資格問題

【市場調査】本当に医療系心理職の需要は高いのか?【してる?】

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先日のエントリー、【擁護派じゃ】医療心理師について本気出して考えてみた(11)【ないってば!】のコメントで

もう私はこの件に関しては
傍観者的に見ていようかなぁと思っておりますです。

と言ったその舌の根も乾かぬうちに再度資格問題に関するエントリーです。


これはどこかで書いたことがあるんですが、以前、現在の臨床心理士指定大学院制度の立案に携わった某大先生とお話をしたとき、その先生はこうおっしゃってました。
「指定大学院がこんなに増えるとは思っていなかった」と…
確かにそれまで現場で働いていた人はちゃんと理解していたわけです。実は心理職なんてそんなに数はいらないということを。ところが折からの心理ブーム(というか「臨床心理バブル」と呼んだ方が適切かも)の追い風にのり、皆さんご存知のように指定大学院はとんでもない勢いで増加しました。「なりたい子ちゃん」達はたくさんいたし、少子化に伴い生き残りが厳しくなってきた経営側にとって臨床心理士指定大学院というのは正に「客寄せパンダ」として最適だったわけです。
ですから、名前も聞いたことがないような大学の新設大学院が経営戦略として指定大学院になっているというケースが少なからずありますし、心ある大学の中にはこの指定大学院制度にカリキュラムを縛られるのを嫌って、敢えて指定大学院にならなかったところもあるのです(最近はさすがにそんな骨のある大学院も少なくなった…というか、やっぱり臨床心理士持ってないと色々と就職面で困ることもあるようで…)。
さて、私はよくわからないんですが現在、医療心理師の国家資格化を進めている方々、今後医療系の心理職にどの程度の需要があるか、その市場調査はされているのでしょうか?国家資格化されることで医療系の心理職の待遇が良くなることはわたくし的には非常にオッケーなんですが、学部卒直後の使えない心理職(1年2年の現場実習をしたところでたかが知れてるわけで)がどれくらいの率で就職できるんでしょうか?まさか常勤での就職率100%なんてことは考えてないですよね?あぶれた人はどうしましょう…とりあえずスクールカウンセラーでもやっときますか?
学部卒で受験資格が取得できるということになると、よほど厳しい設置基準を設けない限りは今の指定大学院と同じ程度かそれ以上の数の大学で取れることになるでしょう。その上で資格試験をものすごく難しくしましょうか?それもできないでしょうねぇ…
精神保健福祉士と対比して需要のことを考える人もいるかもしれませんが、それは較べること自体が間違ってます。だって、PSWは数が必要であり、心理職はそんなに数は必要じゃないんですから。さらに優秀なPSWってのは実は数は少ないし、そこに至る道のりってのはそりゃあ大変です。でもPSWの場合、卒後すぐであってもある程度の仕事はできるんですよ。それなりに知識がありさえすればそれは使えますし、そしてその知識の程度というのは資格試験である程度問うことができます(まあ試験に受かってもどーしようもないのも中にはいますけど)。しかし、卒後すぐの心理職に何ができますか?それを考えた時点で、需要の問題に関しては精神保健福祉士と同列に扱うことはできないと思うわけです。
結局、今、恵まれてない立場にある現職に対する救済措置の域を出ないんじゃないのかという気がするんですけどね。医療心理師って資格は。ほんと改めて教えてください偉い人。医療心理師についてはどの程度の市場調査をされているのでしょうか?もし調査をした上で需要があると言っているのであれば、そのソースを教えてくださるとロテ職人感激でございます。
#くどいかもしれませんが私は臨床心理士資格擁護派ではありません。臨床心理士なんて制度はぶっつぶれた方がいいと思っていますが、現在の状況を見るとそのダメさ加減では医療心理師も五十歩百歩であり、むしろ研究が軽視されている分、ダメさ加減にターボがかかっていると思っております。

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