臨床心理学

「良いお年を」はタブーらしいです

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「日本で初めて営業マンから臨床心理士に転職した人らしい」(プロフィールより)豆柴さんのブログ、豆柴日和を読んでいてものすごく違和感を感じたのでちょこっと言及してみたいと思いますよ。
08/12/07のエントリ、「業界におけるタブー、『良いお年を』が言えなくて。」より。個人的に読みにくいので改行は改変してありますのでご了承ください。

この時期になると「良いお年を!」という声が街の中で少しずつ聞こえてきます。「また来年もよろしく御願いします!」も同様に聞こえてきます。

友人同士や一般のサービス業ならごく当たり前の光景。でも業界によっては「タブー」だったりすることも実はあったりします。

「タブー」っすか?

僕たちの業界では相手の方に合わせて言葉の選択を慎重に選ぶ。

そりゃそうっすね。

「良いお年を!」も人によっては「今年は良い年じゃなかったってことか・・・」というふうに受け取られてしまうこともあるから。

確かにそういうことはあるかもしれません。

「また来年もよろしく御願いします!」にいたっては「来年も病院に通い続けろってことなのか・・・」という尾ひれがついてしまうことだってある。

そういうこともあるかもしれませんね。

次にお会いするのが年明けと分かっていてもいつもと変わらず淡々と「ではまた次回。お気をつけて」と言ってお別れをすることが、その人にとっては逆に救いだったりすることも往々にしてあったりする。

「逆に」って?「救い」?

言葉の選択はとても難しい。「自分が何を伝えたかったのか」ということはまるで意味をなさない。

「相手がどう受け取ったのか」そこに全てが問われてくる。

どんな言い訳も許されない。

一番違和感があるのはここかなあ…。


個人的には「相手がどう受け取ったか」も大事だとは思いますが、もっと大事なのは「自分が伝えたかったことを」「相手がどう受け取ったのか」ってことなんじゃないかと思います。
そして、何かそこでズレが生じるような時はそこで出てきたズレを面接の中でどう扱うかを考えればいいんじゃないですかね?「言い訳」するんじゃなくて。
まとめると「相手が否定的な意味で受け取る可能性があるから『良いお年を』と言ってはいけない=タブーである」とするよりも、「自分がそういう意味で言ったのでない内容に関して、相手が否定的な意味で受け取ったとしたら、それに対して言い訳をするのではなく、またその言葉をタブーとするのではなく、相手がそう受け取ったことの意味を考慮した上で対応を考える必要があるのではないか」ということですかね。
そこで「タブー」ってことにしてしまうのは、私としては安易なのではないかと思いますよ。
だって「良いお年を」が「「今年は良い年じゃなかったってことか・・・」と捉えられる可能性があるとしたら、「ではまた次回。お気をつけて」だって「『お気をつけて』なんて余計なお世話だ」とか「『お気をつけて』なんて、そんなに注意散漫だと思われているのか」と捉えられる可能性があるわけで。
やっぱそこで「タブー」にするのではなく、「そのような意味でとられること(とられたこと)の意味を考える」ことが必要なのではないでしょうか。もちろん、拠って立つ技法によって対応は様々でしょうけれども、「タブー」ってことはないかと。
皆様どう思いますか?
ちなみに私はいつものように「また次回お会いしましょう」と言って面接を終えたような気がします。

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