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キュアドリームこと夢原のぞみ=LD説について考える…以前にアニメや漫画のキャラの診断って意味ないと思うよ

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09/03/03のエントリ、“フレッシュプリキュア 作画監督”でググってみるとこのブログが上から2番目な件のコメント欄にて、キュア認定心理士さんからこんなコメントいただきました。

一部で、「のぞみは学習障害なんではないか」という説があったんですが、学習障害ってあんなんですか?
なんか妙にすわりのいい説で印象が強いんで、思い切って専門家に聞いてみたくなって。
すいません。

知らない人のために一応。「のぞみ」はテレビアニメ『Yes! プリキュア5』『Yes! プリキュア5 Go Go!』の主人公のこと。

夢原 のぞみ(ゆめはら のぞみ) / キュアドリーム
声 - 三瓶由布子
本編の主人公。サンクルミエール学園2年生。大いなる希望の力・キュアドリームに変身する。イメージカラーは桃色。父は童話作家、母は美容院を経営。
勉強も運動も苦手、やや天然ボケでドジだが、自分よりも人のために一所懸命になれる[1]喜怒哀楽に富んだ活発な少女。何事にもめげずに前進する性格で誰とでも仲良くなれる。反面、取り柄のない自分を嘆いたり、あまりの成績のひどさに仲間からプリキュアを休むよう諭されて落ち込むこともある。

このピンク髪の人です。
夢原のぞみ
LDなど発達障害については自分ではあんまり「専門家」って感じはしないんですが、仕事で関わることは少なからずありますし理解しておかなければいけない概念ではあるし、色んな意味で言及しておく必要はあるかなと思いまして。
とりあえず結論から先に言います(ってタイトルで既に述べていたりするんですが)。
アニメや漫画のキャラの診断をしたところで意味はないし、逆に不必要な誤解・偏見が生じる原因になりかねないので推奨される行為ではないのではないかと思います


劇中のあるキャラの言動等から、何らかの精神疾患に共通する特徴が見いだされたとします。んでも、その特徴が見いだされたからと言って、確定診断が下せる訳ではないです。直接会ってみて、ある程度の時間をかけて面接しない限りは精度の高いアセスメントは不可能です。
んで、アニメや漫画の主人公のキャラを立たせるためには、何か極端な特徴をつけるのが一番手っ取り早いわけです。それは見た目の特徴もあるでしょうし、行動や言動なども含まれるでしょう。で、そうした特徴が精神疾患や発達障害などの特徴に類似するってのはありがちなことなのではないかと考えられます。
ちなみに手元にあったこの本によりますと…

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古荘 純一

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学習障害とは、その子の全体的な知能と比較して、読む、書く、計算するなどの特定の機能に限って障害が認められるものをいいます。

学習障害の定義(文部科学省による)

1. 聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得に著しい困難を示す。
2. しかし、基本的には、全般的な知的発達に遅れはない
3. 障害の背景として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定される。
4. 学習上の特異な困難は、主として学齢期に顕在化するが、学齢期を過ぎるまで明らかにならないこともある。
5. 視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などや、家庭、学校、地域社会などの環境的要因が直接の原因となるものではない。
6. 行動の自己調整、対人関係などにおける問題が学習障害に伴う形であらわれることもある。

勉強ができないことイコール学習障害ではありません。全体的な知的能力には問題がないのに、特定の学習能力が著しく低く、本人の努力により補える範囲を超えている状態があってはじめて、学習障害ではないかと疑います。環境や感覚器の障害からの二次的な症状により、学習に問題が生じているわけではないことも診断する際に確認しなければなりません。さらに、精神医学的な考えを加えると、その学習障害によって、学校生活の適応に支障があることがあげられます。

この辺を見ると、件の夢原のぞみは学習障害っぽい特徴もないわけではないですが、劇中で見られる行動のみで確定診断を下すの困難だと思います。
で、仮に診断名をつけてみたとして、そのことに何の意味があるんでしょうか?何らかの援助・介入を必要としているわけでもない人に対して、アセスメントをしたところで何の意味もないですよね。それは単なるレッテル張りでしかありません。
ファンとして裏設定とか考えるのが面白いってのはわからなくもないですが、中途半端な知識で、しかも劇中で見られる中途半端な情報のみを元に診断的行為をネット上のコミュニティで行うことで、専門家以外の人に中途半端な知識が拡がったりする危険性も考えられます。そういう半端な知識が不必要な誤解や偏見を生む可能性さえあります。
そういえば『新世紀エヴァンゲリオン』が流行ってた当時、やっぱりキャラの一人一人に関して精神医学的診断っぽい見方をした本を何冊か読んだことがありますが、「何だかなあ」という感じでございましたよ。面白いと思う人がいるからそういう本も出ちゃうんでしょうけれども、それが正しい知識に繋がる可能性は極めて低いと感じました。
もしネット上で(あるいはリアルでも)そういう議論がなされたら、とりあえず「そんなん意味ねーよ(pgr」としておくか、余計な波風を立てたくないと思うのであれば生暖かい目で見守るってくらいでいいんじゃないですかね。
そんなわけで多分、キュア認定心理士さんの期待に沿えるような回答ではなかったことと思いますが、とりあえず私の現時点での考え方はこんな感じであり、恐らく今後も覆ることはないでしょう…ってことでいかがでしょうかね。

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