先日、病棟の看護師さんから質問されました。内容は以下の通り。
●看護研究(色々あってやらなきゃいけないらしい)でアンケート調査をやりたい。
●結果は統計的に処理して発表したい。
●SPSSが入っているPCを使うことはできる。
●でもSPSSの使い方は全く分からない。
●統計についてもあまり分かっていない。
…うーん…。
とりあえずアンケート用紙(=質問紙)を作る前に声をかけてくれて良かったです。以前、同じようなことがあったのですが、その時はもう調査が終了していて、集まったデータを見た私は困ってしまったのでした。
卒論などの調査をやっている(あるいはこれからやる)人達にとっては常識かと思いますが、研究計画を立てる際には結果を導き出すためにどのような統計処理を行うのか?ということを意識する必要がありますし、それは質問紙をどのように作成するかにも深く関わってくるかと思います。新しい尺度の作成なんてことになると、妥当性・信頼性など確かめる必要がありますし、その他色々複雑な問題が出てきますが…。
今回、看護師さんから質問された件については、調査前だったのでいくつかアドバイスめいたことをして、とりあえず下の2冊の本をお貸ししました(この本、自分では使わないだろうなぁと思っていたのですが、役に立って良かった)。
すぐわかるSPSSによるアンケートの調査・集計・解析 内田 治 東京図書 2002-04 |
すぐわかるSPSSによるアンケートの多変量解析 内田 治 東京図書 2003-03 |
とりあえずこれがあれば、SPSSを形の上では使えるようになるかな…と。
ただ、この本を渡しながらも色々ジレンマは感じていたのですよね。
相手が心理の院生だったりした日には「心理統計の初歩から勉強しろ」で
Q&A 心理データ解析 服部 環 海保 博之 福村出版 1996-02 |
とか
実践心理データ解析―問題の発想・データ処理・論文の作成 田中 敏 新曜社 1996-05 |
とか
ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法―方法の理解から論文の書き方まで 田中 敏 山際 勇一郎 教育出版 1989-04 |
とかを渡すんでしょうけれども、看護師さん達は別に研究が仕事のメインではないわけだし、これらを渡してもなぁ…なんて思ったりしてしまいました。
私は決して彼女たちの能力を低く見ているわけではありません。ただ、専門性も違うし、受けてきた教育の内容も違うし、統計的な処理が必要な研究もあまりしたことがないわけだから分からないのは仕方がないと思うのですよ。
でも研究をやるからには、本当は基礎から理解した方がいいだろうし、ちゃんと結果の処理の方法をちゃんと理解していれば、考察したり論文をまとめたりなんてのはスムーズにいくよなぁ…なんて思ったり。
だけど彼女らはなかなか時間も取れないんだよなぁ…なんてことも思ったり。
お腹が減って困っている人のために、魚をあげるのか、それとも魚の釣り方を教えてあげるのか。特にその人が今後食べ物に困ることはあまりないであろう場合にはどうすればいいのか…。うーん…。私はどう対応すれば良かったのかなぁ。
あ、最後に自分のための備忘録的にこれも貼っておきますですよ。
SPSSとAmosによる心理・調査データ解析―因子分析・共分散構造分析まで 小塩 真司 東京図書 2004-05 |
SPSS完全活用法―共分散構造分析(Amos)によるアンケート処理 田部井 明美 東京図書 2001-07 |
Amosによる共分散構造分析と解析事例 山本 嘉一郎 小野寺 孝義 ナカニシヤ出版 2002-11 |
AMOS…というか共分散構造分析をちゃんと使えるようになりたいです(「ちゃんと」と言っても、私なりのレベルで…ですけどね)。
1日1回のクリックがロテ職人を救います→人気Blogランキング