研究と臨床

なんか勝手に決めつけてる?ような気がしないでもない

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こんなブログを発見しましたよ。
nhiro's biopsychosocial blog
書かれている方は「研究職員(薬理学/心理学)」だそうで…。薬理系の実験をやってる人?とか思ったのですが、どうもそうではないようで…限りなく臨床心理学寄り…のような気がしますが…詳細は不明です。
で、今日のエントリですよ。
臨床心理の修士研究(06/10/26)
何だか色々と気になるところがありまして…コピペしつつ思うところなど。

多くの大学院では来年1月上旬あたりが修士論文の締め切りです。臨床心理の大学院生の中にはこれから研究にとりかかる人も多いことでしょう。
本来,これから研究にとりかかるのは遅すぎるのですが,臨床心理では多くの人がそうなってしまいます。

…えー?臨床心理では多くの人がそうなってしまいます
それはどこの大学院の話ですか?少なくとも私が知っている範囲では、これから研究始めて間に合うところなんて…まずないと思います。
「多くの人がそうなってしまいます」と断言されていますが、これは私が現実を知らないだけなのでしょうか?それとも著者である廣中さんがご自身の経験を過度に一般化されてるのでしょうか?(だとしてもこれからやって間に合うの?)

僕は,臨床心理士を目指す人に学校教育法で定める大学院教育は必要ないと思っているのですが,これは臨床心理士という資格ができたときの経緯ともかかわり,今では多くの人が忘れていることなので,いずれ改めて書きます。

へー…「必要ない」とおっしゃる…。是非ともなぜそうおっしゃるのかご意見をおうかがいしたいところです。「今では多くの人が忘れていること」って一体何なのか。非常に興味があります。
ちなみに私は臨床心理士を目指す人にとって研究は必要不可欠だと思っております。その辺については、是非とも過去ログをお読みいただけたらと。
【研究】臨床心理士が研究するということ(1)【臨床】(05/01/25)
【科学的】臨床心理士が研究するということ(2)【思考】(05/01/26)
【再現性】臨床心理士が研究するということ(3)【論理性】(05/01/31)
【これまでの】臨床心理士が研究するということ(4)【まとめとか】(05/02/04)
【科学者】臨床心理士が研究するということ(6)【実践家】(05/02/10)
【修論で】臨床心理士が研究するということ(7)【症例研究】(05/02/11)

それはそれとして,現実には何か研究をして修士論文を書かないといけない。ところがこれにいろいろ制約があって大変なのです。

別に書きたくないなら書かなきゃいいのに…臨床心理士の資格を取りたいから研究するなんて人は、臨床心理士の仕事できないでしょうから(臨床心理士の業務の中に「調査・研究」が入ってますよね?)やめといた方がいいんじゃないでしょうか?
で、その「制約」とは…

まず,「臨床的な」研究でなくてはならない。「臨床」という意味は,医学や薬学だと人間を使った研究すべてを指すのですが,心理学ではそうではなく,何が「臨床的」かは,臨床心理士資格認定協会の判断に任されています。認定協会は大学院を査察し,修士論文をチェックします。大学によって温度差はありますが,実験的な研究があると評価が下がってしまうのです。次に,標準的な方法として現在広く使われているものに疑問を投げかけるような研究は良くないのです。

臨床心理士資格認定協会にそんな権限があったとは…初耳です。実験研究で評価が下がるって…妄想じゃなくて?修士論文で事例研究なんてのは言語道断(てか無理)ですが、それで実験もやっちゃいけないなんて「じゃあ何をやれっての?」って感じです。
「標準的な方法として現在広く使われているものに疑問を投げかけるような研究」ってのも、具体的にはどんなものを指すのかわかりませんが…例えばアセスメント技法に関してとかですかね?アセスメント技法の再検討的な研究は山ほどあるし、普通に修論でやってるのも見たことありますよ。

修士の研究は先生のやっている仕事を手伝えば良いのですが,教育と臨床のかたわら,独自に研究をしている先生は少ないので,テーマを与えてくれることもほとんどありません。

「修士の研究は先生のやってる仕事を手伝えば良い」?「テーマを与えてくれる」?
そんな研究やって面白いですか?
他分野ならともかく、心理学ってそういう縛りがないところが良いところなんじゃないかと私は思っていましたが…これも私の認識が間違っているのでしょうか?

こういうことで,残念ながら,修士論文の方が学部の卒業論文よりも概してレベルが落ちます。

だからそれはどこの世界の話なのか?と…

それで多くの院生は困ってしまうのですが,僕の考えでは,困ることはない。ともかく卒業して資格を取ることが第一目標であり,心理臨床家の本当の勉強は現場に立ってから始まるものだから,修士研究でつっかえる必要はないのです。

心理臨床家としてのトレーニングは現場に立ってから始まるというのは私も全く同じ意見です。でも研究者としての(基礎的な)トレーニングは大学院でしかできないと思うのですよね。なので、修論でつっかかるのはそれはそれで必要なことだと思うわけですよ。
その後の方法論については割愛しますが…
これは私がおかしいんでしょうか?なんか読んでて頭がグラグラするのですが…。
私からすると、文章を読むたびに「自己の経験を過度に一般化しているのではないか?」という疑問がわいて出てきてしまうのですよ。「そういう大学院も中にはあるかもしれないけれど、それを一般化してしまうのはどーよ?」ということで。
私の言っていることがおかしいということであれば、根拠をおさえた上でご意見いただけたらと思います(根拠のない誹謗・中傷はお断りですヨ)。皆様からのコメントお待ちしております。

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