臨床心理学

スクールカウンセラーと心理検査

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昨日のエントリ、今までその程度の知識もなかったってこと?~摂食障害関連本のご紹介など~に引き続き、スクールカウンセラーがらみのお話。
心理職の国家資格化実現検討委員会というブログ(ここはつなでさんが管理者だったのですね)の8/22のエントリ、国家資格の必要性でスクールカウンセラーについて触れられています。
ちょっと引用してみましょうか。

スクールカウンセラーに、発達臨床心理学の知識と、行動観察を中心とするアセスメントの力がないと、見立てができないのは当然のことです。ところが、巷には、「スクールカウンセラーには軽度発達障害の見立てができない」という噂が広まっているようです。(そういう人は、SCの仕事をしてはいけないと私は思いますが。)

…ふむ…。私もそういう人はスクールカウンセラーはやっちゃいけないと思います。昨日のエントリとも関連して言えば、精神医学的な知識はもちろん大切ですが、発達障害に関しての知識は学校臨床の現場ではより重要性が高いでしょう(特に最近は)。

その話の中で、日本では、WISCなどの検査を誰がやってもいいという現状に触れられていました。確かに、教員がWISCをしていることが、けっこうあるようです。特別支援教育では「診断は医師の仕事」という知識の普及を図っていますが、それでも学校では、教員の見立てで「アスペルガー」「ADHD」というレッテルを貼られている子どもが散見されます。

あー…私も養護教諭がWISCをやってるって話は聞いたことがあります…というか実際、やってる養護教諭と話をしたことがありますが…
ちゃんとやれる人ならいいんですけどね。でも、養護教諭は心理アセスメントの専門家なわけではないし…。というか、養護教諭は心理検査・知能検査よりもむしろ行動観察によるアセスメントのプロであって欲しいと思うわけですが…理想はそうですよね?

そのあたりで、心理検査類をどう運用するのが利用者の利益になるのか、十分な検討が必要だし、今のような「野放し」ではいけないと強く感じました。

それ以前の問題として「スクールカウンセラーが学校内でそう簡単に心理検査(知能検査を含む)を施行できるのか」ってことが挙げられるんじゃないでしょうか?…てか、私はそれって実は非常に難しい場合があるのではないかと思ってます。
心理検査ってのはどうしても「評価」とつながってきますよね…いや、もちろん「アセスメント」ってのは「評価」なのですが、我々心理職にとっての「評価」と教員・保護者、そして生徒にとっての「評価」ってのは往々にして異なる意味を持つのではないかと思うわけです。それがWISCなどの知能検査だったらなおさらで…(この辺、明確な論拠はございません…とあらかじめ開き直っておく)。
で、そんなこんなでスクールカウンセラーが心理検査を好きなように施行できる学校現場って、少ないんじゃないかと思うんですが、実際はどうなんでしょうかね?てか、私はスクールカウンセラーの難しさの一つが「心理検査も満足にできないような環境下である程度精度の高いアセスメントをしなければならない」ということだと思っていました。
私は学校臨床に関しては知り合いのスクールカウンセラー経験者から伝え聞くだけであり、それほど詳しいわけではないですし、当然学校や地域によっても違うと思うのですが、実際のところはどうなんでしょうか?
教えてエロい人!
…とここまで書いて、そうした検査を施行できる環境を作るのもまた、スクールカウンセラーの腕の見せ所かも…とか思いますた。まあ「そんなもんやらんでも、ちゃんとアセスメントできるYo!」という優秀な方も、もちろんいらっしゃるんでしょうけど。

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