スクールカウンセラー

スクール・カウンセラー制度-その構造的問題-(2)

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指定大学院の学生さんとお話する機会が実は結構あるんですが、そういう時に「スクールカウンセラーになりたいんです」という人は少なくありません。

 

で、よく話を聞いてみると明言はしないものの、「重い病気の人を相手にするよりは比較的健康な子どもを対象にしたい」だったり、ひどいのになると「大人よりは、(防衛的な関わり方で済む)子どもを相手にしたい」という思いが見え隠れすることがあります。

 

そんな時、私はこう思います

 

お前ら、学校臨床なめてんじゃねーぞ!

 


 


前の記事にも書いたように、スクールカウンセラーは非常に難しい仕事だと思います。子どもよりもむしろ、教師だったり親だったりへの対応が多いというところも少なくありません。物わかりの悪い教師って多そうですよね~(←偏見)。親の対応も難しいだろうなぁ…そんなん、あたしゃ、ようしませんわ(←偽関西弁)。

takashiさんのコメントにもあるように時給は高いんですが、その立場だったり経済的な基盤だったりは病院勤務よりもさらに不安定です。


…で、以下は私の妄想も多分に含んでいるので、明らかな事実誤認等が含まれているかもしれません。気づかれた方はコメント等いただけたらと思います。

資○認定協会か心○臨床学会か…どちら主導になっているのかよくわかりませんが、文科省が進める公立中学校のスクールカウンセラー制度…実はこの制度って「増え続け、仕事が無くなってきている臨床心理士資格保持者の受け皿」という意味合いが非常に強いんじゃないでしょうか?

地方はまだまだ開拓の余地があるかもしれませんが、都市部では病院やクリニックといった働き口はそろそろ飽和状態にあるようです。しかし、指定大学院を出て新たに臨床心理士資格を取得する人は、毎年1000人単位で増え続ける…かなり前から言われていたことですが、このままでは「資格はとったけど就職はできない…」という人がどんどん増えてくるはずです。

そこでスクールカウンセラーですよ。

確かに色々な面で不安定な職ではありますが、少なくとも日銭は稼ぐことができます。精神科や心療内科のクリニックの非常勤の人で給料の少ない分をスクールカウンセラーで補うという話もよく聞きます。

学校臨床はまだまだ開拓の余地がありますから(あ、でも東京都内なんかは既に厳しいみたいですね)、職にあぶれた臨床心理士資格保持者を受け入れることもできます。そういう人達も苦しいかもしれませんが、なんとか生活することができるでしょう。そして、本当は非常勤よりは常勤の方が望ましいんでしょうが非常勤であるということで、期せずして今流行りの「ワークシェアリング」を取り入れることになっています。

なんか良い事たくさんって感じですが…本当にこれでいいんですか?

<まだまだ続きます>

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