心理・精神医学本

『統合失調症治療ガイドライン』

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このブログでも何度か書いていることですが、大学院に在籍していた数年間、そしてその後の数年間、毎週数日は経過の長い統合失調症の患者さんたちとコミュニケーションを取る機会が持てたということは、今の自分の臨床家としての在り方を考える上で非常に有益なことだったと思っております。
そして先日、発達障害に詳しい児童精神科医の先生とお話した際、「(発達障害への関わりが多い現場であっても)統合失調症の臨床を知っていることは大きな強みになる」といったようなことをうかがいました。鑑別診断の難しさということもあるでしょうし、あるいは薬物療法に関しての知識ってところとも繋がってくることなのだとワタクシは理解しました。
そういう意味では(これも何度か書いていることですが)、いわゆる「カウンセリング」とか「心理療法」みたいなことをする機会が少ないかもしれないような(いや、実際は色々できるかもしれないのです)、社会的入院の方が多い病院だったり、あるいは精神科デイケアなんかでも、心理臨床家としての腕を磨くことは色々できるのではないかと思うのですよね。
…ってな感じのことを思いました。この本を書店で発見した時に。

統合失調症治療ガイドライン 統合失調症治療ガイドライン
精神医学講座担当者会議

医学書院 2008-09
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精神医学講座担当者会議が監修する統合失調症治療ガイドラインの改訂版。病期別に薬物・身体療法、心理社会的療法を統合して提示した包括的治療ガイドライン。引用文献にはエビデンスレベルを明示、第2章「治療計画の策定」において治療オプションの推奨度を加えた。最近の新規抗精神病薬の詳細情報、認知行動療法、J-ACT、早期精神病など、最新トピックスが満載。日本の実情に即した記述で、日常臨床にすぐに役立つ実践的な内容。

とりあえず引用文献が豊富なのが非常に良いです。
マニュアル的に使うのは違うような気もしますし、お手軽に実践に役立てることができるかってーとそういうわけでもないと思いますが、少なくともわりと最近の知見を整理して理解する上では非常に役に立つのではないかと。
んで、現場でやってる人が自身の臨床知っていうんですか?そういうのとエビデンスとを結びつけていくことができれば、大きな強みになっていくんじゃないかと思うわけです。
お値段は若干お高いですが、そういう現場の方で興味がある方はどぞー。

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