臨床心理学

「魚を与えること」と「魚の捕り方を教えること」

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9/8のエントリ、【SPSS】看護師さんから研究について質問された【関連本】でこんなことを書きました。

お腹が減って困っている人のために、魚をあげるのか、それとも魚の釣り方を教えてあげるのか。特にその人が今後食べ物に困ることはあまりないであろう場合にはどうすればいいのか…。うーん…。私はどう対応すれば良かったのかなぁ。


コメント欄ではliedさんからこんなコメントいただきましたよ。

魚による例え、すごく面白かったです。
で、私だったらどちらが好きかというと、魚の釣り方を教えつつ食べさせてくれるのが理想だったり・・。

えーと…すみません。こんな気の利いた比喩表現は私のオリジナルであろうはずがありませんです。
この話、結構色々なところで耳にするんですが、一番最近聞いたのは某所で行われたSSTの研修でした。
精神科リハビリテーションにおいては、もちろん患者さんにとって必要はサービスを提供することは必須ですが、それだけは足りません。そうした援助を受けながらも自立を目指して能力を身につけられるよう、スタッフがエンパワーメントしていく…ということで。
で、この出典が何なのかちょっと調べてみましたよ。
これ、中国の箴言(戒めの言葉)で『管子』の中の言葉なのだそうです。『管子』は春秋時代(B.C.770~403)の政治家である管仲の政治思想をまとめた書物であるとのこと(管仲の著書ではないらしいです)。管仲は「自分が幸せになりたければ?まず?まわりを幸せにせよ!」という素敵な(いやホントに素敵だと思いますよ)思想をお持ちの方だったそうな。
なんつーか、これ、現代でも精神科リハビリテーションのみならず、社会福祉だったり心理臨床だったり、幅広い分野で適用される考え方じゃないですかね。
で、前に取り上げた臨床心理士資格試験対策の講座って、まさに「魚の捕り方を教える」のではなく「一匹の魚を与える」ことだと思うのですよ。結局、結果として当人のためにならない商売をやっているわけだと思うんですが、当事者の方々はそのことに気づいているんでしょうかねぇ…
ん…何の話してたんでしたっけ?…まあいいや。とりあえず一つ賢くなりました(なったような気がします)。きっかけのコメントをくださったliedさんに感謝いたしますよ。

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