)距離が近すぎる医師・看護師・その他のコメディカルスタッフというのは、臨床に携わる者として失格だと思います。ただ「患者様」と呼んでしまうのは、不必要に距離をとってしまうことになると思うのですよ。
つーか、ぶっちゃけ「お前ら、ほんとはちっとも考えてねーだろ?」と思ってしまうのです。少なくとも自分が「患者様」という言葉を使うことの意味ってのは、考えてもらいたいと思うのですよね。そう呼ばれることに違和感を感じる「患者様」もいるのであれば、なおさらその必要があると思われます。表現の仕方なんて些細な問題かもしれないけれども、少なくとも我々にとって「表現」「言葉」が大切商売道具ですし、考えているのと考えていないのじゃえらい違いだとも思うのです。
個人的には「患者さん」が距離感としてはちょうど良いのではないかと思ってます。個々の患者さんに対する場合も「○○様」よりは「○○さん」の方がやはり適度な距離なんじゃないかなぁ。
そういえば「クライエントさん」とは言っても、「クライエント様」とはなかなか言わないですよね。この辺にもやっぱり「様」の距離感の問題があるんじゃないかなぁ。
なんかまとまらなくて申し訳ありませんが、そんなことを考えた本日のお昼休みですよ。

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