研究はデザインが9割
…ってごめん。嘘つきました。
この本をインスパイア(今、大流行の言葉)してみますた。別にこの本は読まなくてもいいです。
人は見た目が9割 (新潮新書) 竹内 一郎 新潮社 2005-10 |
9割は言い過ぎかもしれませんが、7~8割は研究計画の段階で決まっちゃうんじゃないかと思うです。
そんなお話。
前にも書いたかもしれませんが、たまに同僚の看護師さんから研究についての相談をされるですよ。うちの職場的には看護研究が奨励されているっぽく、特に入職何年目かの若手の方から相談されることが多いです。
で、そういう時に大体いつも思うことは同じで
「相談するなら、もう少し早くしてくれたら…」
「てか、研究計画の段階で相談してくださいな…」
ってな感じでありまして。
やりたいこと、知りたいことがあって、そのためのデータを集めたつもりというのはわかるのですが、それを知りたいのであればこういう方法でこんな感じのデータを集めた方がいいですよ…というか、このデータだとその目的の辺りはわからんですよ…という感じになってしまうです。
まあ、私の統計知識が足りないからってこともあるのですが…いやいや、それだけの問題ではやっぱりないよなあ。
とにかく研究の最初の段階でどんな分析手法を用いるのか考えてないと、妥当なデータ収集ってのはできないですよ。そもそもどんな分析をするのか考えてない、わからないというのは、つまり結局のところ自分が何をしたいのか、何が知りたいのかってのがわかってないことだと思うですよ。
既に卒論を書いた修士課程の学生さんなんかには「何をいまさら」って話しかもしれませんが、そういう人たちもおそらく学部時代に指導教員や指導の院生にそういうことを言われたんじゃないのではないかと思います。そういうことを言われなかった人は、よほど優秀な人か、あるいは最終的には色々後悔された方か、はたまた後悔しなかったとしたらものすごく運が良かったか(いや、大事なことに気づくことができないって意味では逆にものすごく運が良くないとも言えますが)なんじゃないかと。
さてさて、その辺を踏まえてこれから卒論の研究計画を立てるつもりの大学3年生の皆様。
色々と自分の興味があるところに関係しそうな文献は集めていることと思います。その文献を読む前にまずはこの本を読んでみませんか?
心理学・社会科学研究のための 調査系論文の読み方 | |
浦上 昌則 by G-Tools |
恐らくこの本で書かれていることは「文献購読」みたいな授業で既に修得したはずの内容なのではないかとも思いますが、改めて論文を読むというのはどういうことなのか、そして研究するというのはどういうことなのかって辺りを整理するために役立ちます。
んでその辺を意識しつつ、関心がある領域の文献を読んでいれば(特に調査系論文がいいです)、何となく研究計画の輪郭はできてくるんじゃないかと思うですよ。
あとはこの本が手元にあれば、研究の流れがわかるはず。
心理学論文の書き方 松井 豊 河出書房新社 2006-09-09 |
かゆいところに手が届きます。提出までにどんな流れで進んでいくのかが丁寧に書かれているので、来年度の予定をぼんやりと思い描く上でも相当役にたつのではないかと。
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…てな感じで、「とりあえずやってみよう」じゃなく、今はじっくり考える時期なのではないかと思うです。ここでどんんだけ内容を詰めていくかが最終的には卒論執筆のカギになるのではないでしょうか。
あ、ちなみに「研究計画書の書き方」みたいなのはまた別のお話だったりしますので、その辺はまた書くかもしれないし、書かないかもしれません。
とりあえず何かのお役に立てば。
そして、研究に関する相談はできるだけ早めにお願いします>同僚の看護師さん達
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