臨床心理学

中学生の25%が「うつ状態」?

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こんなニュースを見つけましたよ。
J-CAST ニュース : 中学生25%が「うつ状態」 厚労省調査
さわりのところをちょびっとコピペ。

中学生の25%が「うつ状態」。厚生労働省の研究班が約600人を調査すると、こんな結果が出た。うつ状態は、自殺につながりかねない危険性を指摘されている。専門家は、いじめの有無ばかりに注目せず、子供の心の状態に教師や親が関心を高める必要性を指摘している。

調査は、研究班主任研究者の保坂隆・東海大医学部教授(精神医学)らが2006年8月、静岡県内のある公立中学1校の1~3年生を対象に行った。「生きていても仕方ないと思う」「独りぼっちの気がする」など18項目を質問した。回答は「いつもそうだ」「ときどきそうだ」「そんなことはない」の中から選ぶ方式だった。

んー…


中二病」なんて言葉を持ってくるまでもなく、思春期心性を考慮すれば当然の結果じゃないかと思うわけなのですが。
実際

18の質問すべてに答えた男女557人のうち、24.6%の137人がうつ状態と判断された。残りはうつ状態ではなかった。保坂教授によると、うつ状態と言っても、治療が必要なうつ病に近い状態なのか、悩みを人に聞いてもらえばすぐに直る程度の状態なのか、はこの調査からは分からない。

とあるように、この結果だけじゃ何も言えないということはあります。
記事には

学校では、担任教師たちが、生徒ひとりひとりとじっくり話し合う時間をつくることが大切だ。導入が進むスクールカウンセラーやいじめの有無の調査ではなく、身近な存在として生徒の心配事に耳を傾けるだけでも気付くことがあるはずだ。親は、自分の子に限ってうつ状態などとは無縁だ、という思い込みを捨てる必要がある。だれでも陥ってしまう可能性があると知り、やはり会話を重ねるべきだ。国へは、中学生対策としてだけでなく「こころの安全週間」を創設し、自殺防止や周囲のうつ状態の人に気付くよう啓発することを求めている。全国で毎年行われている交通安全週間並みに一時期に集中的に関心を高めようとするものだ。

とありますが…教師が生徒ひとりひとりとじっくり話し合う時間が簡単に取れないから、スクールカウンセラーが必要とされているという側面もあるんじゃないでしょうかね?(もちろん、SCの必要性はそれだけではないとは思います)
「親は~」のくだりには同意します。まあ、これは精神疾患に限らず、どんな病気であってもそうであり、つまるところ自分の子どもに対して関心を向けろ(というのはやたらと干渉しろってことじゃないですよ)っていうわりと当たり前のことでもあると思います。
つか、この最後の部分の提言は調査を担当した専門家の言葉じゃないですよね?
教師が生徒に関わることはもちろん大事でしょう。そして親が子どもに関心を向けることも必要です。で、さらにスクールカウンセラーも大事だし、(形だけではない)いじめの実態調査ってのもそれはそれで必要なのではないかと。
その中で我々専門家としては、(ありきたりというかいつもの意見ではありますが)やはり子どものうつのアセスメントはできないといけないだろうなぁと思うわけで、前にもご紹介したこの本を再度ご紹介させていただき締めの言葉とさせていただきます。

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※07/05/21追記
afcpさんからいただいたコメントより抜粋。

傳田先生のご著書としては、専門家向きには紹介して頂いた本がよいのかとは思いますが、出版されたのが少し前なので、SSRIなどの情報に関しては、今年出版されたばかりのこちらの本がよいかもしれません。

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よさげな本の情報ありがとうございます。一般向けだからこそ、なかなか使えそうな本かもしれないですね。

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