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【まずは】臨床心理学研究の技法【ここから】

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研究と臨床のシリーズで散々主張してきているとおり、私は心理臨床家にとって研究活動は必要不可欠なものであり、研究することが臨床実践の質を高めると考えています。そうした考え方には私の出自(というほどのこともないか?)が強く影響していると思います。
私の出身大学院は研究者養成の色彩の強いところでした。私は元々研究者志望でしたのでそちらの大学院に進みましたし、そこで教育を受けられたのは本当に良かったと思います。「教育を受けた」と言っても大学院のカリキュラムの中で、特別に何か研究のためのトレーニングがなされるといったこともなく、基本的に個々の学生の自主性が重んじられていました。
考えてみれば当たり前のことで、研究ってのは自分自身が考えて作り上げていくものであり、人から教えられてやるもんじゃないですから。だから、自分で研究もできないような人間が大学院に進学するってのがそもそも大間違いであり、指定大学院の学生の大半は「大学院生」を名乗っちゃいけないレベルの人たちだと思うんですが…それはまた別のお話…。
結局、何が言いたいかというと、臨床心理学系の大学院生というのは本来、自分で自分なりの「臨床心理学観」というのを構築していかなければならないということであり、今回紹介するのはそのための第一歩となるような本です。

臨床心理学研究の技法
下山 晴彦

福村出版 2000-04
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ロテ的お薦め対象:学部生~大学院生;臨床心理学研究に役立つ本
わたくし、個人的にこの本の編者である下山先生萌えだったりします。この本の第1章1節~2節だけでも、どのように臨床実践の中に臨床心理学的研究を位置づけていくか、どのように研究の中に実践を位置づけていくか、考えるヒントが得られるでしょう。で、実際に臨床心理学の中でどのような分野で、どのような方法で研究がなされているか広く浅くではありますが網羅されており、臨床心理学者としての第一歩としては非常に入りやすい本だと思います。
大学院生が読むにはちょっと浅すぎるかもしれませんが(とは言え、このレベルでも必要な学生が多いのもまた事実)、卒論前の学部生はこれくらい読んでおいた方がいいのではないかと思います。値段もそれほど高くないし、コストパフォーマンスは良いでしょう。

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