臨床心理学

『「心理テスト」はウソでした。』は(一部)ウソでした(たぶん)その2

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昨日のエントリの続き。
ロールシャッハに関しては昨日述べましたが、その他の章についてもちょっと触れておきましょう。


まず、血液型に関しては著者の村上氏に激しく同意。
信じてる人間はアフォであり、今すぐ回線切って(ry
バーナム効果についても、まあその通りですね。
Y-Gに関しても概ね間違ってはいないと思います。
私はY-G使わないですけどね。
村上氏はMMPIについてはどう思っているのか知りたいところですが

統合失調症の診断にはロールシャッハ・テストよりMMPIの方が良いという多くの研究がある。

とあるところをみるとその信頼性・妥当性は認めてらっしゃるようで。
クレペリンも半分同意。私も作業検査だけでは何もわからないと思います。
…村上氏にはテスト・バッテリーという概念はないのでしょうか?
私もロールシャッハ法だけで判断することはまずないですし、それはかなり難しいことだと思います。
BIG5さえあれば、精神科臨床でも万事オッケー…というわけじゃないですよね。
テスト・バッテリーを組んでアセスメントを行うというのは、あまり効率はよろしくないかもしれませんが、でも普通に面接を行って正確なアセスメントをしようと思ったら、それはそれでかなり丁寧に莫大な時間をかけて行う必要があると思うですよ。
もちろん、ここでいうアセスメントは「診断を確定する」ということではないですよ。
テスト・バッテリーについて意図的に無視しているのか、あるいは知らないのかはわかりませんが、その辺を論ずることなく個別の検査にいちゃもんをつけても仕方がないと思うのですがねぇ。
で、昨日のエントリにも書いたロールシャッハの「目くら分析」の元文献を見つけたので読んでみたんですが、その中で空井氏にはめられたうちの一人、馬場禮子氏(れーこ?)はこう言ってますよ。

blind analysisの状況というのは、普通ならば手に入るはずの、解釈にとって必要な情報が一部削除されているわけです。ですから、言わば羽の一部を切り取られている状態でどれくらい飛べるか飛んでみろと言われている様なわけでして、当然ギクシャクした飛び方をせざるを得ない、いわば実験動物になっているわけでございます。

(中略)

まずこの検査状況はこの検査者と被検者とが、初めて出会った状況であるということを前提としておきたいと思います。つまり、もしそうでなくて、検査者と被検者との間に何らかの転移関係が起こっている様な状況だとすると、資料を読む時の観点が全く違ったものになってきますから、そうでない状況だという前提で読みたいと思います。

村上氏はここを読んだ…はずですよね?
ひょっとして「目○ら」なのは村上氏の方ですか?
実際、過剰な象徴的解釈はいかがなものかと思いますが、そういった特殊な状況下でのアセスメントを持ってきて「当たらない」という根拠にするのはいかがなものかと思われます。
良いことも書いているし、考えさせられることもいくつかはあるんですけどね。
アフォな人間に対してちゃんとアフォと言っているところも、共感できるんですが…
でも、それだったら専門家相手にやりゃあいいことであって、何も一般書として出版する必然性はないのに。
結局、ご都合主義の域を超えていないのが残念でございました。

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