臨床心理学

やっぱりアレだよ「患者様」

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一昨日・昨日と一橋大学で開催された第14回SST経験交流ワークショップに参加して印象的だったこと…。
…というのは、まあ色々あるんですが、ここで書けそうなことをちょこっとピックアップ。
一日目の一番最初のプログラムが会長講演でした。SST普及協会会長の西園昌久氏による「道具としての言葉の不完全性-SSTへの期待-」という講演だったのですが、その中でのお話。
言葉の問題ということで、私がずーっと気になっていた、そして以前このブログでも取り上げた「患者様」という言葉について言及されておりました。
関連エントリ
「患者様」の距離感(05/08/25)
その中で国立国語研究所の吉岡泰夫氏による以下の研究が取り上げられておりましたよ。
吉岡泰夫・早野恵子・ 徳田 安春 他(2008) 総合的研究 良好な患者医師関係を築くコミュニケーションに効果的なポライトネス・ストラテジー. 医学教育, Vol.39, No.4, pp. 251~257.


その中でも特に印象的だったのは、「患者様」という言葉に関する調査の中で、その言葉を使われる患者側の人々は、「患者様」という言葉や過剰な敬語に対しては「慇懃無礼」だったり「心理的距離を置かれている」という印象を持っていることが分かった…という話でした。
西園氏もやはり「患者様」という言葉の使用に対しては「とんでもない」と思っていたらしく、今回の講演を聴いて私自身も「そうだろうなあ」と思いましたよ。
しかしこうなってくると、一体誰のために「患者様」という言葉を使っているのかわからなくなりますよね(というか私はそういう言葉使ったことないですけど)。同時に、無自覚に「患者様」という言葉を日常臨床の中で使ってしまっている医療従事者ってのはどうなのだろう…と思ったりする次第なのでありました。
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全然関係ないんですが、「患者様」という言葉でAmazon.co.jpを検索して発見したこちらの本。

歯科助手が患者様を増やす (歯科医院経営実践マニュアル vol. 8) 歯科助手が患者様を増やす (歯科医院経営実践マニュアル vol. 8)
領木 誠一

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タイトルだけ見て「美人の歯科助手がいるところは患者が増える?」というストーリーを思い浮かべてしまい「ずいぶんぶっちゃけたこと書いたねえ」と勝手に思ったりしたのですが、ちょっと考えて「歯科助手の対応」とか「サービス」とかまあそんな話なのだろうなあと納得して、なんだかちょっとがっかりしたワタクシなのでした。
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えーと、とにかく無自覚に「患者様」って使うのはどーよ?って話でございました。

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