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【心理統計関連】実は結構持ってる【5冊】

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前にも言いましたが、私は統計が苦手です。このブログを読んでる方でやっぱり統計が苦手って人は少なくないかと思います。でも(ごくごく当たり前の話ですが)まともな心理学の研究をしようと思ったら統計は絶対に必要です。
以前、某サイトで研究についての話題が出た時に、「統計が苦手なので文献研究で卒論を書きたい」とか「統計が苦手だから事例研究で修論が書ける大学院がいい」とかそんなふざけた書き込みを見たことがありますが、統計を使わずに論理だけで破綻のないまともな研究を構築するのがどんな難しいかわかってるんでしょうか?
我々は統計学者ではありませんから「統計のための統計」が必要なわけではありません。自分が見たいことを見るために、そして自分が言いたいことを言うために、既存の分析手法の中からどれを持ってきてどう使えばいいか、それが分かっていればいいんです。いわば道具としてうまく使うことだけが必要なわけです。ちゃんと使い方さえ誤らなければ、自分の見たいことは見やすくなりますし、言いたいことが言いやすくなります。「自分がこう思うから~だ」といったジャイアン的な研究は説得力が皆無ですし、まともな研究とは言えないでしょう(それを考えると心理○床学研究ってのは…以下自粛)。
自分に必要な分析手法を選ぶことができて、かつそれを適切に使うことができるレベルにあれば、院試の統計に関する問題は十分にクリア可能でしょう。というわけで今日は統計がらみの本5冊ご紹介します。あと何冊か統計関連の本は持ってますが、もし他にお薦めなどあったらコメント等でご紹介いただけたらと思います。

Q&A 心理データ解析
服部 環 海保 博之

福村出版 1996-02
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あなたもできるデータの処理と解析
岩淵 千明 石井 滋 神山 貴弥 浦 光博

福村出版 1997-06
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ロテ的お薦め対象:(統計を勉強し始めの)学部生~(「統計を使いたくない」とか言っちゃうアフォ臨床系)院生;心理統計の入門書
「Q&A~」の方は心理データ解析の初歩的な概念、初歩的な分析法を分かりやすく解説しています。計算式は多数出てきますが流れにそって丁寧に書かれており、きっちり読み込めば理解できない内容ではないと思います。
「あなたもできる~」は初歩的な概念、データ収集の方法、基礎的なデータ処理から多変量解析の概略まで(浅くではありますが)幅広く扱っています。統計に関して分からない事があった場合に辞書的に使うことも可能かと思います。
大学院入試問題レベルの統計であれば、この2冊で十分対応可能ではないでしょうか。卒論にとりかかる前には読んでおきたい本です。
で、実際に卒論(あるいは修論)の調査だったり実験だったりに取りかかる前、または書いている時に役に立つと思われるのが以下の3冊。

実践心理データ解析―問題の発想・データ処理・論文の作成
田中 敏

新曜社 1996-05
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ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法―方法の理解から論文の書き方まで
田中 敏 山際 勇一郎

教育出版 1992-08
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ユーザーのための心理データの多変量解析法―方法の理解から論文の書き方まで
山際 勇一郎 田中 敏

教育出版 1997-11
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ロテ的お薦め対象:研究にとりかかる前の学部生・研究に自信がない院生;研究・論文作成に役立つ本
この3冊があればデータ収集から分析・結果のまとめ・論文作成までほぼカバーできるかと思います。データの出力形式はSASのものであり、SPSSとはまた見方が違いますが基本的な内容は一緒です。十分対応可能でしょう。
質問紙調査はやってみたものの、どうやって分析したかいいのかさっぱりわからない…ってことは卒論なんかではよくあることかもしれませんが、そんなのは論外です。調査・実験の前にどんな分析手法を使うのかはっきりさせておきましょう。それがはっきりしてない場合には、そもそも問題設定だったり仮説の設定の段階で何かが間違っているということが往々にしてあります。それがはっきりすることで研究の問題点も明確になることでしょう。
…という話を大学院時代に先輩から口を酸っぱくして何度も何度も言われた落ちこぼれの私ですよ。そんな私でも理解できるこれらの本はやっぱり良書なのではないかと思います。お薦めです。
最初の方でも書きましたが、もし他にもお薦めの心理統計関連本(私でも理解できるレベルの)がありましたらお教えいただけるとうれしゅうございます。

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