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【某K先生も】マンガでわかる統計学 回帰分析編 その1【読んでた!】

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※以下の出来事は実話です。マヂで。
昨日、いつものように外来で患者さんに会おうとしたところ、ふと部屋の中を見たら忘れ物があるじゃないですか。トートバッグで、悪いなとは思ったのですが口は開いているので中身をちらっと確認したところ(患者さんの忘れ物だったら早めに対処した方がいいですしね)…
…神経心理学の本だったり統計の本だったりが入っていて「ああ、これは画像診断(MRIとかPETとかSPECTとか)が専門の某K先生のバッグだな」とすぐわかったんですが、その中の1冊が…

萌える統計本・"煤━━━━(?・??延a━━━━!!!!!!

この本だったのですね。

マンガでわかる統計学 回帰分析編
4274066142 高橋 信 井上 いろは トレンドプロ

おすすめ平均
stars前作から1年2ヶ月。必要な数学のレベル上昇+前作レベルの知識を前提としていて少し敷居が

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そんな某K先生も読んでいる萌え統計本の徹底レビュー。前作のレビュー(その1その2)に続いて逝ってみますYO!


ストーリーの概略は…

カフェ・ノルンの店員みうは憧れの客が忘れていった本『完全理解 回帰分析』を見つける。少しでも彼に近づきたいみうは先輩であるりさに回帰分析について教えを請うことに。「想いを伝えるため」にみうは勉強を始め、りさも協力することになった…

というストーリーで、ぶっちゃけ前作と話の構造というか、主人公の動機づけの部分はそれほど変わってません。ただ恋愛模様に関しては若干の波乱はあります(ほんとに「若干の」ですが)。その辺りは評価すべき点かな、と。
…もっとぶっちゃけると「想いを伝える」のに何で統計を勉強しなきゃならないのか?という根本的な疑問はあるわけですが…まあその辺をツッこむのは「無粋」というものでしょうね。
んで、統計的な内容でいくと
●第1章 基礎知識(指数関数・対数関数・微分・行列などの基礎的な数学的知識のおさらいと、前作の前半部分である統計学の基礎の復習)
●第2章 回帰分析
●第3章 重回帰分析
●第4章 ロジスティック回帰分析
●付録 Excelで計算してみよう!
となっております。
思い返してみると学部時代、回帰分析について教わったのは基礎統計の講義ではなく、その先のアドバンストコースみたいな演習でした。統計苦手なくせに「将来必要になるかも…」と思って受講したんですがものの見事にさっぱりわかりませんでした。後年、自分で重回帰分析とかを使うようになって「あれはああいうことだったのだなぁ…」とようやく理解できたんですが、その頃はホントにただ苦痛なだけの時間でした。
んでこの本ですが、確かに内容的には簡単じゃないです。第1章でいきなり「微分」とか「行列」とか遙か昔、高校自体に教わった…ような気がするなぁというレベルの(いや、そういうレベルなのは私が悪いんですが)知識をおさらいします。でもまあ、マンガを媒介にしているのでなんか分かったような気にはなります。この本はそういうレベルで読み進めていくのが良いのだと思います。
実際の回帰分析については「その統計手法は何をやっているのか?」が非常によくわかります。この辺よく分かってないでSPSSとか動かしている人もいないわけではないと思うのですが、そういう人にこそちゃんと読んでほしいです。
「まえがき」には

 本書では計算の過程がかなり細かく記されています。数学が得意な読者はじっくり目で追うとよいでしょう。あまり得意でない読者は眺める程度で充分です。つまり、「意味がわからないし計算も大変そうだけど、ともかくこういう手順を踏めば解が求まるらしい」という、“おおまかな流れ”をつかむ程度で充分です。無理に今すぐ理解しようとする必要はありません。あせらずのんびりいきましょう。ただし必ず眺めるようにはしてください。

とありますが、これはこの本のあり方を端的に説明していると言って良いでしょう。そしてこの姿勢こそがこの本の「統計本」としての画期的な部分なのではないかと思います。
だいたいの内容はマンガで説明して、より詳しい解説は補足の文章部分で…という構成になっています。文章部分では「多重共線性」の問題なんかにもちゃんと触れられております。個人的には重回帰分析の分析方法(ステップワイズ法とか強制投入法とか)についても触れて欲しかったのですが、そこまで多くの内容を望むのも間違いかなとは思います。
あと、も一つ個人的な話。恥ずかしながら私、ロジスティック回帰分析についてはほとんど知らなかったので(名前くらいしか知らなかった)、マヂで勉強になりました。いや、ちゃんと理解したかは微妙なところですが、“おおまかな流れ”はつかんで「何をやっているのか」はわかった…つもりです。ほんと勉強になりますた。
卒論や修論で重回帰分析使ったんだけど、何やってんのか全然わかんねーYO!という方は是非とも読んでみてください。損はさせないはずです(たぶん)。
ちょっと長くなってしまったので、キャラクター紹介などは次回また(そういう需要はあるのかどうかわかりませんが、個人的な趣味で)。

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