臨床心理学

ネットカウンセリングについて改めてまとめてみる

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ネットカウンセリングの是非については過去にも触れているので、もし以下の過去ログを未読の方がいらっしゃいましたら、そちらをご覧くださいませ。できればコメント欄も読んでいただけるとうれしいですよ。
本日の[1](( ;゜Д゜)ガクガクブルブル (((( @mixi@050630
メールカウンセリングやチャットカウンセリング
上記過去ログを踏まえて、ネットカウンセリングについて現在私が思うところを簡単にまとめると以下のようになります。
■情報が大幅に制限されている掲示板・チャット・メールなどのCMC(Computer-Mediated Communication)によるカウンセリング・心理療法は不可能ではないが、かなり限定的なものにならざるを得ない
■対面で行うのに比べてアセスメントの精度は極端に低くならざるを得ないため、継続したカウンセリング・心理療法は不可能である(病態水準の評価を誤った場合、統合失調症の方に延々と効果のないカウンセリングを続ける・不用意な一言が自殺・自称行為を誘発する…といった最悪のケースも考えられる)
■同じ理由で(専門家としての倫理を守ろうとするのであれば)精神科疾患が疑われるような方に(それをカウンセリングと称さなくても)安易なアドバイスをするべきでない
■現在もカウンセリングを受ける、さらには精神科を受診するといったことに対する敷居の高さは厳然として存在するため、導入としてネットを用いることは可能かもしれない。ただし、その効果について現段階ではまだ実証されているというほどのものではなく、慎重に用いるべきである
…とまあこんな感じでしょうか。
突然、私がこんな話題を持ち出してきたのは、実はこんなメールを受け取ったからなのでした。


※実はメールの転載許可はまだいただいていないので、内容を簡単にまとめてみますと…
Yahoo!掲示板で、掲示板上でのカウンセリング行為に関する議論が起きている、と。で、その議論の発端となったのは
健康と医学 > メンタルヘルス > メンタルヘルス全般 > もう死んでもいいですか
の発言No.27745であり、それに対するアドバイスが発言No.27759でなされています。
このやりとりを見る限りでは、No.27759の発言は『無責任なアドバイス』であり、この発言をされた方は専門家ではないのだろうなぁと私は思います。
私だったら相手がどんな状況かもわかりませんから(そして私のアドバイスが相手にどんな影響を与えるかわかりませんから)無責任なアドバイスはできませんし、そもそもネットは仕事場ではありませんので、その手の相談は受けないことにしています(というのはこのブログのトップの注意書きにも書いてありますね)。その辺りはまだまだ駆け出し(&若手)の私でも容易に理解できることです。
その後、この議論(議論というほどのものでもないと思うけど)は
芸術と人文 > 哲学、思想 > 西洋哲学 > あなたの倫理を語って下さい
というトピックに移り、現在では泥仕合の様相を呈しております(ので私は早々にログを追うのはやめました。時間の無駄っぽいんで)。
ネットカウンセリングに関する考え方は上で述べた通りなんですが、そもそもあれがカウンセリング行為かどうかは微妙なところですし、あのメンタルヘルスのカテゴリー内でのローカルルールに相当するものが見つからない(つーか見つけられないのは私だけ?)ことから、当該発言が「問題となるもの」かどうかは微妙なところです。
ただ、繰り返しになりますが、とにかくああいう無責任なアドバイスをしている時点でロクなもんじゃねーなぁとは思います(あくまでも個人的な意見ですよ)。発言された本人に自覚がないのであれば、何を言っても無駄でしょうしねぇ…そういう方の被害にあわれた方はお気の毒なことだと思います(繰り返しますが、あくまでも個人的な意見ですよ)。
しかし…ああいう話題を扱うところでローカルルールがないというのは恐いことだなぁと思います。そういえばかなり昔、Yahoo!掲示板に生息していた時期もありましたが、2ちゃんねるの方がまだ内容的にはマシだったため、閲覧を止めたという覚えもありますよ。
ま、そんな感じで。参考になりましたでしょうか?>メールをくださった方。
皆様からの異論・反論・オブジェクションも含めたご意見、お待ちしておりますよ。

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1 (( ;゜Д゜

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