届きました。さすがAmazonさん、早いっす。
神童 (1) (Action comics) さそう あきら 双葉社 1998-06 |
読みました。すごいです。これはすごいです。面白かった。未読だったことが非常に損をしていたと思えるくらい面白かった。帰宅したのは夜中なのに2回も読み直してしまいました。
浪人生・菊名和音は栄光音楽大学を目指しているものの、「合格は無理」と言われていた。そんなある夜ボートを漕いでいた和音は野球ボールを捜しにきた少女・成瀬うたと知り合う。勢いでうたに部屋に上がりこまれる和音だが、彼女は和音のピアノから聴いたことも無いような素晴らしい音色を奏でたのだ……。
(Wikipediaより)
あ、「物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。」なので未読の方はWikipediaの記述は読まない方が吉。
この物語、何がすごいって「音」の表現に対するこだわりがすごいです。同じくクラシック音楽を扱った作品である『のだめカンタービレ』と比較すると、『のだめ』は(本来紙面上では表現できない)「音」を表現することには、そんなに力を入れていないように感じます。のだめの演奏のすごさってのは、主に聴く者の反応として描かれていることが多いんじゃないでしょうか。あるいは比喩的…というか直喩っぽい表現が多いのではないかと思います。
あ、今気づいたんですが『のだめ』の最新刊が8月に出るらしく、AmazonさんではDVD付き初回限定版の予約が開始しておりますよ。
DVD付き初回限定版『のだめカンタービレ』第22巻 二ノ宮知子 講談社 2009-08-10 |
脱線終わり。
それに対して『神童』では、「音」をどのように表現するのかってことに対して、かなりこだわってるように感じますよ。直喩に対して、隠喩?みたいな。もちろん、演奏の凄さが聴衆の反応としても描かれているし、ストーリー展開としても表現されているのですが、とにかく「音」の表現はすげえなと思いました。
つか今気づいたんですが(これ多いな)、この作品は第3回手塚治虫文化賞のマンガ優秀賞を獲得しており、ウェブページに作者のコメントも掲載されております。
マンガ優秀賞 さそうあきら 『神童』
音楽はそれ自体が計れないほど大きな力を持った表現です。
しかし、発信された音楽にむかって傾けられた耳がないとその表現は死んでしまいます。『神童』の中で僕は音楽を耳の問題として表現しようと思いました。
どういうふうに耳を傾ければ音楽が音楽として聞こえてくるのか?
音楽を音だけではなく、絵だけでもなく、エピソードとして表現すること。それが僕の考えた方法でした。
うん。納得。
そんな辺りをおいといても、とにかく物語自体が面白い。単行本全4巻でコンパクトにまとまっており、間延びしてないのもイイ感じ。さそうあきらの絵は好き嫌いが結構分かれるところかもしれませんが、とにかくストーリーに読ませる力があります。
知ってる人は「何をいまさら」なのかもしれませんが、未読の方は読んだ方がいいです。マジお勧め。
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