資格問題

「臨床心理士らによる医療心理士国家資格化に対する過度な反対に 共感はできない」(キリッ…っていつの時代の話ですか?

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以前から拝見させていただいております

生命科学研究の道から足を洗った精神科臨床医/児童精神科医目指してるのに何故か緩和医療チーム所属  「虎の穴」を抜けたタイガーマスクに共感しつつ、後ろめたさなども感じながら場末で街医者やってます

な、yugo-yuzin-hanaさんのブログ、On Being a Child Psychiatrist- 場末の精神科臨床雑思で、臨床心理職の国家資格化問題について語られておりますが…
…タイトルにも書いたように、一体、いつの時代の話をしてるですか?
なんかツッコミどころ満載なんですが、とりあえず「思うこと以下箇条書きまとめ」とある部分をコピペ。

・臨床心理士らによる医療心理士国家資格化に対する過度な反対に共感はできない。

修了学生の就職の見込みが事実上殆どないにもかかわらず、無定見に指定大学院を拡充・粗製乱造した大学教員・事務側の責任は重い。特に大学関係者は自分達の既得権益を守るための医療心理士制度反対なのだろうが、医学医療教育を経ずに医療現場に送り込もうとする態度そのものがはっきりいって、間違っている。

最低限の解剖生理学、薬理学、臨床医学を含んだ、一定のカリキュラムの下、再教育を受けていくことが必要だろう。臨床心理士からの移行を認可するにせよ。

「医療心理士制度」って?


あ、一応、臨床心理士職の養成課程において「医学医療教育を充実すべき」ってのは賛成です。最低限の(ってどこを「最低限」にするかは問題なわけですが)解剖生理学、薬理学、臨床医学を含んだ一定のカリキュラムが必要ってのも賛成。
指定大学院の粗製濫造云々のくだりももちろん賛成。私も何度も書いてますし。
ただ、根本的な問題として「医療心理士国家資格化に対する過度な反対」ってのを今現在やっている「臨床心理士ら」って人が存在するんですか?
一応、心理学関係団体の中では一資格一法案での国家資格化の動きはまとまってきている状況であり。
その辺は、yugo-yuzin-hanaさんとかなり近い立場である、AFCPさんのブログ、A Forward-looking Child Psychiatrist>Child Psychiatry医療心理師、臨床心理士、職能心理士(医療心理) 国家資格化関連記事一覧を見ていただければわかるかと思うのですが…
…ってここまで書いて、ひょっとしてyugo-yuzin-hanaさんはAFCPさんのところの国家資格化関連の最新エントリである
心理職国家資格化 一資格一法案への模索が続く
を読んで、上記エントリをアップしたんじゃないかと思ったりもしました。アップされたタイミング的に。
でも、なんだか決定的に勘違いしているというか、なんか現在の問題の本質がわかってないんじゃないかと思ったり(そういう意味でははらぶろさんの記事が「藪をつついて蛇を出す」ってことになってしまってるんじゃないかと)。
あるいは、ひょっとして周囲にいる大半の心理職が「ルサンチマンとしかいいようのないネガティブで対決的な姿勢を精神科医に対してとるpsycologistの方」なんじゃないかと邪推したりもしますが、そこからこういう結論が導きだされるのって「過度の一般化」でしかないと思うですよ。恐らくyugo-yuzin-hanaさんの個人的な経験を根拠として、「話の通じる心理士の方」が「ごく一部」だと判断されたわけなのではないでしょうか。
とりあえず結論としては「よくわかっていないことには安直に批判しない方がいいと思います」ってことでございますよ。
…とか書くと、私も「ルサンチマンとしかいいようのないネガティブで対決的な姿勢を精神科医に対してとるpsycologistの方」ってことになってしまうのでしょうか。別にいいっすけど。
とりあえず「『医師の指示・指導の下』という文言が気に食わないのはわかるが」とありますが、「気にくわない」とかそういう問題ではないってことは理解していただきたいと思う次第でございます。
なんかスルーしようと思ったんですが、スルー検定1級不合格のワタクシには到底無理なくらいアレな感じであると同時に、現場にいる精神科医の人の中にこういう人がいるってことは、まだまだ道は厳しいなあと感じざるをえませんです。はい。

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