雑記

『議論のルールブック』

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「議論のしかた」と「詭弁のガイドライン」 その1(07/04/26)
「議論のしかた」と「詭弁のガイドライン」 その2(07/05/01)
で大絶賛しつつ取り上げたこのウェブコンテンツ
議論のしかた
これが書籍化されていたそうで。

議論のルールブック (新潮新書) 議論のルールブック (新潮新書)
岩田 宗之

新潮社 2007-10
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この本、というか別に本を買う必要はないかもしれませんが、とりあえずネットの文章だけでも読んでおいた方がいいと思うのです。特にネット上で何らかの書き込みするような人は。

出版社/著者からの内容紹介
建設的な話し合いのはずがいつの間にか揚げ足取りの応酬に。楽しい雑談のはずがひょんなことから不毛な中傷合戦に。ネット上の「炎上」は議論のルールを身につけていないことから起こる人災である。議論の種類、匿名性の問題、インチキ理論や感情論への対処法、発言者の心得等、議論を知的に分解し、共有すべきルールを考える。頭をすっきり整理させて議論に臨むための格好の道しるべとなるルールブック。

まえがきもコピペしてみますよ。

インターネットの発達によって、一般の人が意見を表明したり、議論に加わったりする機会が増えました。しかし残念なことに、子供の口げんか並みの低レベルな争いが多いように見受けられます。

書店に行けば、説得力のある話し方とか、うまい文章の書き方というような本がたくさん並んでいます。こうした本はどれも素晴らしい内容ですが、現状を見ると、話の上手下手以前の問題があるように思えます。

議論を上手に進める方法を考える上では、どうしても「うまく話す」能力に注目が集まりがちです。しかし、インターネットの掲示板での誹謗中傷や非難の応酬などを見ていると、足りないのはむしろ「人の話を聞く」能力であるようです。相手の言っていることを理解できないまま、自分が言いたいことだけを言うから、議論が不毛な言い合いになってしまうのです。

本書では、「議論とは人の話を聞くことである」ということを大前提に掲げて、なぜ議論がすれ違ってしまうのかを考えていきたいと思います。議論のすれ違いの背景には、各人が考える「説明」や「正しさ」の概念の食い違いがあります。ある人にとって「きちんとした説明」だと思えることを、別の人は「単なる言いがかり」だと受け取るかもしれないということです。まるで、サッカー選手とラグビー選手が、お互いに自分たちのルールが正しいと主張して対戦しているようなものです。こうなってしまっていては、議論がかみ合うはずもありません。

本書では、議論の基礎となる「ルール」、つまり議論とはどのような考えに基づいて行われるものかという問題について見ていきます。サッカーで言えば「手は使わない」とか「ゴールにボールを入れれば得点になる」といったルールに当たります。ルールを知ったところでサッカーが上手くなるわけではありませんが、ルールを知らずに技術ばかり磨いても、うまく使いこなすことができません。

本書で述べる内容は、議論をうまく進めるための方法ではありません。それは自分で考えるか、あるいは他の本を参考にしてください。ここで述べるのは、議論の「ルール」です。つまり、議論とは何を目的にしたものであり、どういう発言が「良い発言」と呼ばれるのかについてです。もちろん、議論において何が「良い」のかは、最終的には各自の判断に任されることです。本書が、良い議論、実のある議論について考えるきっかけとなれば幸いです。
なお、本文中で挙げた例はすべて架空のもので、実在の人物や団体とは一切関係がなく、特定の人物に対する批判の意図もないということを予めお断りしておきます。

確かにこの本に書かれているルールに従う必要はないのかもしれません。ですが、少なくともこのルールを知っていた方が色々と円滑に進むような気もします。
で、それはネットでの議論だけに限った話ではなく、学会発表とかの場合もそうなんじゃないかと思います。思いっきり内容を端折って言ってしまえば、この本で述べられる「議論のルール」の原則的な部分ってのは「議論とは相手の言っていることを理解しようとする過程である」ってことなのだと思います(多分)。
んで、学会発表の場ってのは自分の言っていることを他者に理解してもらうための場であり、聴衆ってのは「理解したい」と思って来ている人達なのだと思うのですよね(まあ「事例研究」って名目で「事例検討」をしてもらいたい人もいたりはしますが…)。
そう考えると、同業者の皆様におかれましては必要な本なのではないかと思うわけです。
レビューにもあるように、ネットの文章が元になっているとしたら、若干読みにくい部分はあるかもです。ただ、内容は良いことを書いてある(と少なくとも私は思います)ので、興味のある方は是非ともどぞーです。

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